Microsoft DirectX 8.0 (C++)

デバッグ用とリテール用の DLL

Microsoft® DirectX® SDK インストール プログラムは、DirectX ダイナミックリンク ライブラリ (DLL) のデバッグ ビルドまたはリテール ビルドのいずれかのインストール オプションを提供する。

C++ でソフトウェアを開発している場合は、DLL のデバッグ バージョンをインストールするとよい。このオプションを選択すると、システムには DLL のデバッグ バージョンとリテール バージョンがインストールされる。リテール オプションを選択した場合は、DLL のリテール バージョンだけがインストールされる。DLL のデバッグ バージョンには内部データ構造を検証する追加コードがあり、プログラムの実行中に (Microsoft Win32® OutputDebugString 関数を使って) デバッグのエラー メッセージを出力する。エラーが発生すると、問題の詳細がデバッグ出力される。DLL のデバッグ バージョンはリテール バージョンよりも動作が遅いが、アプリケーションのデバッグにはリテール バージョンよりも役立つ。アプリケーションを出荷する場合は、リテール バージョンを出荷すること。

DirectX コントロール パネル ユーティリティを使用すると、DirectInput®、Direct3D®、および DirectMusic® のデバッグ ビルドとリテール ビルドを切り替えることができる。この機能を有効にするには、SDK をインストールするときにデバッグ オプションを選択する。

デバッグ メッセージを確認するには、ウィンドウ内やリモート コンピュータにデバッグ出力が表示されるよう、システムの構成を設定する。Microsoft Visual C++® などの開発環境では、この設定が可能である。設定方法については、開発環境についてのドキュメントを参照すること。

デバッグ用のビルドを使用する場合は、デバッガが関連するシンボリック情報を確実に見つけられるようにするために、以下に示す場所にシンボル ファイルを置いておかなければならない。

OS デバッガ .pdb ファイルの場所 .dbg ファイルの場所
Windows® 95、Windows 98 Visual C++ バイナリと同じディレクトリ バイナリと同じディレクトリ
Windows® NT、Windows 2000 Visual C++ バイナリと同じディレクトリ %SystemRoot%\Symbols\<binary extension>\
Windows NT、Windows 2000 NTSD/KD %SystemRoot%\Symbols\<binary extension>\ %SystemRoot%\Symbols\<binary extension>\

注  Microsoft Windows NT および Windows 2000 で Visual C++ 開発システムを使ってデバッグする場合は、開発ツールの WIN32API Splitsym を使用してはならない。WIN32API Splitsym は、プライベート シンボリック情報を <binary>.dbg ファイルからバイナリ エクステンションのシンボル ディレクトリ (%SystemRoot%\Symbols\Dll\ など) にコピーし、バイナリ ディレクトリからは元のファイルを削除してしまう。Visual C++ を使用するには、プライベート シンボリック情報のファイル (<binary>.dbg) がバイナリ ファイルと同じディレクトリに置かれている必要がある。したがって、デバッグ用のビルドを使用する場合は、プライベート シンボリック情報のコピーだけを行い、削除を行ってはならない。これが問題となるのは、Windows NT および Windows 2000 で Visual C++ を使用する場合だけである。その他のデバッグ情報については、Visual C++ のドキュメントおよび Windows 2000 Driver Development Kit (DDK) のドキュメントを参照すること。