Microsoft DirectX 8.0 (C++)

転送サーバー音声トポロジ

転送サーバー トポロジを採用している Microsoft® DirectPlay® 音声セッションでは、セッション内の 1 台のコンピュータが転送サーバーの役割をする。音声セッション内の各クライアントは、音声データを転送サーバーにストリームする。転送サーバーは、セッション内のほかのクライアントすべてに、この音声データを転送する。各クライアントが、転送サーバーから転送された流入オーディオ ストリームをすべて受け取る。最後に、各クライアントのコンピュータが、流入するストリームをミキシングして再生する。

転送サーバー トポロジを採用している音声セッションでは、流出する音声オーディオ ストリームが 1 つしかないため、個々のクライアントにおける流出帯域幅の要件は一定である。流入帯域幅とプロセッサの要件は、ピアツーピア トポロジを採用している音声セッションでの要件と同じだが、流入する音声オーディオ ストリームの数によって異なる。

転送サーバーによる DirectPlay 音声セッションでは、サーバーに個々のクライアントより大幅に高い帯域幅が必要になる。ただし、サーバー上では音声データの圧縮や圧縮解除が発生しないため、プロセッサ要件は高くない。このようにコンピュータのプロセッサへの負荷が減ることは、コンピュータ自体のパフォーマンスを悪化させることも、ゲーム サーバーや同じコンピュータで動作しているクライアント プログラムのパフォーマンスを悪化させることもなく、高い帯域幅で接続している個々のクライアントのコンピュータが、転送サーバーのホストとなれることを意味する。

ピアツーピア トポロジを採用している音声セッションでは、個々のクライアントにおける流出帯域幅の要件が、流入帯域幅の要件より大幅に高いのが普通である。したがって、流出帯域幅の要件をオーディオ ストリーム 1 つに減らせば、帯域幅の総使用量を大幅に減らすことができる。たとえば、8 人が参加している音声セッションで、全クライアントが互いの声を聞くことができる場合には、使用しているコンピュータで音声データがキャプチャおよび送信されるたびに、そのクライアントから 7 つの音声ストリームが流出する。ただし、全クライアントが同時に話すことはほとんどなく、同時に流入する音声ストリームは 2 〜 3 つより少ないのが普通である。