第5章: ナインボール(9-ball)

 ナインボールは、今よりももっとビリヤードプレイヤーに人気があっていいはずのゲームです。このゲームは9つしかボールを使わないので時間をとりませんし、ルールも簡単で楽しいゲームです。エイトボール以外のビリヤードゲームに手を広げたければ、その手始めにナインボールは最適です。

 ナインボールでのプレイヤーの目標は9をポケットすることですが、少し難しくするために、最初にテーブル上の一番番号の小さい的球を狙って突かなければならないことになっています。ですからゲームに勝つためには、1から8までの的球をポケットした上で9をポケットするか、一番番号の小さい的球を狙って突き、その的球を使って9をポケットするかです。ナインボールは、難しい場面でのショットの技術を要求してきますから、あなたのお気に入りのゲームになるでしょう。あなたが映画ファンなら、”ハスラー2”のトム・クルーズのお気に入りのゲームということで、ナインボールを既に知っているでしょう。

 アルティメイトプールには、オープニングブレイクとファウルに関するルールを単純にしたハウスルールのナインボールと、ビリヤードプロ協会(Professional Billiard Tour Association)公認の公式トーナメントルールのナインボールの両方が含まれています。

ナインボール(ハウスルール)

ハウスルールでは1から9までの9つの的球と、手球を使います。プレイヤーの目標は、最初に9をファウルせずにポケットしてゲームに勝つことです。

 プレイヤーはコールショットをする必要はありませんが、手球が最初に接触するボールは、テーブル上で最も番号の小さいボールでなければなりません。プレイヤーのイニングは、自分の的球をポケットに入れ損ねるか、ファウルしたときに終了します(下のファウルの項を見て下さい)。

オープニングブレイク

 ハウスルールでのオープニングブレイクは、プリファレンスメニューで指定されたスターティングプレイヤーが行います。ブレイクショットはヘッドラインよりも手前から行わなければなりません。これ以外にオープニングブレイクの条件はありませんが、”紳士的なプレイ”という観点からは、これが強制されない場合にも同様にオープニングブレイクを行うことが要請されます。

 オープニングブレイクでは、プレイヤーは最初に1のボール(テーブル上で最も番号の小さい的球)に当てなくてはなりません。そうできなかったときもファウルにはなりませんが、プレイヤーはブレイクをやり直すことになります。

 プレイヤーがブレイクでスクラッチした場合はファウルとなり、通常のスクラッチのルールが適用されます(下のファウルの項を見て下さい)。

 プレイヤーがオープニングブレイクでファウルせずに9のボールをポケットした場合、そのプレイヤーが勝ちとなります。

適正なショット

 プレイヤーは常に、テーブル上で最も番号の小さい的球を最初に突かなければなりません。しかしその的球をポケットする必要はなく、他の的球をポケットするためにその的球を使ってもかまいません。

 プレイヤーが自分の的球をポケットできなかったとき、そのプレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。

ファウル

 プレイヤーが次に述べるような理由によりファウルとなったとき、そのプレイヤーのイニングは終了し、ファウルの間にポケットに入ったプレイヤー自身の的球はすべてスポットに置き直されます。ポケットに入ったその他の的球はそのままにされ、相手のプレイヤーのイニングとなります。

 スクラッチ: プレイヤーは手球をポケットしてはいけません。スクラッチの後、相手のプレイヤーにボール・イン・ハンドが与えられます(注意:ボール・イン・ハンドとは、プレイヤーが手球をテーブルの上のどの場所にでも置いて良い、ということを意味します。ヘッドラインより手前に限りません)。

 適正なショットに失敗したとき: プレイヤーは”適正なショット”の項に述べられているようなショットを行わなくてはなりません。

スコアリング

 ナインボールのハウスルールではスコアはつけません。9をファウルせずにポケットしたプレイヤーが勝ちです。

ナインボール(トーナメントルール)

