まとめて編集部よりのコメントコーナー





★(水)の部  6:00  しかしまたえらく難しそうな曲ですね。正直、この曲を通して打ち込むこと、 データを完成させること自体が脱帽モノって気がします。  前回オジー・オズボーンとはまた違うギター音、なんかラジオ風のセッティン グですね。曲によって音色が違うのが芸コマというか、こだわりが感じられて良 いと思います。あとはオジーの時にも書いたメロディ表現に力を入れて、ドラム のベタ打ちっぽさが消えればOKでしょう。ハイハットのアクセントに注意しな がら、ステップやベロシティを散らして人間ノリに挑戦してみてください。  北浦さん  まずは5年ぶりにお帰りなさいませ。ギリギリ間に合いましたよ。  作詞もできるとは本当にうらやましいです。僕なんか曲名さえつけられません から。  作品についてですが、不思議なハーモニー感覚を持った曲です。「歌詞トモ」 な辺り、曲への愛というか、世界が感じられて、これはこれで良いものだと思い ます。というわけですのでデータについてのコメントを少々。  「夢時間」について、ベースが高いので1オクターブ下げた方がいいでしょう。 それと、ここはふつーに太い音色を使うべきだと思います。重心が高くてサウン ドが安定していない気がしました。  あと、ちょっと気になったのが、2曲に共通して使われている16分のフレーズ。 「夢時間」イントロの左右の音と「手紙」のギターアルペジオがそうです。鳴りっ ぱなしだと疲れるので、引き際というか、休符の使い方を研究されることをおす すめします。フレーズ自体のリズムも含めて、何事もチェンジオブペースという ことで。ちょっと辛口になりましたが。  未来予想図II  相変わらずハンパじゃない完成度です。ノーマルXGでよくここまで、と驚く しかないです。muteさんのデータの凄さはやはり音の厚みにあると思います。 これはただポリ数まかせに音を重ねるという意味ではなく、音色同士をどう組み 合わせたらどんな音になるか、アンサンブルを熟知しているというか、そんな感 じでしょうか。パッドやストリングスの垂れ流しではこうは行きません。皆さん もこれを念頭にもう一度muteさん作品を聴き直してみることをすすめます(イヤ なこと言うようですが、FM8音ばかり使っていると、こういうものはおそらく身 につきません)。  ひとつだけ言わせてもらえば、ボーカルですか。サックスを使う以上、やはり 耳はサックスの奏法を求めてしまいます。サックスで派手なベンドを使うとどう してもウソくさくなります。短い装飾音符も「@B-1366,0d16&@B0d4」だけでなく、 c16u-20d4などとしてみるとか、ベンドダウンの代わりにスケールで降りていく とか、そういう方面に手を出してみるのはいかがでしょうか。まあサックスの宿 命みたいなもんで、凝り出すとサブトーンだアンブシュアなどと、DTMでは無 理な事も出てきてキリがないですが。  しかしWin上だけでZmusicが使えるとは、時代は変わりましたなあ。ZMC3もヨ ダレもののコマンドが揃っていて良さそうですね。 ━ ★(あ)の部  大英断?! だっただろうか。5分オーバーのJASRAC管理曲をそのまま 2曲も載せた、というのは、月刊では初めてであり、これが最初で最後でしょう。 147号では、もちろん、JASRAC曲が10曲投稿されようが、一定以上の 水準のものはみな載せたいと思っています。が、できれば5分にまとめた曲をに したいところではあります。遠慮なく投稿して下さい。 「夢時間」「手紙」  さて、今月は、計らずも「音楽特集」というくらいのボリュームの投稿が溜ま りまして、一気に掲載の音楽特集(インターネット特集が第1特集だから、第2 特集だ)号、という事になりました。FMのオリジナル曲の北浦さんの曲は、も う1曲あるのですが、別れの曲ということもあり、こちらは147号で紹介する ことにしました。  詞が最初からついた曲というのは、舩本君などにしてみれば喉から手が出るほ ど欲しがったような気がしますが、ずっと北浦さんがパソコンから離れていたと いう事もあって、激電などにも引っかからず、なんというか、残念です。  さて、この2曲に関しては、ヒネリすぎというか常套される進行ではない(と いうか跳躍しすぎて覚えられない)ので、歌う際に歌い手が次の音程はなんだっ たか、わかりにくいと感じました。