ホームページを作るには


目次

・X680x0 とホームページ
・HTML ファイルの作成
・ファイル名問題
・リンクチェック
・アップロード
・最後に




■ ■ X680x0 とホームページ ■ これまでの解説では X680x0 を用いてインターネット上のファイルを閲覧/ダ ウンロードする方法について説明してきました。情報を受信するだけというイン ターネットとの付き合い方も否定するものではありませんが、やはりここは自分 でホームページを作って公開したいものです。特に X680x0 ユーザーであれば、 自作のプログラムや、画像、音楽データ等をハードディスクに貯め込んでいる方 も多いのではないかと思います。そこでここでは X680x0 のみでホームページを 作成し、それを公開する方法について説明します。
■ ■ HTML ファイルの作成 ■ まずは HTML ファイルを作成します。他機種ではホームページ作成用に専用ソ フトがありますが、X680x0 では今のところ存在しないようですのでテキストエ ディタで作成します。テキストエディタで書く、というと難しそうですが DSHELL 用テキストを作成できるのであれば問題ないと思います。  HTML の書式については市販の書籍が数多く出版されているので割愛します。 文法的に厳密な HTML の書式について調べたい方には以下の書籍をお勧めします。 ・正しい HTML4.0+CSS1 リファレンス&作法/ビレッジセンター HTML&CSS 研究 チーム著(株式会社ビレッジセンター出版局)税別¥1200  ISBN4-89436-111-6 「本書は、W3Cが公布するHTML仕様書を参照して書き下ろした、正真正銘のリ ファレンスである」という後書きが全てを説明しています。やや難しいので初心 者向けの HTML 本とは言えないのですが、「HTML という言語のマニュアル」と 考えれば「正しい」文法を解説している本書は絶好の入門書です。
■ ■ ファイル名問題 ■ HTML ファイルのファイル名は大文字・小文字を区別します。具体例を挙げま すと、INDEX.HTM と index.htm は別のファイルとして扱われます。しかし Human68K では(標準状態では)これらを区別しません。そのため、index.htm をアップロードしたつもりが INDEX.HTM をアップロードしてしまい、ファイル が見つからないというエラーに悩まされる事があります。そのため、ファイル名 は小文字で統一しておいた方が良いでしょう(大文字で統一しない理由は後述)。 拡張子は一般的に .htm か .html を使用します。Human68K では拡張子は3文 字までとされているので .htm の方が無難でしょう。 HTTP サーバー(WWWサーバー)は拡張子を見てファイルの種類を推測します。 例えば .htm であれば HTML ファイル、.jpg であれば JPEG画像ファイル等々。 ここで問題なのは .HTM だと HTML ファイルだと認識しない可能性がある事です。 これは多くのサーバーで UNIX をOSとして使用している事に起因します。UNIX ではファイル名の大文字と小文字を区別するため、拡張子もそれに従います。そ のため .HTM はサーバーの知らない拡張子として処理されてしまうことがありま す。もちろんサーバーの設定を変更すれば .HTM も HTML ファイルとして認識さ せることは可能ですが、それはサーバー管理者任せです。ここでは拡張子は小文 字にすることで対処することにします。 拡張子で困る事と言えば単なるテキストファイルということで拡張子 .doc を 使用するとこれをマイクロソフトワードのファイルと認識してしまうことです。 これは同ソフトの出力するファイルが .doc(ワープロの出力ファイル、中身は バイナリデータ) であるため、多くのサーバーでもそのように処理するためで す。これも同様、サーバーの設定を変更するか、そうでなければ拡張子を .txt などにすることによって回避して下さい。  ファイル名の長さは8+3文字に治める必要はありません。
■ ■ リンクチェック ■ サーバーにアップする前にローカルディレクトリ、平たく言えば自分のハード ディスク上でリンクが正常に通っているかチェックします。WebXpression を使 うとリンク先が存在する場合リンクが黒で、そうでない場合は赤で表示されるの で一目瞭然です。  WebXpression index.htm 等として起動して下さい。この時、WebXpression.cnf の check-local-link 1 # HTML読み込み時にリンク先のローカルファイルが           # 存在するかどうかチェックする 0:しない [1]:する  は1にしておいて下さい。  また、checkhtm を使って  checkhtm index.htm とするとリンクをチェックしてリンク切れがある場合には checkhtm.err に出 力されます。エラー出力はタグファイル形式(HAS 等のエラー出力と同じ形式) なのでエラーのある行にカーソルを合わせ、[ESC]-[V] を入力するとその行へと ジャンプしてくれます。そしてエラーがなくなるまで以上の作業を繰り返します。
■ ■ アップロード ■ では早速ファイルをサーバーにアップロードします。アップロードには FTP を使用します。具体的に使用するプログラムは ftp.x もしくは ftpf.x ですが、 ここでは操作の簡単な ftpf.x を使用します。 まず lynx/WebXpression を実行するのと同じ手順でインターネットへ接続し ます。前述の起動ディスク/接続用バッチファイルで lynx/WebXpression を実 行した後、回線を切らずに ftpf.x を実行するのが最も簡単な手順です。 FTP でファイルをアップロードするためにはユーザー名とパスワードが必要で す。これらはプロバイダーと契約した時に郵送されてくるか、もしくはオンライ ンで Web ブラウザから設定します。ここでは既にユーザー名とパスワードが判っ ているものとして話を進めます。 ftpf.x の実行する時にはオプションを設定する必要があります。予めユーザー 名とパスワードを -U/-P オプションで指定したバッチファイルを作っておくと 便利でしょう。但しこのバッチファイルにはパスワードが書かれているわけです から管理には十分気を付けて下さい。  さて、転送するファイルが R:/ にある場合、  ftpf -Uxxxx -Pxxxx www.foo.ne.jp R:/ のように実行します。あとはスペースキーでファイルをマークして [C] キー でコピーです。あ、今のところディレクトリごとのコピーができないのでディレ クトリは [SHIFT]+[M] で作成し、階層を降りてコピーして下さい。ftpf.x の詳 細についてはマニュアルをご覧下さい。 なお、ファイルを更新した場合は [W] キーでディレクトリ比較をすると便利 です。こうすると変更されていないファイルだけがマークされるので、[A] キー でマーク状態を反転すれば変更されたファイルだけをマークすることができます。 そこでそのまま [C] キーでコピーします。[W] キーの比較条件はファイル名と ファイルサイズだけでタイムスタンプは比較していないのですが、これは UNIX の「タイムスタンプを保存しない」仕様に合わせたものです。常にファイルをアッ プロードした時刻にタイムスタンプが合わせられるので比較しても意味がないた め、このようになっています。
■ ■ 最後に ■ 以上が X680x0 によるホームページの作成です。意外と簡単ではないでしょう か。筆者のホームページも X680x0 で作成しアップロードしているため、以上の 方法は実績のある方法です。ホームページは作成よりもむしろ更新の方が大変な のですが、それは本論から外れるためここでは触れません。 電脳倶楽部休刊にあたり、作成したものを発表する場がなく困っている方も多 いかもしれません。WWWはそんな方にお勧めしたい選択肢の一つです。この機 会にあなたもご自分のホームページを持ってみませんか? (EOF)