Platform SDK: DirectX

ハードウェア アブストラクション レイヤ (HAL)

DirectDraw は、ハードウェア アブストラクション レイヤ (HAL) からデバイスの独立性を提供する。HAL は、デバイス メーカーから提供されるデバイス固有のインターフェイスで、DirectDraw はそれを使ってディスプレイ ハードウェアを直接動作させる。アプリケーションは、HAL とは決して相互作用しない。むしろ HAL の提供するインフラを使って、DirectDraw はアプリケーションがグラフィックスを表示するために使うインターフェイスやメソッドの一貫したセットを示す。デバイス メーカーは、Windows のもとでは 16 ビット コード、32 ビット コードの組み合わせで HAL を実装する。Windows NT/Windows 2000 のもとでは、HAL は常に 32 ビット コードで実装される。HAL は、ディスプレイ ドライバの一部であったり、ドライバ作成者の定義するプライベート インターフェイスからディスプレイ ドライバと通信する個別 DLL となることもできる。

DirectDraw HAL は、チップ メーカー、ボード製作者、または OEM 業者により実装される。HAL は、デバイス依存のコードを実装するだけで、エミュレーションは行わない。ある機能がハードウェアにより実行されないとしても、HAL はそれをハードウェア能力とみなして報告しない。さらに、HAL はパラメータを確認しないので、HAL が起動される前に DirectDraw がこのパラメータを確認する。