第6章:14.1コンティニュアス(14.1 continuous)

 14.1コンティニュアスは最もビリヤードの技術を要するゲームだとよく言われますが、このゲームは年季の入ったプレイヤーにとっても初心者にとっても同様に、非常に挑戦的なゲームです。もしあなたが上手なプレイヤーで、既に攻撃的にも守備的にもゲーム運びができるのでしたら、14.1コンティニュアスはあなたの技術を磨くことができる楽しいゲームだということがおわかりになるでしょう。またあなたが初心者なら、14.1コンティニュアスはコールショットのやり方を学ぶことのできる優れたゲームであり、あなたのビリヤードゲームでのプレイを全般的に改善してくれるでしょう。あなたが古い映画のファンなら、”ハスラー”でポール・ニューマンがプレイしていたのがこのゲーム(ストレイトプールともいいます)だということに興味を覚えるかもしれません。

 14.1コンティニュアスでは通常の15個のストライプとソリッドのボールを使いますが、ボールのセット(エイトボールでのような)というものはありません。そして、テーブル上のどの的球でも突くことができます。ショットの前には必ず、どの的球をどのポケットに落とすのかをコールしなければなりません。ゲーム中、ポケットしたボールはすべて1ポイントとカウントされます。ゲームの目標は、あらかじめ決められたポイント(ハウスルールでは50ポイント、トーナメントルールでは150ポイント)を達成することです。最初に、決められたポイントを上げたプレイヤーが勝ちとなります。

 テーブルの上には15個しか的球がないのに、どうやって150ポイントものスコアを上げられるのだろうと不思議に思うかもしれませんが、答えはゲームの名前にあります。1つを残して他の14個の的球がすべてポケットされたらゲームを一時中断し、ポケットされた14個の的球をもう一度ラックで並べてからゲームを再開します。プレイヤーのイニングは的球を並べ直すときも継続しており、ゲームはどちらかのプレイヤーが決められたポイント(50または150)を上げるまで続きます。ゲームはかなり長くかかり、多大な集中力、正確さ、ショットの技術、知識と忍耐が要求されます。ですから14.1コンティニュアスが究極のビリヤードゲームと考えられているのも不思議ではありません。

14.1コンティニュアス(ハウスルール)

14.1コンティニュアスのハウスルールでは、1から15までの15個の的球と手球を使用します。それぞれのプレイヤーの目標は50ポイントを得るために、ファウルせずに50個の的球をポケットすることです。最初に50ポイントを上げたプレイヤーが勝ちとなります。

 プレイヤーはコールショットをしなければなりません。プレイヤーのイニングは、自分の的球をポケットに入れ損ねるか、ファウルしたときに終了します(下のファウルの項を見て下さい)。

オープニングブレイク

 ハウスルールでのオープニングブレイクは、プリファレンスメニューで指定されたスターティングプレイヤーが行います。ブレイクショットはヘッドラインよりも手前から行わなければなりません。プレイヤーはブレイクに際してコールショットを行い、コールした的球を指名したポケットに入れようとしなければなりません。そういうわけで厳格に規定されているわけではありませんが、オープンまたはセミオープンのブレイクが期待されます。

 プレイヤーがオープニングブレイクでコールした的球をファウルせずにポケットすると、そのプレイヤーのイニングが続きます。このとき、コールした的球と一緒に他の的球がポケットされてもプレイヤーのポイントとしてカウントされます。

 プレイヤーがブレイクで自分のコールした的球をポケットできなかったとき、そのプレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。他の的球がポケットしていたときは、それらは不正にポケットされたものとしてスポットに置き直されます。

 プレイヤーがブレイクでスクラッチした場合はファウルとなり、通常のスクラッチのルールが適用されます(下のファウルの項を見て下さい)。

適正なショット

 プレイヤーはテーブル上のどの的球でも突くことができますが、ショットの前には必ずコールしなければなりません。プレイヤーがコールした的球をファウルせずにポケットすると、そのプレイヤーのイニングが続きます。コールした的球がポケットされたとき、他にもポケットされた的球があれば、その的球もプレイヤーのポイントとしてカウントされます。

