L2キャッシュの適正容量

外部キャッシュメモリ(L2キャッシュ)を512KB以上に増設しても速度は向上しないらしいですが,その理由を教えてください。


L2キャッシュがあまりにも大きいと,今度はL2キャッシュのタグを検索するとき,間(キャッシュがヒットしているか,ロスしているか)が長くなって,かえって遅くなることもあるので妥当な大きさが512KBとなります。
 一般論になるのですが,Pentiumクラスマザーボードに現在のL2キャッシュの大半はDirectMapを用いている形態がほとんどです。要はCache Indexを別途管理するのは面倒で,しかも遅いという話です。もっともこれはPentiumクラスのCPUだからいえる話で,Alphaともなると,たとえCache Indexを手繰る時間が多少かかろうとも,メモリアクセスの遅れによるペナルティよりもはるかにマシだという判断がなされた結果,L3キャッシュに2MBという巨大なキャッシュが搭載されることになります。
 また,実際の使い勝手を考えても,NT KernelとかOfficeとかは,64MBもあればけっこうさくさく動く程度の用途にしか使われません。Photoshopでゴリゴリ画像をいじくるといっても,せいぜいが128MBクラス。市販されているマザーボードもメモリは最大512MBぐらいなのがほとんどで,PowerMacintosh 9500のようにメモリMAX 1.5GBなんてマザーボードはまずありません。この程度の「小さな」容量であれば,DirectMap 512KBキャッシュで大半は足りるはずだ,と「インテルやチップセットのメーカー」が判断したんでしょう。どんなコンピュータアーキテクチャにおいてもL2キャッシュは512KBが上限という話ではありません。
(編集部)