LibrettoにWindows 98を入れるには?

Libretto 20/30にWindows 98をゼロからインストールするには?


東芝のLibretto 20/30は残念ながら同社のWindows 98動作対象外になっていますが,マイクロソフトのWindows 98動作用件は満たしているので,動作しないことはありません。しかし,HDD容量はLibretto 20が270MB,Libretto 30が500MBと少々不安なので,できればより大容量のHDDに交換しておきましょう。
 LibrettoのFDDはPCカードで接続するタイプで,しかもPCカードスロットが一つしかないなど,やや特殊な部分が多いのは事実です。そこで,Windows 98の新規インストールを行うにはやや面倒な点が多いのですが,一つひとつ手順を追っていけば可能です。新規インストールのためにはHDDのフォーマットが必要になるので,あらかじめデータなどのバックアップは必須です。

@FDDのドライバをバックアップする
 FDDのドライバはC:\WINDOWS\INFフォルダにあるTSBFDC.INFです。このファイルをバックアップしておかないと,Windows 98をインストールした後でPCカード接続のFDDが利用できなくなるので注意してください。フラッシュATAカードを持っているのであればそれを利用して,持っていなければフロッピーディスクにバックアップします。

AWindows 95の起動ディスクを作成する
 続いてWindows 95の起動ディスクを作成します。作成する方法はフォーマットした1.44MBのフロッピーディスクを1枚用意し,FDDをLibrettoに接続した状態でコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」を開き,「起動ディスク」のタブを開いて「ディスク作成」のボタンを押し,メッセージに従ってFDDに1.44MBのフロッピーを入れます。

BMSCDEXを起動ディスクにコピーする
 次にC:\WINDOWS\COMMANDフォルダにあるMSCDEX.EXEを起動ディスクにコピーします。そのままでは容量不足でコピーできないので,事前にフロッピー内のREGEDIT.EXEを削除しておきます。

C起動ディスクで起動する
 作成した起動ディスクでPCを起動します。次にHDDをフォーマットし,システムを転送します。具体的には以下のようなコマンドを実行します。

A:\>FORMAT C: /Q
A:\>SYS C:
A:\>COPY *.* C:\

 3行めのコマンドを実行して「上書きしますか」という表示が出たら「N」を入力して,[Enter]キーを押します。終了したらMSCDEX.EXEをC:\DOSにコピーします。具体的には以下のコマンドを実行します。

A:\>C:
C:\>MD DOS
C:\>COPY MSCDEX.EXE C:\DOS

 終了したらFDDから起動ディスクを抜いた状態で(FDDは外さない),[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーで再起動します。

DCD-ROMドライバを導入する
 今回はCD-ROMドライブに松下電器産業のKXL-808ANを利用しました。その理由は,KXL-808AN(に限らずKXLシリーズ全般)にはPCカードマネージャがなくても動作するポイントイネーブラと呼ばれるドライバが付属しているからです。一般的には,DOSやWindows 95/98のコマンドプロンプトモードでPCカードを利用するためのPCカードマネージャが必要ですが,LibrettoシリーズにはこのPCカードマネージャが付属していません。そのためにポイントイネーブラが付いているKXLシリーズのようなCD-ROMドライブが必須になるのです。
 KXL-808ANにはDOS用のインストーラが用意されています。KXL-808ANに付属する「セットアップディスク」のルートディレクトリにあるINSTDOS.EXEがそれです。INSTDOS.EXEを実行するには以下のコマンドを実行します。

C:\>A:\INSTDOS

 メッセージに従ってインストールしていけば完了です。インストールが終わったら,KXL808ANのWindows 95用ドライバをC:\CDROMにコピーします。具体的には以下のコマンドを実行します。

C:\>MD CDROM
C:\>COPY A:\KXL808A.INF C:\CDROM
C:\>COPY A:\ATASMINI.MPD C:\CDROM

 これで,FDDを外しKXL-808ANを取り付けてから[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーで再起動します。

Eセットアップを実行
 起動したらCD-ROMドライブが利用できるようになっているかを確認してください。CD-ROMドライブにWindows 98のCD-ROMを入れて以下のコマンドを実行し,ファイルリストにSETUP.EXEが表示されるのを確認してください。

C:\>DIR D:\

 表示されたら不要なファイルを削除します。具体的には以下のコマンドを実行します。

C:\>DEL DOS
C:\>DEL CDRMAT20
C:\>DEL *.*

 削除していいかとメッセージが出るのでためらわず「Y」を選択して削除してください。削除が終了したらセットアップを実行します。

C:\>D:
D:\>SETUP /ie

 ここで,「/ie」は,セットアップ中に起動ディスクを作成しないオプションです。なお,インストールの途中でPCカードウィザードが起動するので,「WindowsのインストールにPCカードを利用していますか」では「はい」を選択し,ドライバのあるフォルダを指定する画面ではC:\CDROMを選択してCD-ROMドライバをインストールするのを忘れないようにしてください。これを忘れるとインストールの途中でCD-ROMドライブが使えなくなりインストールは失敗します。
FFDDのドライバを書き戻す
 Windows 98のインストールが終わった後で,FDDのドライバを書き戻します。具体的にはFDDを本体に接続した状態で,[Ctrl]キーを押しながら起動し,表示された選択肢の中から「5.Command prompt Only」を選択して起動します。起動したらフロッピーなどにバックアップしておいたTSBFDC.INFをC:\WINDOWS\INFに書き戻します。

C:\>COPY A:\TSBFDC.INF C:\WINDOWS\INF

 コピーが終わったら[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーで再起動すれば,FDDが使えるようになります。

(笠原一輝)


Libretto 30にWindows 98をインストールした