MINIXは日本語表示ができますか。今でも手に入れることはできますか。最近あまり聞かなくなったのはなぜ。
FreeBSDやLinuxが登場してから,あまり聞くことがなくなった,PC UNIXであるMINIXですが,MINIXの作者であるAndrew S. Tanenbaum教授は,今でもちゃんとWebページを開いていて,MINIXの開発やサポートを行っているようです。
http://www.cs.vu.nl/~ast/minix.html
それによると,最新のバージョンは2.0。8086〜Pentium Proで動作し,16ビットモードでビルドすれば16ビット,32ビットモードなら32ビットで動くそうです。POSIXとの高い互換性もうたわれていますので,昔のようにサブセットというわけではなくなっているようです。
また,ただ個人が使う分にはフリーということですので,他のフリーPC UNIXとの差も,あまりなくなっているようです(昔はフリーではなかったはず)。
ただ,この最新の2.0に対応した日本語アプリは'97年1/16現在でまだ存在しないようです。しかし,POSIX互換ならば,さほど無理なく日本語アプリを動かすことができそうですね。
さて,あまり聞かなくなった理由としては,まず第一に昔MINIXがフリーソフトウェアではなかったことが考えられます。LinuxやFreeBSD,NetBSD,OpenBSD,GNU Hurdのように完全フリーかつUNIX互換のOSが出てしまったので,そのころフリーでなかったMINIXには魅力がなくなったということです。
もう一つは,やはりそのころのMINIXがUNIXのサブセットだったことです。制約が大きかった当時のPC上で開発されたため,やむを得ないのですが,UNIXとの互換性が現在のフリーPC UNIXと比べると低かった覚えがあります。当時のPCは性能が低く,そのようなマシンではMINIXのようなサブセットで互換性の低いUNIXを我慢して使うしかなかったのです。
そういうわけで,MINIXがあまり注目されなくなってしまった理由は,他のPC UNIXの注目度が上がって,昔のようにMINIXしかないという状況ではなくなったからと考えるのが妥当でしょう。
それから,このようなフリーなソフトはサポート専用の部隊がいるわけではなく,助けてくれるのは同じユーザー仲間です。そういう意味で日本では,MINIXと比べて圧倒的にユーザー数が多いFreeBSDやLinuxを使ったほうがそれだけ充実したサポートが期待できるので,なにかと楽であるという事情もあります。
そんなMINIXですが,まったく使われていないわけではなく,日本でも何人かのユーザーがWebページで情報を発信していますし,ニュースグループfj.os.minixも存在して,ユーザー同士で意見が活発にやり取りされているようです。これらの情報に接してみると,現在MINIXを支えているのはX68000ユーザーらしく,いかにしてX68000にMINIXをインストールして,GNUツールを移植するかに日夜心血を注いでいるようです。昨年末にはX68000ユーザーのためのMINIXメーリングリストも立ち上がっています。
MINX作者Andrew s.Tanenbaum教授のホームページ。日本でもMINXの情報を発信しているWebページが数か所存在する