ノートPCのポインティングデバイスとしてよく使われているタッチパッドには,静電式と感圧式があるそうですが,どのように違うのでしょうか。また,タッチパッド自体がどういう仕組みになっているのかも教えてください。
静電式は人間の体がわずかに電気を通すことを利用したもので,エレベータなどで使われている,軽く触れるだけで反応するスイッチと同じ仕組みです。要するにパッド面に指が触れることで発生するわずかな電流を感知して動作しているのです。
軽く触れるだけで操作でき,物理的な可動部が少ないのがメリットです。半面,絶縁体であるプラスチックのペンや,ゴムの手袋などをした指では操作できません。またパッド上に水滴を落としたりすると誤動作する例も多く見られます。これは水が人間の体と同様に完全な絶縁体ではないからです。
感圧式はパッド上に無数のスイッチがあると思えばよく,パッドの押された部分の圧力を感知して動作します。このためある程度パッド面をしっかり押さえる感じで操作する必要があり,静電式に比べて物理的可動部も多くなります。その代わりプラスチックペンなど,絶縁体での操作も可能です。PCの入力デバイスとして利用されるタブレットを小さくしたものと思えばいいでしょう。どちらも一長一短というところです。
(坪山博貴)
ソニーのVAIOノートでは感圧式のタッチパッドが採用されている