ファーストページDRAMとSDRAMの違い

ファーストページDRAMとSDRAMの違いは?



最も大きな違いは,SDRAMは入出力がクロックに同期している点です。ファーストページDRAMに代表される従来型のDRAMチップは非同期で「自分の都合」でデータを入出力します。
 コンピュータの大部分の回路は,基準クロックに同期して動きます。したがって,従来型のDRAMチップを利用するために,メモリのタイミングと同期をとるための面倒で複雑な回路が必要でした。
 SDRAMは,DRAMと同じメモリセルを使用するものの,データ入出力部分をパイプライン化してクロックに同期させることで,データの入出力は完全にクロックに同期して行われます。したがってSDRAMのメモリバスは同期型のバスになり,コンピュータのほかの回路となじみやすく,設計が単純化できるというメリットがあります。
 もう一つの大きな違いは,SDRAMがプログラマブルになっている点でしょう。SDRAMにはレジスタがあり,その値を初期化時に決めることでメモリの動作を設定できます(例えばCASレイテンシの値,バースト転送長など)。
 また,SDRAMは「コマンド」を使って動作をコントロールします。SDRAMのコマンドは各信号線の論理の組み合わせで指定し,例えばメモリコントローラからバースト転送コマンドを発行するとバースト転送が始まる,という具合になっています。
(米田 聡)