FSBクロックという言葉が最近出てきますが,これはどういうものなのでしょうか? 分かりやすく教えてください。
クロックという言葉は,AMやFMラジオなどでいう周波数に相当します。これは,1秒あたり何回動くか,ということを示す言葉です。例えば80MHzのFM放送は,その放送が毎秒80×1000×1000=80000000回変化する電波を使って行われていることを表しています。
PCに話を戻しますが,「FSB」(Front Side Bus)という言葉はもともとCPUの「ベースクロック」と呼ばれていたものと同じと考えてください。最近のCPUは,動作クロックと与えるクロックが異なっています。
例えばPentiumV/500MHzの場合は,100MHzのクロックを与えるとCPU内部でその値を5倍にして500MHzで動作します。このようなとき,基本となる「100MHz」という値をベースクロックと呼んでいました。
ベースクロックという言葉が,なぜFSBという呼び方になったかというと,PentiumU/Vの構造が図のようになっており,CPUのコア部がメモリ(実際はチップセット)と接続するCPUバスをフロントサイドバス,L2キャッシュと接続するインタフェースをバックサイドバスと呼ぶようになったことから,いつのまにかFSB=CPUバスのインタフェース速度=CPUのベースクロックの意味に使われるようになったことによります。
(大原雄介)
図 PentiumU/Vの構造