ケースとカードに相性はあるのか

PCIバスに差すビデオカードがどうしても接触が悪くて困っています。ケースとカードにも相性はあるのでしょうか


一般論になりますが,ケースとカードというよりはケースとマザーボードの相性は存在します。これはとくにATケースで顕著なようです。
 具体的にどういうことかというと,マザーボードをケースに取り付けたときに,うまい場所にカードエッジがくる組み合わせとこない組み合わせがあります。比較的よく聞く話では,マザーボードの位置がケースの背面と微妙に平行になっておらず,マザーボードのネジをはずしてからカードを差し,それからカードがうまく背面パネルに取り付けられるようにマザーボードの位置を調整してネジを締めないと,うまくいかないことがあります(なんと,これをカードの抜き差しごとにやらなければならない!)。
 また,マザーボードと背面のカードエッジの高さが微妙にずれており,この結果,スロット一杯の状態までカードを差し込んでも,カードエッジから浮いているとか,逆にカードエッジが先に引っかかってしまい,スロット一杯までカードを差し込めない,といった場合があります。こうした場合,マザーボードの取り付けのときにワッシャーを挟むとか,マザーボードの取り付け金具に高さの低いものを探して利用する,といった手間をかけなくてはいけません。
 これらの理由の大半は,ケースなりマザーボードなりの工作精度の問題です。そもそも,ATケースの場合,きちんとした規格がないので,どうしてもうまく合わない部分が出てきがちです。この点,ATXはインテルがきちんと規格を公開しているため,精度に起因するトラブルは少ないようです。
 また,稀にですがカードとケースの相性が問題になることがあります。例えばアダプテックのAHA-1542シリーズのようにバックパネルの先端が突き出すような形状のカードが,ケース側のカードエッジに引っかかって差し込めない,ということを筆者は一度経験しています。また,とくにノーブランドのカードでたまにあるのが,カードのサイズが厳密にISAやPCIのカードに求められる寸法を満たしていない場合です。こういう場合,いくらマザーボードやケースがしっかりしていてもむだで,やはり前述のような「微調整」の手順が不可欠といえるでしょう。
(大原雄介)