WindowsのDOS窓でないピュアなDOSの画面をキャプチャーしたいのですが,何かいい方法はありますか。
Windows環境では,標準で[PrintScreen]キーを押せば,いつでも画面をキャプチャーできます。しかし,DOSにはそのような機能はありません。そこで,DOS環境で画面をキャプチャーしようと思ったら,専用のソフトを用意する必要があります。ここでは,DOSの画面を取り込む代表的なソフトとして「SCREEN Thief for DOS」(以下SCREEN Thief)を紹介しましょう。
SCREEN Thiefは画面キャプチャー専用のシェアウェアで,オプション指定により,4種類のフォーマット(GIF,TIFF,PCX,BMP)あるいはテキストフォーマットで画面を保存できます。
SCREEN Thiefは最新バージョンなら,ftp://ftp.nildram.co.uk/pub/shareware/screenthief/st158.zipからダウンロードできます。
●SCREEN Thiefのインストール
SCREEN Thiefは海外で作られたソフトなので,一般的な日本語環境のDOS(いわゆるDOS/V)では,インストール時のメッセージが正しく表示されません。そこで,DOSのモードを英語モード(USモード)へ切り替えます。PC DOSなら,
CHEV USMS-DOS(もしくはWindows 95/98のDOSプロンプト)なら,
US
と入力してDOSを英語モード(USモード)に変更してから,SCREEN Thiefをインストールします。
SCREEN Thiefには,専用のインストーラが用意されています。適当な作業ディレクトリを作って,ダウンロードした圧縮ファイル(ZIPファイル)を解凍します。次に,作業ディレクトリで,
INSTALL
と入力します。インストール先のドライブとディレクトリを聞いてくるので,自分の環境に合わせて入力してください。すると,必要なファイルを指定したドライブのディレクトリへコピーします。その後,画面を印刷するか聞かれますが,ここで印刷すると答えたときDOSのプリンタドライバが組み込まれていないとハングアップしてしまいます。ただ,この時点でSCRE
EN Thiefのインストールはすでに終了しているので,再起動してしまえば問題ありません。
インストールが終わって日本語モードに戻すには,PC DOSなら,
CHEV JP
MS-DOSなら,
JP
と入力します。
●SCREEN Thiefの使い方
まずSCREEN Thiefをメモリに常駐させます。SCREEN Thiefでは,常駐時に画面を取り込むディレクトリを指定します。例えば,C:\SCREENディレクトリに画面を取り込みたければ,SCREEN Thiefのディレクトリをカレントにして,
ST C:\SCREEN
と入力します。SCREEN Thiefは日本語モード(JPモード)でも正常に常駐できますが,SCREEN Thiefの状態が表示されません。そこで,最初は英語モードに切り替えてから,SCREEN Thiefを常駐させましょう。
実際に画面を取り込むときは,取り込みたいアプリケーションソフトの画面を表示させ,[Ctrl]+[Alt]+[T]キーを押します。すると,ビープ音が鳴り,現在表示されている画面が指定されたディレクトリに取り込まれます。ただし,256色表示には対応していないので,アプリケーションの画面は必ず16色以下に設定しておいてください。
最新のSCREEN Thiefでは,シェアウェアのユーザー登録をしていないと取り込んだ画像の左上に「まだ登録されていない」という旨の注意書きが入ってしまうので,必ずユーザー登録しておきましょう。
SCREEN Thiefには,さまざまなオプション指定があります。ここでは,とくに便利なオプション指定を三つ紹介しましょう([ ]内は選択可能なパラメータ)。
・/O:[GIF,TIF, PCX,BMP,ASC,TXT,SCR]
出力する画像ファイルのフォーマット形式を指定します。例えば,BMP形式で取り込みたければ「/O:BMP」。
・/M[+,−]
取り込む画面モードを設定。具体的には,モノクロで画面を取り込むなら「/M+」,カラーで画面を取り込むなら「/M−」を指定します。デフォルトでは,画面モードはカラー(/Mー)に設定されています。
・/U
SCREEN Thiefの常駐を解除します。
筆者もこのSCREEN Thiefを,連載「DOSの裏窓」の画面キャプチャーに愛用しています。
(関口哲司)
SCREEN Thiefのインストール画面。英語モードにしてからインストールを行おう
SCREEN Thiefを常駐させると,現在の状態を画面へ表示してコマンドプロンプトに戻る