Windows 95で,複数の文書ファイルから全文検索を行うにはどうすればいいのでしょうか。
簡単な検索でしたら,検索したい文書が含まれるフォルダのアイコンを右クリックして現れるメニューで[検索]を選び,「含まれる文字列」の欄に検索したい言葉を入力することで実行できます。
ただし,Windows標準の検索は機能が高いとはいえませんし,半角カナの検索に失敗するほか,対象がテキストファイル以外の場合,正しく検索できないことがあるようです。また,文字列の指定も単純です。標準の機能より高度な全文検索を行う方法を,いくつか紹介しておきましょう。
UNIXツールを使う
UNIXではgrep(文字列検索)やsed(パターン検索)などの高度な文字列検索を行うコマンドがよく使用されています。grepやsedはコマンドツールですが,正規表現と呼ばれる高度な文字列の指定ができます。例えば「[a-c]*」という文字列で検索すれば,「a〜cで始まる単語」にヒットするという具合に,検索対象の高度な指定が可能です。正規表現を理解するのは少し面倒ですが,さまざまなパターンで探したい文字を複数のファイルの中から検索できるようになります。
現在ではGNU版(フリーソフトウェアファウンデーションのフリーソフトウェア)のgrepやsedを日本語化し,Win32に移植したバージョンが入手できます(http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win95/util/text/index.html)。高度な検索対象の指定を行いたい場合は,grepやsedの利用を検討するといいでしょう。
エディタの機能を使う
秀丸エディタ(http://hidemaru.xaxon.co.jp/software/index.html)は,標準でgrepとタグジャンプの機能を持っています。秀丸エディタのgrep機能ではUNIXコマンドのgrepと同じ正規表現を使うことができ,全文検索を行いたいフォルダのすべてのテキストファイルを検索して「タグファイル」(ファイル名と検索した文字列がある位置を列挙したファイル)を作成できます。
そのファイルから「タグジャンプ」機能を使うと,grepで検索したテキストファイルを開いて編集,修正などを行うことができます。
UNIX風コマンドツールになじめない人は,秀丸エディタのgrep機能に代表される,エディタの組み込み機能を試してみるといいと思います。
あらゆる文書タイプを対象にしたい
Word文書,Excel文書なども含めて全文検索を行うには,grepやsed,あるいはエディタでは対応できません。プレーンテキストでない文書ファイルで全文検索を行う方法は二つ考えられます。一つは,ワープロや表計算のマクロ機能,あるいはスクリプト言語を使ってワープロなどをコントロールして全文検索を行う方法です。
もう一つは,市販のファイル管理ツールを使用する方法です。ネットワークからダウンロードでき,機能が豊富なソフトとしては,ディー・アイ・エスが市販しているQuick FINDERがあります(体験版をhttp://www.dis.co.jp/からダウンロードできます)。
このツールはWord文書,Excel文書,OASYS文書など豊富な文書から全文検索ができるほか,簡易ビューワで検索に合致したファイルを閲覧する機能なども持っています。
(米田 聡)
Windowsの全文検索機能。簡単な検索ならこれでも十分役に立つ