ビデオメモリに使われているSGRAMは,SDRAMに比べてどのような面で優れているのでしょうか?
SGRAMは,その名称のGが「Graphics」を指しているとおり,SDRAMをビデオカード向きに改良したものです。SGRAMはメモリ内での高速なブロック転送が可能になっており,これはとくに2D描画において威力を発揮します。その代わり,3D描画ではあまり意味を持ちません。
3D描画の場合,ビデオメモリは実際に表示に利用するフレームバッファに加えて,テクスチャバッファなどにも利用されます。ところが,保管されているテクスチャは変形,加工してからフレームバッファに転送されることが多く,この場合は高速なブロック転送も意味を持たないのです。
上記の理由から,3Dビデオチップの多くがSGRAMをサポートしなくなりました。なかにはSGRAMを組み合わせるビデオカードもありますが,SGRAM特有の機能は利用されず,ほとんどの場合SDRAMとして扱われています。最新3Dビデオチップの一つであるnVIDIA製のGeForce256では,SGRAMが正規にサポートされていますが,SDRAMと比較して大きなパフォーマンスの違いがあるかどうかはとくにビデオチップベンダーも触れていません。むしろ,SGRAMはレイテンシが短く高速なものが多いため,使用しているということのようです。
(坪山博貴)
SGRAMを採用したGeForce 256を搭載したカード「WinFastGeForce 256」(オープンプライス,問い合わせ:バーテックスリンクTEL:03-5259-5110)