Platform SDK: DirectX

DirectDraw について

DirectDraw® は、DirectX® アプリケーション プログラミング インターフェイス (API) のコンポーネントであり、ディスプレイ メモリ、ハードウェア ブリット (ブロック転送)、ハードウェア オーバーレイのサポート、およびフリッピング サーフェスのサポートなどの直接操作を可能にする。DirectDraw は、既存の Microsoft® Windows® ベースのアプリケーションやデバイス ドライバとの互換性を維持しながら、これらの機能を提供する。

DirectDraw は、Windows グラフィックス デバイス インターフェイス (GDI) との互換性を維持しながらも、あくまでディスプレイ デバイスへの直接アクセスを提供するソフトウェア インターフェイスであり、グラフィックス用の上位レベルのアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) ではない。3 次元 (3D) のグラフィックス パッケージやデジタル ビデオ コーデックを利用したゲームや Windows サブシステムのソフトウェアに対して、デバイスに依存しない特定のディスプレイ デバイス機能へのアクセスを実現するものである。

DirectDraw は、さまざまなディスプレイ ハードウェアで動作する。その範囲は、単純な SVGA モニタから、クリッピング、伸縮、および非 RGB 色フォーマットをサポートする最新のハードウェアにまでいたる。DirectDraw のインターフェイスは、基礎となるハードウェアの能力を認識し、サポートされたすべてのハードウェア アクセラレーションを使うことができるように設計されている。ハードウェアが実装していない機能は、DirectX でエミュレートすることができる。

DirectDraw は、デバイスに依存したディスプレイ メモリへのアクセスを、デバイスに依存しない方法で提供する。DirectDraw がディスプレイ メモリを管理する。アプリケーションは、ハードウェア実装に関する標準的ないくつかの基本的デバイス従属性 (たとえば RGB、YUV のカラー フォーマット、ラスタ ライン間のピッチなど) を認識するだけでよい。ブリットを使用したり、パレット レジスタを操作するために、特別なプロシージャを呼び出す必要はない。DirectDraw を使うと、異なるタイプのディスプレイ ハードウェアが持つブリットや、カラー圧縮の復元能力をフルに引き出しながら、しかもハードウェアの特定の部分に依存することなく、ディスプレイ メモリを容易に操作することができる。

DirectDraw は、Windows 95 やそれ以降のバージョン、および Windows NT® 4.0や Windows 2000 が動作するコンピュータ上に、最上級のゲーム グラフィックスを提供する。