Platform SDK: DirectX

クリッパーとは?

クリッパーあるいは DirectDrawClipper オブジェクトにより、境界矩形またはいくつかの境界矩形のリストで示される、サーフェスの選択した部分をブリットすることができる (「クリップ リスト」を参照すること)。

クリッパーの一般的な使用は、スクリーンまたはウィンドウの境界を定義することである。たとえば、スプライトがスクリーンの縁から入ってくるような表示について考えてみる。スプライトがスクリーン上に突然現れるのではなく、滑らかに (縁から) 見えてくるようにする。クリッパー オブジェクトがないと、DirectDraw により全スプライトをブリットできない。これは、スプライトの一部が転送先サーフェスの外側に配置される場合があるためである。転送先サーフェス バッファへスプライトのピクセル値を連続してコピーすることは、間違った表示やメモリ アクセス障害の原因となることがある。クリップ リストとしてのスクリーン矩形があるクリッパーにより、DirectDraw はブリットを実行するようなストライプのトリム方法が分かり、可視部分だけがコピーされる。

次の図でこのタイプのクリッピングを示す。

また、クリッパー オブジェクトを使うと、転送先サーフェス内のある領域を書き込み可能として指定できる。DirectDraw は、指定したクリッピング矩形の外にあるピクセルを保護しながら、これらの領域のブリット処理をクリップする。

次の図でこのクリッパーの使用について示す。