K5のクロック

K5-PR133を使用していますが,100MHz(66MHz×1.5)でしか動作しません。なぜでしょうか。マザーボードはGIGA-BYTEのGA-586HXです。


K5の処理能力表記に使用される「PR(P-Rate)」は,動作クロックではなく「Pentiumの何MHzに相当する処理能力を持つか」という意味です。したがって,K5-PR133(写真下)の場合は「Pentium/133MHzに相当する」ということで,「133MHzで動作する」という意味ではありません。
 K5はもともと同一動作クロックでもPentiumより高速な処理が可能なように設計されました。しかし,残念ながら初期のK5ではこれは達成されず,同クロックで動作するPentium相当の処理能力となりました。これがK5-PR75,90,100であり,動作クロックはそれぞれ75,90,100MHzです。
 後に発売されたPR120,133ではCPUコアが改善され,同クロックのPentiumよりも高速な処理が可能となりました。これは実際にはそれぞれ90,100MHzで動作します。またマザーボードでの動作クロックの設定の混乱を避けるため,1.5,2倍のどちらの設定でも,ベースクロックに対して1.5倍のクロックで動作するように設計されています。
 上記のような理由で,K5未対応もしくはPR120以降のK5未対応のマザーボードではCPUが異なって認識される可能性はあります。また,対応マザーボードで動作クロックが100MHzと表示されても間違いではありません。ソフトウェアから見た場合,動作クロックが100MHzと認識されるのも同様です。
 K5-PR166でも実際の動作クロックは115MHz(66MHz×1.75)です。この場合はPentium/166MHzと同じ設定で,ベースクロックに対して1.75倍のクロックで動作するように設計されています。
 K6では対抗するCPUがPentium Pro,PentiumUとなるためにP-Rateは廃止され,そのまま動作クロック表記になっています。
(坪山博貴)


K5-PR133。「133」とはいうものの,動作クロックは100MHzだ