その他のツールの活用


目次

・メールツールの活用
・ニュースツールの活用
・TELNET の活用
・最後に




■ ■ メールツールの活用 ■  インターネットでは電子メールを送受信する事ができます。インターネット上 にアドレスを持っている相手はもちろんの事、いわゆるパソコン通信ネットでも インターネットに接続されていればメールの送受信が可能です(例:NiftyServe)。 インターネットにメールを送信するには msmtp.x を、受信するには mpop.x を使用します。postmail.x、getmail.x を使用する方法もありますが、今回は機 能の充実した msmtp.x と mpop.x を使用します。 注意しなければならない事は、インターネット上で流通しているメールは文字 コードがJISコードで、 X68000 で日常的に使用されているシフトJIS(以 下SJIS)とは異なるという点です。そのため、メールを送受信するには ・送信 1)用意したメール(SJIS)をJISに変換する 2)ドメイン名、メールサーバー、メールアドレスを指定し、msmtp.x   でメールを出す ・受信 1)メールサーバー、メールアカウント、メールパスワードを指定し、   mpop.x でメールを受信する 2)JISのメールをSJISに変換する といった作業が必要となります。また、メールのタイトル部分(Subject: で指 定してある部分)は漢字の使えないサーバーを考慮してJISでもSJISでも ない「MIME エンコード」という方式を用いて漢字を英数字で表現しています。 smime.x はJIS→SJIS変換機能だけでなく MIME エンコード復元機能を備 えているため、これを用いることによりタイトル部分も含めてSJISに変換す る事が可能です。  今回はメール送受信を簡略化するために msmtp.x 、mpop.x の作者の小笠原博 之さんの作成されたバッチファイル send.bat 、recv.bat を収録してあります (掲載にあたり若干手を加えてあります)。これを用いれば以下の手順でメール の送受信が行えます。 ・送信 1)テキストエディタでメールを書く(文字コードはSJIS)。 2)インターネットに接続する。先ほどと同じように"インターネットA" "インター   ネットB" ディスクで起動すれば良いでしょう。Lynx を終了しても回   線は切らないため、メールの送受信が行える状態になっています。 3)send.bat を実行する。 send.bat <送り先のメールアドレス> <メールファイル名>   メールファイル名は先ほど作ったファイルです。send.bat では   ack.x を呼び出してSJIS→JIS変換を行っています。 ・受信 1)インターネットに接続する。先ほどと同じように"インターネットA" "インター   ネットB" ディスクで起動すれば良いでしょう。Lynx を終了しても回   線は切らないため、メールの送受信が行える状態になっています。 2)recv.bat を実行する(オプション不要)。   すると B:\ ( LYNX_SAVE_SPACE で指定したディレクトリ)に届い   たメールがセーブされます。メールはJISのままセーブしていま   す。これを見たい時は smime <受信したメールファイル名> (タイトル部も含めて変換) ack -s <受信したメールファイル名> (単純にSJISに変換)   とすればSJISに変換されて出力されます。なお、半角カナ文字   (コウイウモジ)は正常に送受信できないことがあるようです。
■ ■ ニュースツールの活用 ■  インターネットにはネットニュースというパソコン通信で言うBBSのような 掲示板システムが存在します。ネットニュースはジャンルごとに多種多用なもの があり、これらをニュースグループと呼びます。  mnntp.x を使用すればこれらのニュースを見る事が可能です。readnews.bat を実行すれば(オプション不要)読み出ししたニュースをディスクにセーブする 事が可能です。読みたいニュースグループは newsgroups ファイルに記述します。 現在の設定では fj.sys.x68000 が登録されています。
■ ■ TELNET の活用 ■ TCPPACK に収録の telnet.x 及び小笠原氏の mtelnet.x (Ko-Window 用)を 使用するとネットワークの向こう側にあるホストにリモートログインする事がで きます。使用感としては遠くのホストを自分のマシンのコマンドシェルで操作す るようなものになります。更に mtelnet では vt100 系エスケープシーケンスを サポートしているためスクリーンエディタ(テキストエディタ)等のアプリケー ションが動作します。実際の使用法については telnet/mtelnet のマニュアルを 御覧下さい。 Ko-Window とインターネット環境(具体的には xip.x )を併用する時に注意 する点としては、xip.x に -t -1 オプションを指定する必要があると言うこと です。 例) xip.x -t -1 これは API (Application Programming Interface) に trap を使用しないと いうものです(trap は Ko-Window でも使用しているため、xip.x で trap を使 用すると wsrv.x(Ko-Window ウインドウサーバー)が正常に動作できません)。 そこで -t -1 を指定(trap を使用しない)することで Ko-Window との併用を 可能とします。 なお、いわゆる商用プロバイダーではセキュリティの問題からか telnet ログ インが可能な所は少ないようです。
■ ■ 最後に ■  さて、インターネットはいかがだったでしょうか? X68000+モデムというパ ソコン通信並の設備で、パソコン通信とは一味違った世界が体験できた事と思い ます。これをバネにあなたの X68000 ライフがより豊かなものになりましたら編 集者名利に尽きるというものです。  それではインターネットをお楽しみ下さい。 参考文献)  IIJ4U公式スターターキットウインドウズ95版 株式会社インプレス 1997年1月12日発行 1200円  OpenDesign No.3 イーサネットとTCP/IP(CQ出版)  OpenDesign No.4 UNIXネットワーキング実践編(CQ出版) RFC1945 Hypertext Transfer Protocol -- HTTP/1.0. T. Berners-Lee, R. Fielding & H. Frystyk. May 1996. RFC2068 Hypertext Transfer Protocol -- HTTP/1.1. R. Fielding, J. Gettys, J. Mogul, H. Frystyk, T. Berners-Lee. January 1997. RFC2396 Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntax. T. Berners-Lee, R. Fielding, L. Masinter. August 1998. (EOF)