ClipCalc
Version 5.0
取扱説明書
User's Guide

目次

2段表示
ボタンレイアウト
  ■浮動小数点/分数/複素数/時間型
   ■n進数型
    ■逆関数/双曲線関数
計算を始める前に
  ■各種モード
   ■環境設定
    ■ホットキー
     ■訂正について
      ■アンサーメモリー
       ■連続演算機能
数値入力
  ■浮動小数点数/分数
   ■複素数
    ■整数
     ■時間
基本計算
メモリー計算
関数計算
  ■三角関数計算、逆三角関数計算
   ■双曲線/逆双曲線関数
    ■対数計算、指数計算
     ■その他の内部関数(√、x^2、乱数)
      ■外部関数
分数計算
  ■分数計算
   ■小数→分数表示
    ■分数→小数表示
     ■帯分数→仮分数表示
複素数計算
n進計算
時間計算
角度単位変換ツール
基数変換ツール
時間単位変換ツール
外部関数の編集機能
技術情報
  ■計算の優先順位
   ■関数の入力範囲
ボタンの働き

2段表示

※角度の単位に「度」が設定されている状態での例です。

計算式と答えが同時に確認できます。
上段には、答えが表示されます。
下段には、計算式が表示されます。

ボタンレイアウト

浮動小数点/分数/複素数※1/時間※2

(1)計算結果が表示されます

(2)計算式入力ボックス

(3)計算の型

(4)整数の大きさ(計算の型がn進数型の時)または、時間の単位(計算の型が時間型の時)

(5)整数の基数(計算の型がn進数型の時)または、秒間フレーム数(計算の型が時間型の時)

(6)変数リスト

(7)外部関数リスト

(8)逆関数/双曲線関数

(9)角度単位モード

(10)エラーメッセージが表示されます

(11)ヘルプが表示されます(環境設定でヘルプを表示するように設定されている場合のみ)

※1)複素数型の時は、 に変わります。

※2)時間型の時は、 に変わります。また、 に変わります。

n進数型

計算の型がn進数型の場合、一部のボタンレイアウトは左の状態になります。

逆関数/双曲線関数

計算を始める前に

各種モード

内容 モード名
計算機のタイプ  
 電卓モード n-calc
 関数電卓モード f-calc
計算の型  
 浮動小数点型 float
 分数型 fract
 帯分数型 mfract
 複素数型 complex
 符号付きn進数型 signed
 符号なしn進数型 unsigned
 時間型 time
整数の大きさ  
 8ビットモード 8bit
 16ビットモード 16bit
 32ビットモード 32bit
時間の単位  
 時モード hour
 分モード min
 秒モード sec
 フレームモード frame
角度単位モード  
 度モード deg
 ラジアンモード rad
 グラジアンモード grad

●計算機のタイプ(n-calcか、f-calcか)は ボタンで切り替えます。
●計算を始める前に必ず計算の型(floatか、fractか、mfractか、complexか、signedか、unsignedか、timeか)整数の大きさ(8bitか、16bitか、32bitか)時間の単位(hourか、minか、secか、frameか)角度指定(degか、radか、gradか)を確認してください。

環境設定

ボタンを押すと、設定ダイアログが表示されます。さらに「オプション」タブを選択すると、各種オプション項目の設定ができます。

オプション項目 説明
電卓ヘルプ表示 チェックを付けると、n-calcモードで、本機の最下段にヘルプ欄が表示されます。
関数電卓ヘルプ表示 チェックを付けると、f-calcモードで、本機の最下段にヘルプ欄が表示されます。
アサート文による診断メッセージ チェックを付けると、外部関数からのアサーションがダイアログ表示されます。チェックを外すと、無視されます。
[Inv][Hyp]チェック状態を保持 チェックを付けると、 および を押した後に 等を押しても および の状態が保持されます。チェックを外すと、 等を押した時点で および に戻ります。
常に手前に表示する 他のアプリケーションに切り替えても本電卓を手前に表示させる場合、チェックを付けます。
常にトレイアイコンを表示する 常にトレイアイコンを表示させる場合、チェックを付けます。チェックを外すと、トレイアイコンが表示されなくなり、アイコン化した場合の復帰はホットキーでしか行えなくなります。
再計算  
 型の変更時 計算の型(float、fract、mfract、complex、signed、unsigned、time)の変更時に計算式を再計算させる場合、チェックを付けます。
 角度の単位変更時 角度指定(deg、rad、grad)の変更時に計算式を再計算させる場合、チェックを付けます。
 [STO]ボタンによる変数への代入前 チェックを付けると、 ボタンを押した時点で計算式を再計算し、計算結果が変数メモリーへ代入されます( ボタンが ボタンの働きをかねます)。チェックを付けないと、現在表示されている答えが変数メモリーへ代入されます。
外部関数キャッシュ  
 サイズ キャッシュに保持される関数の個数を設定します。 -1で無制限になります。
 ClipCalc非アクティブ時にクリアする

