ディスプレイを繋ぐケーブルにD-Sub15ピンのほかにBNCというケーブルがありますが,送る信号の種類に違いはあるのでしょうか。
D-SubケーブルもBNCケーブルもディスプレイに送っている信号の種類に違いはありません。D-Subでは複数の種類の信号を一本のケーブルに束ねて送信しています。
よく使われるD-Sub15ピンケーブルですが,実際に信号が走っているのは7ピン分です。各ピンと信号の関係を図に示します。
このように一本のケーブルの中をRGB信号と水平/垂直周波数が一緒になって伝わっていくわけですが,1600×1280ドットを大画面で表示するのに必要な高い同期周波数を,ケーブルの中の線に走らせるとそこから発生するノイズによって,近接する線の中を走る信号に影響を与えます。その結果,信号の波形が乱されて表示される映像がちらついたりするわけです。
BNCのケーブルはD-Subで一本にまとまっている各信号線を分けて,それぞれの線をシールドで覆った同軸ケーブルにしてあります。そのため,高周波数信号が発生するノイズに対して中の信号が影響を受けないようになっています。
BNCのケーブルは,たいていの場合3本から5本に分かれています。3本の場合はRGBそれぞれ一本ずつに,Gのラインにコンボジットシンクを一緒に走らせます。最近はほとんどがBNCの5本ケーブルに対応していますが,この場合,RGBにそれぞれ一本ずつに水平同期,垂直同期にそれぞれ一本割り当てていて,ほぼ完全な形でディスプレイに信号を送るようになっています。
BNCの端子をディスプレイ切り替えのためにだけ使っているユーザーも多いようですが,これからの高解像度ビデオカード+大画面ディスプレイという状況で快適な作業環境を構築するためにはBNCケーブルを使ってクリアな信号をディスプレイに送る必要が出てくるでしょう。
(編集部)
ピン番号 | 信号名 | ピン番号 | 信号名 |
1 | 赤映像 | 8 | 青映像用GND |
2 | 緑映像 | 10 | GND |
3 | 青映像 | 11 | GND |
4 | GND | 12 | SDA |
5 | VESA DDC | 13 | 水平同期 |
6 | 赤映像用GND | 14 | 垂直同期 |
7 | 緑映像用GND | 15 | SCL |
H.SYNK | V.SYNK | GREEN | RED | BLUE |
水平同期 | 垂直同期 | 緑 | 赤 | 青 |