Platform SDK: DirectX

ステレオ ビューについて

ステレオ ビュー、あるいは立体表示では、わずかに異なる角度でとらえられた 2 つのシーン イメージを表示することにより、3D エフェクトを生成する。2D 表示でステレオ ビューを実現するには、左眼と右眼に別々のイメージを割り当てて処理する。ステレオ ビューを実現する最も一般的な方法は、左のイメージと右のイメージを多重化する方法である。この方法では、左のイメージと右のイメージを高速で交互に表示する。適切なエフェクトを生成するには、一方の眼のビューを表示している間は、もう一方の眼のビューを表示しないようにする。

ステレオ ビュー機能を利用するには、アプリケーションがステレオ ビューをサポートし、ハードウェアにステレオ データを送信できるアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) を使用しなければならない。DirectDraw では、2 つのサーフェスを1 つのステレオ ペアのイメージとして作成し、管理する。また、グラフィックス チップやグラフィックス カードのメーカーから、使用可能なハードウェアやステレオ対応ドライバが提供されていなければならない。ステレオ ディスプレイ メーカーの提供するステレオ ディスプレイ デバイスも必要である。

ステレオ ディスプレイ デバイスには、単純な赤と青の平面レンズ、液晶ディスプレイ (LCD) シャッター レンズ、および複雑な自動ステレオグラフィックス ディスプレイなど、さまざまな種類がある。必要なハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントはデバイスによって異なるので、単一のステレオ ビュー ソリューションをサポートするのは困難である。このため、DirectDraw では、ディスプレイ デバイス準拠のグラフィックス ディスプレイ ドライバを使ってステレオ ビューを実装しなければならない。

ステレオ ディスプレイ デバイスには、対応するグラフィックス カードが必要である。グラフィックス カードのドライバは、デバイス固有のメモリ レイアウトやスキャン条件を処理できなければならない。スキャン条件には、ディスプレイとの同期が含まれる。たとえば、シャッター レンズでは、左のシャッターが開いているときには左のイメージを、右のシャッターが開いているときには右のイメージを表示する。