ClipCalc実行中に外部エディタで外部関数ファイルを編集する可能性がある場合、チェックしておくと安全です。

なお、外部関数ボタンのマウス右クリックによるファイル編集時は、本オプションがチェックされていなくても、キャッシュから該当関数が消去されます。

ホットキー

Ctrl + Shift + C キーを押すと、アイコン化から復帰できます。

訂正について

cos 60 を sin 60 に訂正する。(置き換え機能)

60


cos をマウスドラッグ(選択反転)


2.36 を sin 2.36 に訂正する。(インサート機能)

2 36


2 の前をマウスクリック(カーソル移動)


369**2 を 369*2 に訂正する。( ボタンを使った訂正)

369 2


* の後ろをマウスクリック(カーソル移動)


アンサーメモリー

●本機には、最新の計算結果を記憶しておくアンサーメモリーがあります。このメモリーは数値や数式等を入力し、 ボタンを押した結果(数式であれば答え)を記憶します。呼び出しは、 (変数Ansを選択) で行います。


 123+456=579
 789-579=210

123 456


789

●アンサーメモリーは、変数メモリーとは違い、 を押すと新たな数値がアンサーメモリーに自動で記憶されます(変数メモリーの場合は ボタンにより手動で記憶させます)。ただし、エラーが発生した場合は、前回のアンサーメモリーの内容は保護されています。

連続演算機能

ボタンにより演算を終了させた結果に対して、さらに計算を続けることができます。

3*4=12 に続けて /3.14= を計算します。

3 4


(続けて) 3.14

数値入力

浮動小数点数/分数
浮動小数点数または分数を入力するには、float、fract、mfract型にします。 が使用できるようになります。

123.45

123 45

-12e+3 (指数表記)

12 3


  2
 1---
  3

1 2 3

180deg (度)

180

123grad (グラジアン)

123

3.14rad (ラジアン)

3.14

複素数
複素数を入力するには、complex型にします。 が使用できるようになります。

12.3+4.5i (実数部 12.3 と虚数部 +4.5)

12 3 4 5

1e-2-3e+4i (実数部 1e-2 と虚数部 -3e+4)

1 2 3 4

-i (実数部は省略できます。また、虚数部の1は省略できます。)

(12 34) (実数部 12 と虚数部 34)

12 34

整数
整数を入力するには、signed型またはunsigned型にします。 が使用できるようになります。

123

123

-456

456

11012 (2進数)

1101

5678 (8進数)

567

36910 (10進数)

369

FEDC16 (16進数)

FEDC

時間
時間を入力するには、time型にします。 が使用できるようになります。

12:34

12 34

※現在の時間の単位により解釈が異なります。

1:23:45.6 (小数点が使用できます)

1 23 45 6

※現在の時間の単位により解釈が異なります。

12.5時

12 5

※現在の時間の単位がhourの場合でも末尾のhは省略できません。

34分

34

※現在の時間の単位がminの場合でも末尾のmは省略できません。

4分56秒

4 56

※現在の時間の単位に依存せずに確実に4分56秒を指定できます。

78フレーム

78

※現在の時間の単位がframeの場合でも末尾のfは省略できません。

12時3分前

12 3

基本計算

23+4.5-53

23 4.5 53

56*(-12)/(-2.5)

56 12 2.5

2/3*(10^20)

2 3 20

7*8-4*5

7 8 4 5


  3*4
 -----
  5

3 4 5

2*(7+6*(5+4))

2 7 6 5 4

●計算式の先頭での ボタンの操作(例5の場合)および ボタンの前の ボタンの操作(例6の場合)は省略することができます。

メモリー計算

●変数メモリーは26個(@A〜@Z)あり、データや定数、答えなどの数値を自由に保存できます。
●変数メモリーの内容を消去するときは、例えば変数メモリー@Aの内容を消去する場合、 (変数@Aを選択) のように操作してください。


 193.2/23=8.4
 193.2/28=6.9
 193.2/42=4.6

193.2


23


28


42


  9*6+3
 ---------
  (7-2)*8

9 6 3


7 2 8


●環境設定で、[STO]ボタンによる変数への代入前に再計算するように設定されている場合、 ボタンの操作の直前での ボタンの操作は省略することができます。
ボタンが ボタンの働きをかねています。)

関数計算

三角関数計算、逆三角関数計算

●float、fract、mfract型の場合、三角関数の引数に指定する値は角度指定(deg、rad、grad)に依存します。
●float、fract、mfract型の場合、逆三角関数の計算結果は角度指定(deg、rad、grad)に依存します。

sin 63°

63


    π
 cos(----rad)
    3

3

※外部関数piが、外部関数ボタンに登録されている場合の例です。

tan(-35grad)

