メルコのマルチCPU対応のVRMユニット「MVR-MX2」はSocket5とSocket7の両方に対応していますか。
VRMユニットの信号線構成は,インテルの仕様に準拠したものなので,VRMソケットがあれば基本的には動作すると思います。しかし,古いマザーボードでは一部の結線が省かれていたりして,実質的にVRMが機能しないものもあるようです。通常,Pentium対応のマザーボードはVRMユニットの存在を自動で検知するようになっているのですが,この機能がうまく動作しなかったり,降下させた電圧の供給先がなかったり,というものもあるそうです。また,発売元のメルコでは「基本的にとくに変な作りはしていないので,どの機種でも動くはずだが,この製品はメルコのマザーボード用のオプションとして提供されており,そのほかのマザーボードでの動作保証はしない」としています。ということで,メルコ以外のマザーボードでMVR-MX2を使うのは「Your Own Risk」ということになります。ところでPCの性能はCPUの速度以外にも周辺回路による部分も大きいのです。Socket5搭載のマザーボードというとTritonチップの初期タイプか,さらにもっと前のものだと思われます。最新のマザーボードはキャッシュや周辺回路も全体に高速化されているので,CPUを取り換えることによるパフォーマンスアップを望むのならば,マザーボードも最新のものに取り換えるのがベストだと思います。
(菊地 潤)