P5F79というATマザーボードを使っていますが,コア電圧の設定が2.5〜3.2Vまでしかありません。ほかの電圧の設定があるのでしょうか?
P5F79なら,FREETECH製の430VXマザーですね。CPUコア電圧は,ディップスイッチで設定するようになっています。ディップスイッチは4ビットありますから,組み合わせとしては16通りの設定ができることになります。
しかし,マニュアルには2.5/2.8/2.9/3.2Vといった4種類の設定しか記載されていません。ですから,ほかの組み合わせで,上記以外の電圧を発生できる可能性は十分にあります。
しかしながら,今回のような古いマザーボードの場合,システムモニターのような電圧を表示する機能を持っていません。いろいろな組み合わせを試しつつ,実際にテスターを使って電圧を測る必要があるでしょう。
用意するものとしては,測定したいマザーボード,電源ユニット,デジタルテスター,ソケットのホールに入るくらいの細いピンを2本です。マザーボードはすべてのパーツを取り外しておきます。もちろんCPUも取り外します。
初めに,ソケットの「Vcc2DET」と「Vss」を,細いワイヤーでショートさせます。次にテスターの+極をVccに,−極をVssに接続して電圧を測定します。このとき,接触不良にならないよう,ソケットのレバーはロック側にしておきます。
この状態で電源を入れると,実際にかかっているコア電圧を測定することができます。これで,マニュアルに載っていないディップスイッチの組み合わせをいろいろ試して,目的の電圧が出せるかどうかを知ることができるはずです。
もちろん,このような使い方をすると,マザーボードが壊れてしまう危険もありますので,すべて自己責任で行ってください。なお,各ピンの配置などはあえて説明しません。ピン配置が自分で調べられないような場合はこのような測定などせず,マニュアルに掲載されている範囲内で使用することをお勧めします。
なお,マザーボードによっては,ディップスイッチでなくジャンパピンで設定するタイプもあります。その場合は,ジャンパピンを1本だけでなく,複数本差すとマニュアルに掲載されていない電圧となることもあるので,注意が必要です。
(寺崎基生)