35

sin-1 0.5=30°(sin x=0.5 の x を求める)

0.5


    √2
 cos-1 ---- =0.7853981633974483rad
     2
        π
       = ----rad
        4

2 2


※外部関数piが、外部関数ボタンに登録されている場合の例です。

tan-1 0.741=36.53844576518808°

0.741

双曲線/逆双曲線関数

sinh 3.6

3.6

sinh-1 30

30

対数計算、指数計算

log10 1.23

1.23

loge 90

90


  log10 64
 ---------
  log
10 4

64 4

e^10

10

10^0.4 +5*e^-3

0.4 5 3

2^4

2 4

2^-3

2 3

その他の内部関数(√、x^2、乱数)

√2+√3*√5

2 3 5

123+30^2

123 30

0からRAND_MAXの間で乱数を発生させる

外部関数

●外部関数が外部関数ボタンに登録されている場合、ボタンを押すことで呼び出すことができます。
●外部関数ボタンに外部関数を登録するには、 ボタンを押して設定ダイアログを表示し「外部関数」タブを選択、「ボタン登録」エディットボックスに関数名を記述してください。
●外部関数ボタンに登録されていない外部関数を呼び出すには、外部関数リストから外部関数を選択して または ボタンを押します。

分数計算

分数計算

●分数を含んだ計算をするには、fract型またはmfract型にします。


  2   4   7
 --- + --- = 1---
  3   5   15

2 3 4 5


  1   2   11
 3--- + 1--- = 4----
  4   3   12

3 1 4 1 2 3


  2   1
 --- = ---
  4   2

2 4

●float型でも、分数の入力ができます。


  1
 --- +1.6=2.1
  2

1 2 1.6

小数→分数表示切り替え

●小数の演算結果表示を分数に切り替えることができます。


      3
 2.75 → 2---
      4

2.75



分数→小数表示切り替え

●分数の演算結果表示を小数に切り替えることができます。


  1
 --- ←→ 0.5
  2

1 2



帯分数→仮分数表示切り替え


  2    5
 1--- ←→ ---
  3    3

1 2 3



複素数計算

●複素数を含んだ計算をするには、complex型にします。

(2+3i)+(4+5i) を計算する。

2 3 4 5


または 2 3 4 5


または 2 3 4 5

√-23 を計算する

23

※float、fract、mfract型で本計算を行うと、エラーになります。

n進計算

●n進計算をするには、signed型またはunsigned型にします。
●n進の指示には、計算機全体に与える指示と、個別の数値に与える方法があります。
●計算機全体に与える指示では、2〜16進の計算を指定することができます。
●個別の数値に与える指示では、2進、8進、10進、16進を指定することができます。
●n進計算では、数値間の論理演算を行うことができます。
論理積and (&)、論理和or (|)、排他的論理和xor (^)
●n進計算では、数値のビットシフトを行うことができます。
左シフト(<<)、右シフト(>>)

101112+110102 を計算し、2進数で結果を表示する。

基数を にする

10111 11010

76548/1210 を計算し、8進数で結果を表示する。

基数を にする

7654 12

12016 or 11012 を計算し、16進数で結果を表示する。

基数を にする

120 1101

110012 を左に3ビットシフトさせ、2進数で結果を表示する。

基数を にする

11001 3

時間計算

●時間計算をするには、time型にします。

1時間23分+45分-30秒

時間の単位を にする

1 23 00 45 00 0 30


または

1 23 45 30

1時間47分*10

時間の単位を にする

1 47 10

60fpsでの10000フレームは何分何秒?

時間の単位を に、秒間フレーム数を にする

10000

角度単位変換ツール

●float、fract、mfract、complex型で ボタンを押すと、角度単位変換ツールが起動します。

●計算結果をリアルタイムに度、ラジアン、グラジアン変換し、表示します。現在の角度指定(deg、rad、grad)により、計算結果と同じ値の表示場所が決定されます。
●度、ラジアン、グラジアンの何れかを直接入力することもできます。
ボタンを押すと、計算式に転送できます。

基数変換ツール

●signed型またはunsigned型で ボタンを押すと、基数変換ツールが起動します。

●計算結果をリアルタイムに2、8、10、16進変換し、表示します。
●2、8、10、16進数の何れかを直接入力することもできます。
ボタンを押すと、計算式に転送できます。

時間単位変換ツール

●time型で ボタンを押すと、時間単位変換ツールが起動します。

●計算結果をリアルタイムに時、分、秒、フレーム数に変換し、表示します。
●時、分、秒、フレーム数の何れかを直接入力することもできます。
ボタンを押すと、計算式に転送できます。