意図的にずらしているようなフシがあります が、「夢時間」についていえば、多用する事でことで、歌としては覚えにくくなっ てしまい印象に残らないメロディになってしまっているようにも思えました。た だ、作詞と作曲の両方を完成させるだけの力量はあるのですから、これからも色 々な人の感想を聞きながら作るとよいと思います。やはり「歌」は音域的に無理 なく歌えるものの方がいいと思います。詞の方は、安心して歌えるし情感の込め やすい、オーソドックスな散文詩なだけに、曲の方を、上述したような方向性で 作り込んでみる事をおすすめします。次号予定の「さよなら言わないで」の方は、 あまり奇をてらった感じがなく、曲の方も印象に残りやすかったです。 「6:00」  Fussyさんの「6:00」はドリームシアターの曲ですが、ながらくお待たせ いたしました、という感じでしょうか。激電などでも、ドリームシアターの曲が ありましたね(同じ方です)。どうしても原曲通りにやろうとすると、この曲の ように必然的に長くなってしまう曲は、実際にはこれまでも掲載は敬遠されがち でした。が、この際もうあと2回なのだし、投稿いただいている全部とはいわな いまでも、載せなきゃうそだろう、ということで(この前のオズボーンのと同時 期に数本長編のドリームシアターの曲を投稿してもらっていました)、で、今回 は「6:00」を掲載です。  やはりギターが特筆ですが、それ以外でも88proの良い音のふんだんに使い、 聞き易くもありました。できれば、これまで掲載していない曲も、5分につめて もらえると、147号でも、1曲くらいは紹介できるのですが…。 「未来予想図II」  久方ぶりに、muteさんのパワーのあるMIDIデータがやってまいりました(といっ ても7分オーバーですし、実は2月に投稿されたデータです)。ピアニシモから、 フォルテシモまで、非常にダイナミックレンジの広い演奏データなので16ビッ トに収めるのが一苦労でした。微妙に調整しつつも、これでもかなり低域を削っ た上にコンプで潰してありますので、CDで聞いた感じがどうかな、というとこ ろなのですが、でかい音はかなりでかいと思いますので、ボリュームには気を付 けて聴いて下さい。  さて、データの方は、後ろの小さい音も細かく多用しており、芸達者というか 耳がいいというか羨ましい限りです。最後のフェードアウトまで気を抜かずに耳 コピっています。全体的によいので私としては何もいうことはありませんが、バッ クコーラスの音の使い方が、音色も絶妙で位置もバランスもよく、サビのハモリ で思わず感情移入してしまいました。  次回作も期待しています。って、次号で終わりじゃんという突っ込みは置いて おきましょう。楽しみです。 「閑話休題」  そういえば、JASRACがネットで配信する曲データへの課金料率に関して NMRC暫定合意期間を9月まで延長したようです。しかし、やはり10%+基本 使用料というのは、使用料としては高すぎる気がしているのですが、どうでしょ うね。JASRAC側の言い分としては、噛み砕いて言えば、ネットワーク配信 に正当な課金を課すのは重要だが、実際の配信事業は「まだ軌道に乗っていない」 という事で、事業の現状に配慮する、ということらしいのですが、うちなんか、 CD−ROMの場合、5分の曲で、1曲1部につき約20円払ってますが、売価 でなく、原価から見たらこれでも大変なコストです。もっとも、曲データそのも のを販売物として申請しているワケではない、上記の料率計算ではなく、JAS RACの定める、1曲(時間は5分ごと)当たりの固定額に生産数を掛けたもの になっています。生産数が少ないうちは沢山載せても大した額になりませんが、 沢山生産しても、この部分に関しては、まったくコストが下がらないという構造 になってしまっています。  逆に、データそのものが販売物である場合、基本料つまり、イニシャルがかかっ ている分、そこを頭割りするために、配信数自体を多くすることで、多少ともコ ストは下がります。しかし、結局のところ、固定率でやっている部分については 料率の負担がどんどん大きくなり、コスト削減も頭打ちになってしまいます。こ ういうところは、経営を阻害する要因にしかならないし、「大量に配信すれば安 定経営ができる」構造がなければ、そもそも配信事業なんて成功しないし、結局 は著作権者にも身入りは少ない、という事になるのではないでしょうか。 (EOF)