CPUの熱暴走は,何度ぐらいで始まるのですか?
これはCPUによって違い,さらに個体差もあるので,正確な数値を挙げるのはほとんど不可能です。またCPUの負荷,つまりどれだけ忙しく連続動作している状態かによっても変化するでしょう。例えばOS一つとっても,Windows 98では平気でも,Windows NT4.0では熱暴走してしまったり,日常的な使い方では問題ないが,3Dゲームを実行したりベンチマークソフトを実行すると熱暴走する場合もあります。ただ目安としては,各CPUごとにメーカーが定めた動作保証温度がありますから,この温度まではまず大丈夫と見ていいでしょう。例えばインテルのスペックシートから抜粋すると,PentiumV/450,500,550,600MHzではコアの表面温度がそれぞれ90/90/80/85℃,L2キャッシュチップ表面が105℃,プラスチックカバー部は75℃がそれぞれ上限温度に設定されています。インテルの規定する温度計測方法で実際に温度計測を行うことは難しいのですが,だいたいの目安になるでしょう。同一のプロセスで製造された同一のCPUでは,一般に動作クロックが高くなれば高くなるほど動作保証される上限温度は低くなります。同じプロセスならば高クロックのほうが同じ処理を短時間で行い発熱量は大きくなりますから,その分より多く放熱する必要があるわけです。より小さいプロセスで製造されたCPUは発熱が小さくなりますが,その分高クロックで動作するのが通常ですから結局動作保証される上限の温度は大きく変化しないようです。
(坪山博貴)