以前Windows XPの解説記事の中で,カラースキーマと書いてありましたが,スキーマとは何のことですか?
スキーマ(schema)とは一般的に「概要,図式,図表」という意味で,コンピュータにおいては情報の構造を定義するための記述を指します。
スキーマは古くからデータベースの世界でよく用いられてきており,データベースの構造を示す用語です。ここでのスキーマとは,通常DBMS(データベースを管理するプログラム)が持つ定義言語を利用して行うデータベースの記述を指します。
さらに細かく説明すると,データベースの方式による整理方法の違いといったデータベース全体の構造を概念スキーマと呼び,データベースが使うデータの種類などを定義したものを内部スキーマといいます。
さて,Windows XPにおけるスキーマの意味ですが,カラースキーマはビジュアルスタイル(Visual Style)とも呼ばれている機能です。つまり,色合いやデザインなどの要素がまとまったものがセットで定義されているもの,ということになります。
Windows 98では,デスクトップに表示される壁紙やアイコン,マウスカーソルのアニメーション,Windowsの配色などを変更する「テーマ」という機能が付いていました(Windows 95では別売りのPlus!が必要)。その機能をさらに進化させたのが,Windows XPのビジュアルスタイルで,メニューの表示の仕方や,スタートメニュー/ウィンドウ全体の表示方法を変更できます。
よくオンラインソフトなどで,シェルやウィンドウを好みのものにするソフトがありますが,Windows XPでは,標準でそれらの外観を変更する機能を装備したと考えるといいでしょう。
むろん,データベースの話とWindows XPの話はまったく異なるものですが,それぞれの構造を定義することにおいて,「スキーマ」という共通の概念を備えている,というものと捉えておいてください。
(飯田伸一)