トーナメントルールでは1から9までの9つの的球と、手球を使います。プレイヤーの目標は、最初に9をファウルせずにポケットしてゲームに勝つことです。

 プレイヤーはコールショットをする必要はありませんが、手球が最初に接触するボールは、テーブル上で最も番号の小さいボールでなければなりません。プレイヤーのイニングは、自分の的球をポケットに入れ損ねるか、ファウルしたときに終了します(下のファウルの項を見て下さい)。

オープニングブレイク

 トーナメントルールでのオープニングブレイクは、プリファレンスメニューで指定されたスターティングプレイヤーが行います。ブレイクショットはヘッドラインよりも手前から行わなければならず、またブレイクはオープンブレイクでなければなりません。プレイヤーがオープンブレイクできなかったときはファウルとなり、次のプレイヤーがボール・イン・ハンドを得ます。

 オープニングブレイクでは、プレイヤーは最初に1のボール(テーブル上で最も番号の小さい的球)に当てなくてはなりません。そうできなかったときもファウルにはなりませんが、プレイヤーはブレイクをやり直すことになります。

 プレイヤーがブレイクでスクラッチしたとき、そのプレイヤーのイニングは終了します。ブレイクでポケットされた的球はすべてスポットに置き直され、次のプレイヤーにヘッド線より手前でのボール・イン・ハンドが与えられます。このとき1のボールがヘッドラインより手前にあれば、フットスポットに置き直されます。次のプレイヤーはそのままの状態で手球を突くか、パスして前のプレイヤーに続けて突かせることができます。

 プレイヤーがオープニングブレイクでファウルせずに9をポケットした場合、そのプレイヤーが勝ちとなります。

適正なショット

 プレイヤーは常に、テーブル上で最も番号の小さい的球を最初に突かなければなりません。しかしその的球をポケットする必要はなく、他の的球をポケットするためにその的球を使ってもかまいません。

 ショットが適正であるには、プレイヤーは的球をポケットするか、手球が的球に当たった後に手球、またはいずれかの的球がクッションに接触しなければなりません。

 プレイヤーが自分の的球をポケットできなかったとき、そのプレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。

プッシュアウト

 プッシュアウトは、トーナメントルールのナインボールに特有の、オープニングショットに引き続くショットでのプレイです。プレイヤーは、テーブル上で最も番号の小さい的球を狙うのに手球が突きにくい位置にあれば、手球を置き直して突くことができます。プッシュアウトした後、そのプレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。プッシュアウトの際、手球が的球やクッションに接触する必要はありませんが、その他のファウルのルールは適用されます。

 適正なオープニングブレイクの後、プレイヤーはプッシュアウトするかどうか決めなくてはなりません。プッシュアウトするか、そのまま普通にそのイニングを続けるかを選択することができます。プッシュアウトが行われた場合、次のプレイヤーにはそのままの状態で手球を突くか、パスして(プッシュアウトした)前のプレイヤーに続けて突かせるかの選択が与えられます。

 つまり、手球を置き直すことが有利につながらなければ、自分のイニングをパスして相手に戻し、相手にその場所から突かせることができます。

ファウル

 プレイヤーが次に述べるような理由によりファウルとなったとき、そのプレイヤーのイニングは終了し、ファウルの間にポケットに入ったプレイヤー自身の的球はすべてスポットに置き直されます。ポケットに入ったその他の的球はそのままで相手のイニングとなり、相手にボール・イン・ハンドが与えられます(注意:ボール・イン・ハンドとは、プレイヤーが手球をテーブルの上のどの場所にでも置いて良い、ということを意味します。ヘッドラインより手前に限りません)。

 スクラッチ: プレイヤーは手球をポケットしてはいけません。

 適正なショットに失敗したとき: プレイヤーは”適正なショット”の項に述べられているようなショットを行わなくてはなりません。

負けの場合

 3回続けてファウルしたプレイヤーは、負けとなります。プレイヤーは自分のイニングにはいるとき、前のイニングまでに犯したファウルの数を告げられます。

 一度ファウルでないショットをすれば、ファウルのカウントは0になります。従って、さらに3回続けてファウルしなければゲームを失うことにはなりません。

スコアリング

 ナインボールのトーナメントルールではスコアはつけません。9をファウルせずにポケットしたプレイヤーが勝ちです。

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