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フィルタ グラフ マネージャは、汎用ビデオ ウィンドウのビデオ プロパティをサポートする IBasicVideo オブジェクトを公開する。一般的に、これは、ディスプレイ上のウィンドウ内でビデオを描画するビデオ レンダラである。
IBasicVideo オブジェクトのメソッドを使用するには、ビデオ レンダラが接続されている必要がある。ビデオ レンダラが接続されていない場合、すべてのメソッドは実行時エラー 521 を返す。ビデオ レンダラで設定されているプロパティは、通常、接続と切断を繰り返しても変わらない。すべてのアプリケーションは、ビデオの表示を開始する前に、レンダラのプロパティがリセットされていることを確認する必要がある。
アプリケーションは、ビデオを使用するときに、使用するビデオの一部を選択することができる。選択される部分は、IBasicVideo オブジェクトが制御する転送元矩形である。IBasicVideo を使用して、転送元矩形を設定したり、取得したりすることができる。すべての IBasicVideo 矩形は、上、左、幅、高さのプロパティを持っている。転送元矩形が設定されていない場合、転送元矩形のプロパティは、本来のビデオのフル サイズを返す。
プロパティ
AvgTimePerFrame 連続するフレーム間の平均時間を 100 ナノ秒単位で取得する。 BitErrorRate ビデオ ストリームのおおよそのビット エラー レートを取得する。 BitRate ビデオ ストリームのおおよそのビット レートを取得する。 DestinationLeft ビデオの転送先矩形の x 軸の座標を設定または取得する。 DestinationHeight ビデオの転送先矩形の高さを設定または取得する。 DestinationTop ビデオの転送先矩形の y 軸の座標を設定または取得する。 DestinationWidth ビデオの転送先矩形の幅を設定または取得する。 SourceHeight ビデオの転送元矩形の高さを設定または取得する。 SourceLeft ビデオの転送元矩形の x 軸の座標を設定または取得する。 SourceTop ビデオの転送元矩形の y 軸の座標を設定または取得する。 SourceWidth ビデオの転送元矩形の幅を設定または取得する。 VideoHeight 現在のビデオの高さを取得する。 VideoWidth 現在のビデオの幅を取得する。
メソッド
GetCurrentImage 現在レンダラで待機中の画像のコピーを返す。 GetDestinationPosition ウィンドウの転送先矩形を取得する。 GetSourcePosition ビデオの転送元矩形を取得する。 GetVideoPaletteEntries ビデオが必要とするカラー パレット エントリを取得する。 GetVideoSize 本来のビデオの大きさを取得する。 IsUsingDefaultSource デフォルトの転送元が使われているかどうかを示す。 SetDefaultDestinationPosition ウィンドウのデフォルトの転送先位置を設定する。 SetDefaultSourcePosition レンダラに対して、デフォルトの転送元矩形を使用するように通知する。 SetDestinationPosition ウィンドウの転送先矩形を設定する。 SetSourcePosition ビデオの転送元矩形を設定する。
連続するフレーム間の平均時間を 100 ナノ秒単位で取得する。
構文
objVideo.AvgTimePerFrame
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
ビデオ ストリームのビット エラー レート (おおよそ何ビットごとに 1 回エラーが発生するかを示す値) を取得する。
構文
objVideo.BitErrorRate
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
ビデオ ストリームのおおよそのビット レートを 1 秒あたりのビット数単位で取得する。
構文
objVideo.BitRate
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
転送先矩形の高さを取得または設定する。
構文
objVideo.DestinationHeight [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- 転送先矩形の高さの新しい値。
注意
この座標を設定しても、転送先矩形の y 軸の原点は影響を受けない。
転送先の x 軸の原点の座標を取得または設定する。
構文
objVideo.DestinationLeft [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- 転送先の x 軸の原点の新しい値。
注意
この座標を設定しても、転送先矩形の幅は影響を受けない。
転送先の y 軸の原点の座標を取得または設定する。
構文
objVideo.DestinationTop [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- y 軸の原点の新しい値。
注意
