Windows 95の立ち上げメニューの使い方

Windows 95の立ち上げ時に「Starting Windows 95...」と表示されている間に[F8]キーを押すとメニューが出てきますが,このメニューから起動できる各モードそれぞれの意味と使い方を教えてください。


これらのメニューは,Windowsがなんらかの原因で起動しないなどのトラブルを解消するときに使用します。また,MS-DOSのコマンドラインだけで起動するときにも使用します。以下に意味と,主な用途を列挙しておきます。

1. Normal
 普通にWindowsを起動します。

2. Logged
 起動中に組み込んだドライバなどに関してログファイルを残します。ログファイルは起動ドライブに作成され,拡張子は.LOGです。起動中にハングアップしてしまうようなときこのモードを選択し,ログファイルをテキストエディタなどで参照すれば,どの部分でハングアップしているか調べることができます。

3. Safe mode
 必要最小限のドライバだけ組み込んだ状態で起動します。例えば,通常の起動でドライバなどがトラブルの原因になっているときには,Safe modeで起動してトラブルの原因を取り除くなどの作業を行うことができます。このモードで可能な作業は限られていますが,トラブルの原因が「分かっている」ならば解決できるでしょう。
 また,Safe modeでもWindowsが起動しないようなら,ハードウェアがらみのトラブルの可能性を疑う必要があるでしょう。

4. Safe mode with network support
 3のSafe modeではネットワーク関連のドライバは組み込まれませんが,このメニューではSafe modeでネットワークだけ組み込んだ状態で起動します。ネットワークからシステムの不具合を修正するファイルをコピーしなければならない場合や,CD-ROMドライブを装備していないがネットワークはあるPCで,Windowsのインストール元ファイルを参照するときに使います。
 ただし,いうまでもなく,ネットワークのトラブルで起動しない場合は使用できません。

5. Step-by-step confirmation
 CONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATで組み込んでいるドライバや常駐ソフト類が原因で起動できないときに使用するモードです。このメニューを選ぶと,CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを実行するときに,1行ごとに確認が求められ,「y」または「n」で組み込みを選択することができます。トラブルの元になっている行で「n」と答えてWindowsを起動し,起動後にCONFIG.SYSまたはAUTOEXEC.BATのトラブルの元になっている行を削除します。

6. Command prompt only
 MS-DOSで起動します。CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATは起動時に通常どおり実行されます。DOSでしか動かないソフト(WindowsのMS-DOSプロンプトでは使えないソフト)を使うときや,DOSで作業しなければならないときに使います。

7. Safe mode command prompt only
 CONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATで余計なドライバを組み込まずにMS-DOSを起動します。HIMEM.SYSやEMM386.EXEも組み込まれませんので注意してください。
 このメニューは16ビットドライバが原因で起動しないときや,CONFIG.SYSで組み込まれるドライバがなんらかの理由で邪魔なときに使います。また,メニューを選択して起動すると,起動途中で日本語/英語キーボードの選択をすることができます。

8. Previous version of MS-DOS
 このメニューは,Windows 3.1からWindows 95へ,あるいはWindows 95から98にアップデートインストールを行ったときだけ表示されます。新規インストールのときは,このメニューは表示されません。
 このメニューを選択すると,Windows 95(あるいは98)をアップデートインストールする前に使っていたMS-DOSを起動することができます。MS-DOSは各Windowsで内部が変更されているため,旧バージョンのDOSでしか動かない特殊なソフトウェアを使用するときに利用します。
(米田 聡)