外部関数の編集機能

●外部関数ボタンのマウス右クリックにより、ファイル編集できます。
●外部関数が登録されていないボタンをマウス右クリックすると、ファイル新規作成できます。

(1)新規作成する外部関数名を指定します。(2)の指定に関わらず、外部関数パス全体での既存の外部関数名は指定できません。

(2)新規外部関数ファイルを格納するフォルダを指定します。

●格納フォルダリストに目的のフォルダがない場合、外部関数パスにフォルダを追加してください。 ボタンを押して設定ダイアログを表示し「外部関数」タブを選択、「外部関数パス」部の「追加」ボタンを押してフォルダを指定してください。
●外部関数編集に使用するエディタを設定するには、 ボタンを押して設定ダイアログを表示し「外部関数」タブを選択、「外部関数エディタ」エディットボックスにエディタを登録してください。

技術情報

計算の優先順位

下記の順位で計算されます。

(1) [~]、[-]、内部関数、外部関数
(2) *、/、%
(3) +、-
(4) <<、>>
(5) &
(6) ^
(7) |

●同順位の関数が連続している時は右側から左側へ〔exp log10 sqrt 120 → exp{log10(sqrt 120)}〕、同順位の演算子が連続している時は左側から右側へ実行されます。
●括弧が使用された場合は、括弧内が最優先されます。

関数の入力範囲

関数 入力範囲
asin x -1≦x≦1
acos x -1≦x≦1
acosh x 1≦x
atanh x -1<x<1
log x 0<x
log10 x 0<x
sqrt x 0≦x

●complex型の場合は、指定できる値に制限はありません。

ボタンの働き


(float、fract、mfract、complex、time型)
(float、fract、mfract、complex型)
(time型)
(fract、mfract型)
(complex型)
(time型)
(signed、unsigned型)

置数ボタン

数値を入力するときに押します。
負数ボタン
負の数を入力するときに押します。
補数ボタン(signed、unsigned型)
補数を入力するときに押します。

(signed、unsigned型)
演算子ボタン

演算子を入力するときに押します。
括弧入力ボタン
括弧を入力するときに押します。
括弧付けボタン
計算式中の選択部分を括弧で囲みます。選択範囲がなければ、カーソル位置までを囲みます。
スペースボタン
空白文字を入力するときに押します。
デリートボタン
間違えて入力した数値や関数を削除するときに押します。
オールクリアボタン
入力されている計算式を消去するときに押します。
計算実行ボタン
入力した計算式を実行するときに押します。
ストアメモリーボタン
計算した結果をメモリーに記憶するときに押します。
※あらかじめ選択された変数が対象です。
リコールメモリーボタン
メモリーに記憶した数値を呼び出すときに押します。
※あらかじめ選択された変数が対象です。
メモリークリア
メモリーを消去する時に押します。
※あらかじめ選択された変数が対象です。
三角関数ボタン
三角関数を計算するときに押します。float、fract、mfract型の場合、引数に指定する値は角度指定(deg、rad、grad)に依存します。
逆三角関数
逆三角関数を計算するときに押します。float、fract、mfract型の場合、結果は角度指定(deg、rad、grad)に依存します。
双曲線関数
双曲線関数を計算するときに押します。
逆双曲線関数
逆双曲線関数を計算するときに押します。
自然対数ボタン
自然対数を計算するときに押します。
eのx乗
eのx乗を計算するときに押します。
常用対数ボタン
常用対数を計算するときに押します。
10のx乗
10のx乗を計算するときに押します。
自乗ボタン
自乗を計算するときに押します。
ルートボタン
平方根(ルート)を計算するときに押します。
その他の内部関数ボタン
y x
y/xの逆正接を計算します。float、fract、mfract型の場合、結果は角度指定(deg、rad、grad)に依存します。
x
絶対値を求めます。
x
x以上の最小の整数を求めます。
x
x以下の最大の整数を求めます。
x
整数に丸めるときに押します。
x exp
仮数xと指数expから実数を計算するときに押します。
x (変数を選択して)
xの仮数を求めます。変数には指数が格納されます。
x (変数を選択して)
xの小数部を求めます。変数には整数部が格納されます。
x y
xy乗を計算するときに押します。
x
分数の分子を求めます。
x
分数の分母を求めます。
x
複素数の実数部を求めます。
x
複素数の虚数部を求めます。
x
複素数の位相角度を求めます。結果は角度指定(deg、rad、grad)に依存します。
x
絶対値の自乗を求めます。
x
共役複素数を求めます。
rho theta
絶対値rho、位相角度thetaの複素数値を求めます。thetaは角度指定(deg、rad、grad)に依存します。

0からRAND_MAXの間で疑似乱数を発生させます。

現在の時刻を得ます。
外部関数呼び出しボタン
リスト選択されている外部関数を呼び出します。

 

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