内蔵モデムからダイヤルするときに,ラジオの音が聞こえます。これはなぜでしょうか。
AMラジオ放送はAM変調方式(振幅変調)という方法を用いて送信されており,AM波は検波を行うと音声信号に変換されます。
しかし,検波は意外に簡単に行われてしまいます。例えば,増幅回路が検波作用を持つのはよくあることですし,非常に電波が強い場合は接点が検波作用を持つこともあります。
モデムからラジオの音が聞こえるというのは,電話線がアンテナの役割を果たし,モデムの回路がAM波の検波を行ったためだと思われます。電波が強い地域ではよくあることですが,電波が強ければ強いほど対策は難しくなります。
一般的には,要所にバイパスコンデンサを挿入すると効果があるとされています。コンデンサは高周波成分だけを通すので,電波を逃がしてしまうことができるわけです。
もし,電話線の終端(モジュラージャックのボックス)に終端コンデンサが入っていないようなら,それを取り付ければラジオの音を抑制できる可能性があります。アナログ線の終端用モジュラーボックスには,必ずコンデンサが取り付けられていますので,それと交換してみるといいでしょう。
それでもラジオの音が聞こえるようなら,自力での対策はかなり難しいと思います。気になるようなら,一度NTTなどに相談してみるといいでしょう。また,電話などモデム以外の機器からはラジオの音が聞こえないようなら,モデムメーカーに相談してみるのも一つの手です。
(米田 聡)