SDRAMの2クロックと4クロックの違い

秋葉原のショップなどでSDRAMを見ると,2クロックと4クロックのものが売られていますが,どのような違いがあるのでしょうか。


メモリに関してクロックというと,だいたいが5-1-1-1などといったアクセスタイミングの話に帰着するのですが,今回ご質問の2クロック品と4クロック品というのは,DIMMのピン配置にクロック入力が2個あるか4個あるかといった違いになります。
 2クロック品の場合は,一つのクロック信号でDIMMに搭載されたチップの半分を駆動します。例えば,16Mビット(2Mビット×8)のSDRAMが16個搭載された32MB DIMMの場合は,一つのクロック信号で8個のチップを駆動させることになります。一方4クロック品の場合は,総チップ数の4分の1,つまり一つのクロック信号で4個のチップを駆動させれば済みます。そのため4クロック品のほうがクロック信号の負荷が軽くなるので,それだけ高速動作にも向くわけです。
 なおクロック信号は,42番ピン(CLK0),125番ピン(CLK1),79番ピン(CLK2),163番ピン(CLK3)で,2クロック品の場合はCLK2とCLK3がNC(未接続)となっています。
 SDRAMを初めてサポートした430VXチップセットが登場したてのころは,2クロック品のDIMMしか発売されていませんでした。
 したがって,初期の430VXマザーボードには,2クロック品しかサポートしない,つまり79番ピンと163番ピンがクロックラインに接続されていない製品もけっこうありました。このようなマザーボードでは,4クロック品が使えないので注意しなければなりません。しかし現在では,100%といっていいほど4クロック品に移行しており,430TXや440LXを搭載した最新製品は間違いなく4クロック品をサポートしています。
(伊勢雅英)