ノートPCの熱対策はどうすればいい?

PentiumU/300MHzのノートPCを使っていますが,1時間ほどで手のひらが汗ばむほど熱くなってきます。ノートPCでは,どのように熱対策を行えばいいのでしょうか?


集積度の高いノートPCでは,設計段階からヒートシンク,ヒートパイプ,冷却ファンなどの放熱対策が施されています。ノートPCを使用中に手のひらが熱くなるのは,熱対策がされていないからではなく,実はノートPC内部の熱をキーボードへ逃がして,内部を保護しているためなのです。
 しかし,ご使用の環境によっては,発熱が原因でいろいろなトラブルが発生するケース(例えば,PCカードを使った通信が不安定になるなど)も考えられます。そこで,ノートPCの発熱を抑える方法をいくつかご紹介しましょう。

@ノートPC専用冷却装置(インタークーラー)を使う
 デスクトップPCを大きなファンで冷やすように,ノートPC用の冷却装置があります。インタークーラーとは,ノートPCを冷却するために開発された外部冷却装置です。現在,インタークーラーには,ノートPCの大きさに合わせて,A4(エーフォー),B5(ビーファイブ),ディスカバリーの3種類のモデルが用意されており,冷却ファンを搭載したターボと呼ばれるモデルもあります。さらに,チャンドラ/チャンドラ2/ThinkPad 235ユーザーには,ディスカバリー・ターボと呼ばれる専用モデルも用意されています。
 インタークーラーの素材は熱伝導性に優れたアルミ板です。ノートPCをインタークーラーの上へ載せるだけで,ノートPCの熱を効率良く外部へ逃がしてくれます。とくにターボでは,冷却ファンを回転させることによって,放熱効果を向上させています。ターボの冷却ファンを回す電源はPS/2ポートから供給されますが,USBポートから電源をとるモデルも現在検討されています。
 インタークーラーはノートPCをただ冷却するだけではありません。適度な傾斜もつき,キー入力環境も改善されます。

ACPUのパフォーマンスを落とす
 ノートPCの中には,BIOSや専用ユーティリティを使うことによって,CPUの処理速度をコントロールできるマシンもあります。CPUの処理速度を落とすと,全体のパフォーマンスは悪くなりますが,CPUの発熱を軽減することができます。

B動作中の充電をコントロールする
 ノートPCの,電源回路はバッテリーを充電しているときに過熱します。ノートPCの中には,このバッテリーの充電をコントロールできるマシンもあります。
 例えば,チャンドラ2であれば,本体使用中の充電を中止する,あるいは,本体の温度が高くなったらバッテリーの充電を中止するなどと設定できます。

CCPUアイドリングソフトを使う
 CPUアイドリングソフトとは,CPUを使用しないときにCPUの動作をアイドル状態(休止状態)にして,CPUの発熱を押えるソフトです。代表的なCPUアイドリングソフトとしては,CpuIdle,Rain,Waterfall Proが挙げられます。
 これらのソフトを使うとメモリ上に常駐してCPUをモニターするため,CPUのパフォーマンスが若干落ちます。とはいえ,体感できない程度なので,気にする必要はないでしょう。
(関口哲司)


ソフト名:CpuIdle 5.5
著作権者:Andress Goetz
分類:シェアウェア($20)
ホームページ:http://www.stud.unihannover.de/~goetz/

ソフト名:Rain 1.0
著作権者:Leading Wintech
分類:フリーソフトウェア
ホームページ:http://cpu.simplenet.com/
(GeneralにあるDownloadsを選択する)

ソフト名:Waterfall Pro2.1a
著作権者:Leading Wintech
分類:シェアウェア($15)
ホームページ:http://cpu.simplenet.com/leading_wintech/



バード電子のディスカバリー・ターボ(http://www02.so-net.ne.jp/~poke/



専用の設定画面でCPUパフォーマンスを落とせば,熱対策も可能だ



Rainは,フリーウェアのCPUアイドリングソフト。
オン/オフと最小限の機能しかないが,動作は軽い



「Waterfall Pro 2.1a」を使い,より細かなチューニングをすることで,
CPUアイドリングを細かく調節できる