8GB以上のHDDの認識について

10GBのHDDを購入したのですが,8GB以上のE-IDE HDDをWindows 98で使えるかについてはBIOSによるという話を聞きました。理由を詳しく教えてください。


もともとIDE HDDではシリンダ,ヘッド,セクタ(CHS)の三つのパラメータを使用してPCのBIOSがHDDの認識やアクセスを行います。従来のE-IDEではシリンダが0〜1023,ヘッドが0〜255,セクタが1〜63の範囲でしか扱えないので,管理できるセクタ数は1024×256×63=16515072で,これにセクタ長の512を掛けると8455716864=約8.4GBとなります。要するにCHSのパラメータでは8.4GB以上のHDDですべての容量を認識したり,使用できません。そこでBIOSのINT13hを拡張し(INT13h Extend),IDE HDDの認識やアクセスをHDDの各セクタの通し番号であるLBA(Logical Block Address)を用いるようにし,8.4GB以上のIDE HDDを問題なく使用可能にしています。したがって8.4GB以上のIDE HDDを使用するにはINT13h Extendに対応したBIOSと,対応したOSの組み合わせが必須です。Windows 95 OSR2以降やWindows 98はINT13h Extendに対応していますが,初期のWindows 95やMS-DOSは対応していません。
(坪山博貴)