書式
CLIP言語での計算式の記述は、インフィクス(一般算術)表記でおこなう。前章で述べたように、計算記述は演算子から始めることができる。
括弧は釣り合いがとれていなくても構わない。例えば、以下のように記述できる。
また、関数のパラメータなど、数値を記述する部分には、代わりに括弧で囲まれた計算式を記述することができる。
インタープリタがCLIP言語で特別な意味をもつ文字を解釈することを抑制するために、エスケープ文字\が使用できる。文字\自体を文字として使用する場合、\\と記述する必要がある。
なお、本仕様書では、\が必要なところでは全て\を記述している。それに加えて、\を付けたほうが安全なところにも\を記してある。例えば、整数の基数を16に変更する場合の説明では、:int \16と記述してある。これは、現在の基数が10でなかった場合を想定して、確実に10進数で16を指定する手段として\を記してある。(10進数の記述:「定数表現」の章を参照)
[から]までを1つのトークンとみなす。以下の場合には、[]を用いる必要がある。
A)文字列定数の記述で、
のいずれかが含まれる場合、その文字をエスケープ文字\でエスケープするか、文字列定数全体(文字列定数開始文字"を含む)を[]で囲む必要がある。
B)変数のインデックスに、文字[を使用したい場合、エスケープ文字\を用いて@\[と記述するか、[@[]と記述する必要がある。
C)浮動小数点定数または複素定数の記述で指数部または虚数部を含む場合、マイナス文字(-)またはプラス文字(+)をエスケープ文字\でエスケープするか、定数の記述全体を[]で囲む必要がある。例えば、以下のように記述する。
D)単項演算子は、括弧[]で囲んで記述する。例えば単項マイナスは、二項マイナスと区別するために[-]と記述する。
なお、[から]の中に、文字]を使用する場合、エスケープ文字\を用いる必要がある。文字[の場合は必要ない。例えば、以下のように記述する。
複数のexpressionを1行にセミコロン(;)で区切って記述することができる。セミコロンの後ろのexpressionを省略した場合でも、空の計算式として解釈される。
コメント開始文字#から行末までがコメントになる。
なお、コメント開始文字の識別は[]または;よりも前に行われる。例えば、変数のインデックスに、文字#を使用する場合、[@#]と記述するのは間違いで、エスケープ文字\を用いて@\#と記述する必要がある。