Microsoft DirectX 8.0

AMTimeline オブジェクト

Microsoft® DirectShow 編集サービス (DES) の中心的オブジェクトであるタイムラインを操作するメソッドを提供する。タイムラインは、ビデオ クリップ、オーディオ クリップ、エフェクト、およびクリップ間のトランジションなど、時間順の要素のコレクションである。レンダリング エンジンは、タイムラインを使用してフィルタ グラフを作成する。アプリケーションは、フィルタ グラフからレンダリングされた出力を生成できる。

AMTimeline オブジェクトは、3 つの基本的なサービスを提供する。

メソッド

AddGroupタイムラインにグループを追加する。
ClearAllGroupsタイムライン内のすべてのグループ、およびそれらに含まれるすべてのオブジェクトを削除する。
CreateEmptyNode新しいタイムライン オブジェクトを作成する。
EffectsEnabledエフェクトが有効かどうかを調べる。
EnableEffectsタイムライン内のすべてのエフェクトを有効または無効にする。
EnableTransitionsタイムライン内のすべてのトランジションを有効または無効にする。
GetCountOfType指定されたグループとそのすべての子に含まれる、指定されたタイプのオブジェクトの個数を取得する。
GetDefaultEffectVisual Basic ではサポートされていない。
GetDefaultEffectBデフォルトのエフェクトを取得する。
GetDefaultFPSデフォルトの出力フレーム レート (毎秒のフレーム数) を取得する。
GetDefaultTransitionVisual Basic ではサポートされていない。
GetDefaultTransitionBデフォルトのトランジションを取得する。
GetDirtyRangeVisual Basic ではサポートされていない。
GetDurationVisual Basic ではサポートされていない。
GetDuration2タイムラインの時間幅を取得する。
GetGroup指定されたグループを取得する。
GetGroupCountタイムラインに含まれるグループの個数を取得する。
GetInsertModeVisual Basic ではサポートされていない。
IsDirtyVisual Basic ではサポートされていない。
RemGroupFromListVisual Basic ではサポートされていない。
SetDefaultEffectVisual Basic ではサポートされていない。
SetDefaultEffectBデフォルトのエフェクトを設定する。
SetDefaultFPSデフォルトの出力フレーム レート (毎秒のフレーム数) を設定する。
SetDefaultTransitionVisual Basic ではサポートされていない。
SetDefaultTransitionBデフォルトのトランジションを設定する。
SetInsertModeVisual Basic ではサポートされていない。
SetInterestRangeVisual Basic ではサポートされていない。
TransitionsEnabledトランジションが有効かどうかを調べる。
ValidateSourceNamesタイムライン内のソース名を検証する。

AddGroup メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

タイムラインにグループを追加する。

構文

object.AddGroup(
pGroup As IAMTimelineObj
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pGroup
グループを指定する AMTimelineObj オブジェクト。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_INVALIDARGグループの最大数を超えた。
E_NOINTERFACEこのオブジェクトはグループではない。

注意

現在、タイムラインがサポートするグループの最大数は 32 である。

ClearAllGroups メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

タイムライン内のすべてのグループ、およびそれらに含まれるすべてのオブジェクトを削除する。

構文

object.ClearAllGroups()

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

CreateEmptyNode メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

新しいタイムライン オブジェクトを作成する。

このメソッドは重要な初期化ルーチンを実行するので、タイムラインの作成にはこのメソッドを使用し、New キーワードは使用しない。

構文

object.CreateEmptyNode(
ppObj As AMTimelineObj,
Type As TIMELINE_MAJOR_TYPE
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
ppObj
新しいオブジェクトを受け取る AMTimelineObj オブジェクト。
Type
作成するオブジェクトのタイプを指定する TIMELINE_MAJOR_TYPE 列挙型のメンバ。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次のいずれかの値が設定される場合がある。

E_INVALIDARGオブジェクト タイプが有効ではない。
E_OUTOFMEMORYメモリ不足。

EffectsEnabled メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

エフェクトが有効かどうかを調べる。エフェクトが無効の場合、エフェクトはタイムライン内に存在したままだが、レンダリングはされない。

構文

object.EffectsEnabled(
pfEnabled As Long
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pfEnabled
エフェクトが有効かどうかを示す値を受け取る変数。値がゼロの場合は、エフェクトは無効である。値がゼロ以外の場合は、エフェクトは有効である。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