 プレイヤーが自分のコールした的球をポケットできなかったときに他の的球がポケットしていれば、それらはスポットに置き直されます。プレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。

ファウル

 プレイヤーが次に述べるような理由によりファウルとなったとき、そのプレイヤーのイニングは終了します。ファウルの間にポケットされた的球はすべてスポットに置き直され、相手のプレイヤーのイニングとなります。

 スクラッチ: プレイヤーは手球をポケットしてはいけません。スクラッチの後、相手のプレイヤーにヘッド線より手前でのボール・イン・ハンドが与えられます。

 ヘッドラインより手前からの不正なショット: プレイヤーにヘッドラインより手前でのボール・イン・ハンド(ボール・イン・キッチン)が与えられているとき、最初にキッチンから手球を突き出さないかぎり、キッチンの中の的球にショットすることはできません。手球がクッションに当たり、跳ね返ってきてキッチンの中の的球に当たるようなショットは適正です。注意: プレイヤーは、キッチンの中になければどんな的球にでも、ルールに則ってショットすることができます。

 適正なショットに失敗したとき: プレイヤーは”適正なショット”の項に述べられているようなショットを行わなくてはなりません。

スコアリング

 14.1コンティニュアスのハウスルールでは、ファウルせずにポケットされた的球は1ポイントとカウントされます。不正にポケットされた的球は置き直され、ポイントとしてカウントされません。最初に50ポイントに到達したプレイヤーが勝ちとなります。

14.1コンティニュアス(トーナメントルール)

14.1コンティニュアスのトーナメントルールでは、1から15までの15個の的球と手球を使用します。それぞれのプレイヤーの目標は150ポイントを得るために、ファウルせずに150個の的球をポケットすることです。最初に150ポイントを上げたプレイヤーが勝ちとなります。

 プレイヤーはコールショットをしなければなりません。プレイヤーのイニングは、自分の的球をポケットに入れ損ねるか、ファウルしたときに終了します(下のファウルの項を見て下さい)。

オープニングブレイク

 トーナメントルールでのオープニングブレイクは、プリファレンスメニューで指定されたスターティングプレイヤーが行います。ブレイクショットはヘッドラインよりも手前から行わなければなりません。プレイヤーはブレイクに際してコールショットを行うか、セーフティを宣言しなければなりません。コールした的球をポケットしない場合には、プレイヤーは手球を的球に当てた後、手球と的球2つをクッションに接触させなくてはなりません。上に述べたような適正なブレイクができなかったときは、ブレイク違反としてプレイヤーに2ポイントのペナルティが課せられます。

 ブレイク違反の後、相手のプレイヤーには、そのままの状態でショットを行うか、スターティングプレイヤーにブレイクをやり直すように要求するかの選択が与えられます。相手のプレイヤーは、スターティングプレイヤーが適正なブレイクを行うまで、スターティングプレイヤーにブレイクをやり直しつづけるように要求することができます。スターティングプレイヤーはブレイク違反をするたびに2ポイントのペナルティを課せられますが、ブレイク違反は3連続ファウルルール(連続ファウルの項で説明されます)でのファウルには数えられません。

 プレイヤーがオープニングブレイクでコールした的球をファウルせずにポケットすると、そのプレイヤーのイニングが続きます。このとき、コールした的球と一緒に他の的球がポケットされてもプレイヤーのポイントとしてカウントされます。

 プレイヤーがブレイクで自分のコールした的球をポケットできなかったとき、そのプレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。他の的球がポケットしていたときは、それらは不正にポケットされたものとしてスポットに置き直されます。

 プレイヤーがブレイクでスクラッチした場合はファウルとなり、1ポイントのペナルティが課せられます。相手のプレイヤーにはヘッドラインより手前でのボール・イン・ハンドが与えられます。

適正なショット

 プレイヤーはテーブル上のどの的球でも突くことができますが、ショットの前には必ずコールしなければなりません。ショットが適正であるためには、プレイヤーは的球をポケットするか、手球を的球に当てた後、手球またはいずれかの的球をクッションに接触させなくてはなりません。

