もう廃盤になっているソフトウェアのCD-ROMに小さな傷が付いてしまいました。読めるときもあるのですが,読み取りエラーがときどき起こってしまいます。CD-ROMの傷を修復する方法などはありませんか。
CD-ROMの読み取り面は,信号面を保護するための透明なポリカーボネイトの層ですが,読み取り面に傷が付いてしまうと,その傷が信号面に達していなくてもレーザー光が屈折してしまい,読み取りエラーの原因となります。
そこで,軽微な傷ならその部分を透明な層で埋めることでレーザー光の屈折を防ぐことができます。ご存じのとおり,CD-ROMは音楽CDとまったく同じ材質,構造をしています。したがって,音楽CD向けに販売されているリペアキットを使用するのが一番手軽な解決方法でしょう。
リペアキットとは,乾くと透明になる液体で,CD-ROMの信号面に塗り込むと,傷の付いた部分に入り込んで固まります。また,全体に塗り込むと傷以外の部分にも透明な皮膜を構成し,読み取り面全体を保護することもできます。
上記のような対処で小さな傷なら修復できますが,やはりなんらかの形でデータのバックアップを取るのが安全でしょう。バックアップという意味の複製ならば,著作権を侵害することはありません。また,傷がひどく,読み取れなくなったCD-ROMを有償でソフトメーカーが交換してくれるケースもあります。
自分で修復する作業に自信がない人は,上記の処理を有料サービスとして行っているショップなどもありますから,相談してみるといいでしょう。
(坪山博貴)