EnableEffects メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

タイムライン内のすべてのエフェクトを有効または無効にする。エフェクトが無効の場合、エフェクトはタイムライン内に存在したままだが、レンダリングはされない。

構文

object.EnableEffects(
fEnabled As Long
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
fEnabled
エフェクトを有効または無効のどちらに設定するかを示す値。ゼロの場合は、エフェクトは無効になる。ゼロ以外の場合は、エフェクトは有効になる。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

EnableTransitions メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

タイムライン内のすべてのトランジションを有効または無効にする。トランジションが無効の場合、レンダリング エンジンはトランジションをカット (直接切り替え) として扱う。 つまり、レンダリングされた出力では、トラックから次のトラックに即座に切り替わる。デフォルトのカット ポイントは、トランジションの時間幅の中間点である。トランジションに対して IAMTimelineTrans.SetCutPoint メソッドを呼び出すことで、カット ポイントを変更できる。トランジションは、無効になってもタイムラインに残っている。

構文

object.EnableTransitions(
fEnabled As Long
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
fEnabled
トランジションを有効または無効のどちらに設定するかを示す値。ゼロの場合は、トランジションは無効になる。ゼロ以外の場合は、トランジションは有効になる。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

GetCountOfType メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

指定されたグループとそのすべての子に含まれる、指定されたタイプのオブジェクトの個数を取得する。

構文

object.GetCountOfType(
Group As Long,
pVal As Long,
pValWithComps As Long,
MajorType As TIMELINE_MAJOR_TYPE
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
Group
オブジェクトの個数を取得するグループのインデックス番号。
pVal
グループおよびそのすべての仮想トラックに含まれる (再帰的に内部に含まれるオブジェクトも含む)、指定されたタイプのオブジェクトの個数を受け取る変数。
pValWithComps
pVal に返された個数に、これ自体も含めて検索された合成の個数を加えた数を受け取る変数。
MajorType
TIMELINE_MAJOR_TYPE 列挙型のメンバ。 個数を数えるオブジェクトのタイプを指定する。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_INVALIDARG無効なグループ番号。

注意

このメソッドの呼び出しは、指定したグループに対する AMTimelineComp.GetCountOfType の呼び出しに相当する。詳細については、そのメソッドの「注意」を参照すること。

通常、アプリケーションではこのメソッドを呼び出さない。レンダリング エンジンによって内部的に呼び出される。

GetDefaultEffect メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.GetDefaultEffect(
pGuid As GUID
)

GetDefaultEffectB メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

デフォルトのエフェクトを取得する。レンダリング エンジンがエフェクトをレンダリングできない場合、デフォルトのエフェクトが代用される。

構文

object.GetDefaultEffectB() As String

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。

戻り値

デフォルト エフェクトの GUID を表す文字列を返す。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_OUTOFMEMORYメモリ不足。

GetDefaultFPS メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

デフォルトの出力フレーム レート (毎秒のフレーム数、FPS) を取得する。グループは、この値をデフォルトのフレーム レートとして使用する。グループのフレーム レートを設定するには、グループに対して AMTimelineGroup.SetOutputFPS メソッドを呼び出す。

構文

object.GetDefaultFPS(
pFPS As Double
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pFPS
デフォルトのフレーム レート (毎秒のフレーム数) を受け取る変数。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

GetDefaultTransition メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.GetDefaultTransition(
pGuid As GUID
)

GetDefaultTransitionB メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

デフォルトのトランジションを取得する。レンダリング エンジンがトランジションをレンダリングできない場合は、デフォルトのトランジションが代用される。

構文

object.GetDefaultTransitionB() As *pGuid

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。

戻り値

デフォルトのトランジションの GUID を表す文字列を返す。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_OUTOFMEMORYメモリ不足。

GetDirtyRange メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.GetDirtyRange(
pStart As <Unsupported variant type>,
pStop As <Unsupported variant type>
)

GetDuration メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.GetDuration(
pDuration As <Unsupported variant type>
)

GetDuration2 メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

タイムラインの時間幅を取得する。

構文

object.GetDuration2(
pDuration As Double
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pDuration
タイムラインの時間幅 (秒数) を受け取る変数。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