この座標を設定しても、転送先矩形の高さは影響を受けない。
転送先矩形の幅を取得または設定する。
構文
objVideo.DestinationWidth [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- 新しい幅の値。
注意
この座標を設定しても、転送先矩形の x 軸の原点は影響を受けない。
現在、レンダラで待機中の画像を取得する。
構文
objVideo.GetCurrentImage BufferSize, DIBImage
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- BufferSize
- 呼び出し元が渡すバッファのサイズを指定する Long 型の値。GetCurrentImage は、終了前に、この値をバッファ内の実際のバイト数に設定する。
- DIBImage
- 画像全体が DIB (デバイスに依存しないビットマップ) フォーマットで格納されるバッファが含まれている Long 型の値。バッファは参照によって渡す必要がある。
注意
このメソッドを呼び出す前にビデオ レンダラをポーズさせること。ビデオ レンダラがほかの状態にあるときにこのメソッドを呼び出すと、実行時エラー 549 が返される。ソース フィルタで利用可能なデータの種類によっては、ビデオ レンダラがこの要求に応じないこともある。
DIBImage を Nothing に設定し、このメソッドを呼び出すことにより、アプリケーションはこのメソッドを利用して、ポーズしているビデオ レンダラに格納されている現在の画像のコピーを取得できる。
転送先矩形のウィンドウ座標上の位置を取得する。
構文
objVideo.GetDestinationPosition Left, Top, Width, Height
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- Left
- 転送先ウィンドウの x 軸の原点が格納されている Long 型の整数値。
- Top
- 転送先ウィンドウの y 軸の原点が格納されている Long 型の整数値。
- Width
- 転送先ウィンドウの幅が格納されている Long 型の整数値。
- Height
- 転送先ウィンドウの高さが格納されている Long 型の整数値。
注意
このメソッドには、DestinationLeft プロパティ、DestinationTop プロパティ、DestinationWidth プロパティ、および DestinationHeight プロパティを個別に取得するのと同じ効果がある。
利用可能なビデオにクリップされる転送元の位置を取得する。
構文
objVideo.GetSourcePosition Left, Top, Width, Height
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- Left
- 転送元ウィンドウの x 軸の原点が格納される Long 型の整数値。
- Top
- 転送元ウィンドウの y 軸の原点が格納される Long 型の整数値。
- Width
- 転送元ウィンドウの幅が格納される Long 型の整数値。
- Height
- 転送元ウィンドウの高さが格納される Long 型の整数値。
注意
このメソッドには、SourceLeft プロパティ、SourceTopプロパティ、SourceWidthプロパティ、および SourceHeight プロパティを個別に取得するのと同じ効果がある。
ビデオのパレット カラーを取得する。
構文
objVideo.GetVideoPaletteEntries StartIndex, Entries, Retrieved, Palette
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- StartIndex
- パレットの開始インデックスを指定する Long 型の整数値。
- Entries
- 必要なパレット エントリの数を指定する Long 型の整数値。
- Retrieved
- Palette によって実際に返されるエントリの数が格納される Long 型の整数値。
- Palette
- Microsoft® Win32® PALETTEENTRY 構造体の配列を指すポインタが格納される Long 型の整数値。
本来のビデオの大きさを取得する。
構文
objVideo.GetVideoSize Width, Height
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- Width
- ビデオ ウィンドウの幅が格納される Long 型の整数値。
- Height
- ビデオ ウィンドウの高さが格納される Long 型の整数値。
注意
設定されている可能性のある転送元矩形はすべて無視して、本来のビデオの幅と高さを取得する。ActiveX コントロールまたはその他のアプリケーションは、この情報を使って、複合ドキュメント内のスペースを確保することができる。
このオブジェクトがデフォルトの転送元を使用しているかどうかの情報を取得する。
構文
objVideo.IsUsingDefaultSource
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
