液晶ディスプレイの寿命はどのくらいでしょう?
一般にPC用ディスプレイとして使われている液晶ディスプレイは,透過型液晶と呼ばれるタイプの液晶パネルを採用しています。液晶はCRTディスプレイと違って,それ自体は発光しませんので,なんらかの光源が必要になります。透過型液晶では,液晶パネル背面にバックライトがあり,そのバックライトの光によって,画像を表示させる仕組みになっています。ノートPCが登場したころの液晶パネルは,バックライトにEL素子が採用されていましたが,EL素子の寿命は数千時間と比較的短いものでした。バックライトだけを交換することは基本的にできませんので,「バックライトの寿命=液晶ディスプレイの寿命」といえます。現在の液晶パネルでは,寿命の長い冷陰極管が使われています。冷隠極管も,点灯時間とともに輝度が少しずつ低下していきますが,連続点灯で2万〜5万時間程度の寿命があります。仮に寿命を2万時間とすると,1日8時間使ったとしても,7年近く使える計算になります(寿命の半分程度の期間で,輝度も約半分になるとされています)。また,液晶素子自体にも寿命はありますが,そちらも7〜8年程度ですので,寿命についてはそう気にしなくてもいいでしょう。
(石井英男)