GetGroup メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

指定されたグループを取得する。

構文

object.GetGroup(
ppGroup As AMTimelineObj,
WhichGroup As Long
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
ppGroup
指定したグループを受け取る AMTimelineObj オブジェクト。
WhichGroup
取得するグループのインデックス。 このインデックスは、グループがタイムラインに追加された順序に基づく。タイムラインに最初に追加されたグループのインデックスは 0 となる。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_INVALIDARG無効な引数。

GetGroupCount メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

タイムラインに含まれるグループの個数を取得する。

構文

object.GetGroupCount(
pCount As Long
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pCount
タイムライン内のグループの個数を受け取る変数。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

GetInsertMode メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.GetInsertMode(
pMode As Long
)

IsDirty メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.IsDirty(
pDirty As Long
);

RemGroupFromList メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.RemGroupFromList(
pGroup As AMTimelineObj
);

SetDefaultEffect メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.SetDefaultEffect(
pGuid As GUID
)

SetDefaultEffectB メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

デフォルトのエフェクトを設定する。レンダリング エンジンがエフェクトをレンダリングできない場合は、デフォルトのエフェクトが代用される。

構文

object.SetDefaultEffectB(
pGuid As String
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pGuid
デフォルト エフェクトの GUID を表す文字列。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_OUTOFMEMORYメモリ不足。

注意

デフォルト エフェクトを設定していない場合、またはデフォルトに指定したエフェクトでエラーが発生した場合は、DES 自体のデフォルト エフェクトが使用される。

SetDefaultFPS メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

デフォルトの出力フレーム レート (毎秒のフレーム数) を設定する。グループは、この値をデフォルトのフレーム レートとして使用する。グループのフレーム レートを設定するには、グループに対して AMTimelineGroup.SetOutputFPS メソッドを呼び出す。

構文

object.SetDefaultFPS(
FPS As Double
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
FPS
デフォルトのフレーム レート (毎秒のフレーム数)。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

SetDefaultTransition メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.SetDefaultTransition(
pGuid As GUID
)

SetDefaultTransitionB メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

デフォルトのトランジションを設定する。レンダリング エンジンがトランジションをレンダリングできない場合は、デフォルトのトランジションが代用される。

構文

object.SetDefaultTransitionB(
pGuid As String
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pGuid
デフォルトのトランジションの GUID を表す文字列。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_OUTOFMEMORYメモリ不足。

注意

デフォルトのトランジションを設定していない場合、またはデフォルトに指定したトランジションでエラーが発生した場合は、DES 自体のデフォルトのトランジションが使用される。

SetInsertMode メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.SetInsertMode(
Mode As Long
)

SetInterestRange メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

Visual Basic ではサポートされていない。

構文

object.SetInterestRange(
Start As <Unsupported variant type>,
Stop As <Unsupported variant type>
)

TransitionsEnabled メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

トランジションが有効かどうかを調べる。

構文

object.TransitionsEnabled(
pfEnabled As Long
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
pfEnabled
トランジションが有効かどうかを指定する値。ゼロの場合は、トランジションは無効である。ゼロ以外の場合は、トランジションは有効である。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗すると、エラーが発生する。

参照

EnableTransitions

ValidateSourceNames メソッド (AMTimeline オブジェクト)

AMTimeline オブジェクト

メディア ロケータを使用して、タイムライン内のソース名を検証する。オプションで、このメソッドは見つかったファイルのソース オブジェクトを更新する。

構文

object.ValidateSourceNames(
ValidateFlags As Long,
pOverride As MediaLocator,
NotifyEventHandle As LONG_PTR
)

パラメータ

object
結果が AMTimeline オブジェクトになるオブジェクト式。
ValidateFlags
メディア ロケータの動作を指定する、検証フラグ のビットごとの組み合わせ。SFN_VALIDATEF_REPLACE フラグと SFN_VALIDATEF_CHECK フラグは、必ず指定しなければならない。指定しないと、メソッドから E_INVALIDARG が返る。
pOverride
省略可能。デフォルトの代わりに使用する MediaLocator オブジェクト。デフォルトのメディア ロケータを使用するには、このパラメータの値を Nothing に設定する。
NotifyEventHandle
LONG_PTR タイプの変数。このパラメータは無視されるので、ゼロでかまわない。

エラー コード

メソッドでの処理が失敗するとエラーが発生し、Err.Number には次の値が設定される場合がある。

E_INVALIDARG無効な引数。