 プレイヤーがコールした的球をファウルせずにポケットすると、そのプレイヤーのイニングが続きます。コールした的球がポケットされたとき、他にもポケットされた的球があれば、その的球もプレイヤーのポイントとしてカウントされます。

 プレイヤーが自分のコールした的球をポケットできなかったときに他の的球がポケットしていれば、それらはスポットに置き直されます。プレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。

セーフティ・プレイ

 14.1コンティニュアスのトーナメントルールでは、セーフティ・プレイが許されています。プレイヤーはセーフティ・プレイを行うことによって、ファウルのペナルティを課せられることなしに自分のイニングを終了できます。セーフティ・プレイは、”適正なショット”の項で定められているようなショットでなくてはなりません。セーフティ・プレイの後、そのプレイヤーのイニングは終了し、相手のプレイヤーのイニングとなります。セーフティ・プレイを行ったとき、ポケットされた的球はスポットに置き直されます。

アルティメイトプールでセーフティ・プレイを宣言するときには、セーフティショットを行う前にヘッドレールの所にある、真鍮の"Quarter Note Software"の飾り板をクリックします。クリックした後に気が変わり、ふつうのショットをすることにしたときには、単に的球とポケットをクリックします。

ファウル

 プレイヤーが次に述べるような理由によりファウルとなったとき、そのプレイヤーのイニングは終了します。ファウルの間にポケットされた的球はすべてスポットに置き直され、プレイヤーに1ポイントのペナルティが課せられて、相手のプレイヤーのイニングとなります。

 スクラッチ: プレイヤーは手球をポケットしてはいけません。スクラッチの後、相手のプレイヤーにはヘッドラインより手前でのボール・イン・ハンドが与えられます。

 ヘッドラインより手前からの不正なショット: プレイヤーにヘッドラインより手前でのボール・イン・ハンド(ボール・イン・キッチン)が与えられているとき、最初にキッチンから手球を突き出さないかぎり、キッチンの中の的球にショットすることはできません。手球がクッションに当たり、跳ね返ってきてキッチンの中の的球に当たるようなショットは適正です。しかしすべての的球がヘッドラインよりも手前にある時(ボール・イン・キッチン)は、プレイヤーはヘッドラインに一番近い所にある的球をフットスポットに置きなおして、普通にショットを続けることができます。

 適正なショットに失敗したとき: プレイヤーは”適正なショット”の項に述べられているようなショットを行わなくてはなりません。

連続ファウル

 上に述べたように、プレイヤーがファウルしたときには1ポイントのペナルティが課せられますが、これとは別に”ファウル中”の状態になります。プレイヤーは自分のイニングにはいるとき、前のイニングまでに犯したファウルの数を告げられます。プレイヤーが3回連続してファウルすると、連続ファウルのペナルティが課せられます。このペナルティは厳しいもので、30ポイント(勝つために必要なポイントの20%)がプレイヤーのスコアから減点されます。連続ファウルのペナルティにより、プレイヤーのスコアはしばしばマイナスになります。

 連続ファウルのペナルティが課せられればプレイヤーのファウルのカウントは0となり、そのプレイヤーがオープニングブレイクをします。ペナルティを課せられずにファウルカウントを0に戻すには、プレイヤーはファウルせずに的球をポケットするか、(上に述べた)セーフティを行います。ファウルカウントが0に戻れば、さらに3回続けてファウルしなければペナルティを課せられることにはなりません。

スコアリング

 14.1コンティニュアスのトーナメントルールでは、ファウルせずにポケットされた的球は1ポイントとカウントされます。不正にポケットされた的球は置き直され、ポイントとしてカウントされません。ブレイク違反やファウル、連続ファウルによりプレイヤーのスコアからポイントが減ることになるので、プレイヤーのスコアはマイナスになることがあります。

 ゲームに勝つには、プレイヤーは150ポイントを上げなければなりません。最初に150ポイントを上げたプレイヤーが勝ちとなります。

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