戻り値
TRUE は IBasicVideo オブジェクトがデフォルトの転送元を使っていることを示し、FALSE は使っていないことを示す。
レンダラが再生にウィンドウ全体を使用するように、ビデオ ウィンドウのデフォルトの転送先位置を設定する。
構文
objVideo.SetDefaultDestinationPosition
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
レンダラに対して、デフォルトの転送元矩形を使用するように通知する。
構文
objVideo.SetDefaultSourcePosition
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
ウィンドウ座標上で転送先矩形を設定する。
構文
objVideo.SetDestinationPosition Left, Top, Width, Height
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- Left
- 転送先ウィンドウの x 軸の原点をピクセル単位で指定する Long 型の整数値。
- Top
- 転送先ウィンドウの y 軸の原点をピクセル単位で指定する Long 型の整数値。
- Width
- 転送先ウィンドウの幅をピクセル単位で指定する Long 型の整数値。
- Height
- 転送先ウィンドウの高さをピクセル単位で指定する Long 型の整数値。
注意
このメソッドには、DestinationLeft プロパティ、DestinationTop プロパティ、DestinationWidth プロパティ、および DestinationHeight プロパティを個別に設定するのと同じ効果がある。
利用可能なビデオにクリップされる転送元矩形を設定する。
構文
objVideo.SetSourcePosition Left, Top, Width, Height
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- Left
- 転送元ウィンドウの x 軸の原点を指定する Long 型の値。
- Top
- 転送元ウィンドウの y 軸の原点を指定する Long 型の値。
- Width
- 転送元ウィンドウの幅を指定する Long 型の値。
- Height
- 転送元ウィンドウの高さを指定する Long 型の値。
注意
このメソッドには、SourceLeft プロパティ、SourceTopプロパティ、SourceWidthプロパティ、および SourceHeight プロパティを個別に設定するのと同じ効果がある。
転送元矩形の高さを取得または設定する。
構文
objVideo.SourceHeight [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- 現在の矩形の高さをピクセル単位で指定する Long 型の値。
注意
転送元矩形の高さを設定しても、転送元の幅などの値は影響を受けない。
転送元矩形の x 座標を取得または設定する。
構文
objVideo.SourceLeft [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- 転送元矩形の x 軸の原点の新しい値。
注意
このプロパティを変更しても、転送元の幅およびその他の値は影響を受けない。
転送元矩形の y 軸の原点の座標を取得または設定する。
構文
objVideo.SourceTop [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- ディスプレイの上端から現在のウィンドウの上端までの距離をピクセル単位で指定する Long 型の値。
注意
このメソッドを設定しても、転送元矩形の高さは影響を受けない。
転送元矩形の幅を取得または設定する。
構文
objVideo.SourceWidth [= lValue]
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
- lValue
- 現在の幅をピクセル単位で指定する Long 型の値。
注意
このメソッドに、転送元矩形の x 軸座標を変更する効果はない。
本来のビデオの高さを取得する。
構文
objVideo.VideoHeight
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
注意
このメソッドは、レンダラに供給されるビデオの実際の高さを返す。このメソッドは、設定されている転送元矩形は無視して、本来の垂直方向の長さだけを返す。アプリケーションは、これを使って、埋め込み先コンテナ ドキュメントとの間でサイズ要件をネゴシエートできる。
ビデオの本来の幅を取得する。
構文
objVideo.VideoWidth
指定項目
- objVideo
- 評価結果が IBasicVideo オブジェクトになるオブジェクト式。
注意
このメソッドは、レンダラに供給されるビデオの実際の幅を返す。このメソッドは、設定されている転送元矩形は無視して、本来の水平方向の長さだけを返す。アプリケーションは、これを使って、埋め込み先コンテナ ドキュメントとの間でサイズ要件をネゴシエートできる。