3Dのビデオカードでよくアルファブレンディングという言葉が出てきますが,これは何のことですか? 実例を交えて教えてください。
要するに2種類の画像を重ね合わせるための技法で,例えば水に沈んだ物体であるとか,色付きガラスの向こうにいる小動物であるとか,そういった風景を表現する場合に利用します。動作原理は本誌7/15号のp.238でちらっと触れているのでそちらをご覧いただくとして,具体例を見てみましょう。例えば写真左は平面と球体という2種類の物体にアルファブレンディングをかけた例です。うまくいかない例の一つめは写真中で,これは重ね合わせ自体に失敗しているので,平面と球体が重なる部分がきれいに抜け落ちており,なんだか分からない画面になっています。もう一つの失敗例は写真右で,アルファトランスペアレンシと呼ばれます。この場合は球体のほうを半透明にしてやることで平面と球体がやや融合しているように見えるのですが,球体の輪郭まで見えなくなりつつあります。
このように2種類の画像を重ね合わせる処理を行う場合,画像の片方に透過処理を施すことをアルファチャネル化するといいます。このアルファチャネルを使って,融合(ブレンド)させる処理がアルファブレンディングというわけです。
(大原雄介)
アルファブレンディング成功例
失敗例その1。重なる部分が抜けている
失敗例その2。球体の輪郭が見えない