PPP driver "ppp.x" How-to-use manual

                                                        K.Shirakata


<はじめに>

 ここでは、Niftyserve(InfoWeb)のPPP接続サービスへ接続する場合を例として
 接続方法を示します。


<準備の準備>

・Human68KはV2.01以上である必要があります。V3.02でテストしています。

・config.sysにPROCESS行を指定して下さい。
 BGプロセスはinetd.xが2つ、ppp.xが1つ作りますので、最低でも

PROCESS = 4 10 50

 という指定になります。少々大目にしてもたいしてメモリを食わないので、

PROCESS = 16 10 50

 ぐらいに指定しておいた方がいいかもしれません。
 (足りなくなるとかなり厄介なことになりますし)

・ESP/Xシステムのインストール

 環境変数"SYSROOT"を適当なディレクトリに設定し、そこに"etc"というディレクトリ
 を作り、ESP/Xシステムのetcディレクトリの内容をコピーして下さい。
 (inetd.8と異なり、環境変数"SYSROOT"を指定しないと正しく動作しないようです)

 また、binディレクトリにあるプログラムをパスが通ったところにコピーして下さい。

 ESP/Xシステムに付属のドキュメントに従って、ファイル類の設定を行なって下さい。
 なお、ESP/Xシステム付属ドキュメントとこのドキュメントで違うことが書いてある場
 合はこちらを優先させて下さい。

・プロバイダの設定

 最後に、お使いになるプロバイダの「電話番号」「ID(アカウント)」
 「パスワード」「DNSアドレス」「ドメイン名」を確認しておいて下さい。
 プロバイダからの書類か何かに必ず記載されているはずです。
 Niftyserveの場合はDNSアドレスは"202.248.2.226"、ドメイン名は"infoweb.or.jp"で
 す。
 DNSアドレスは'.'で区切られた4つの数字、ドメイン名は'.'で区切られた文字列のは
 ずです。これらはあとの設定で用います。


<準備>

 以下の説明において、行頭が'#'で始まっているものはわからなければ無視して下
 さい。

 以下の作業を行なって下さい。
 ここでは、C:\SYSにデバイスドライバが、C:\BINにプログラムが入るものとします。

# もし違う場所にインストールしたい場合は、pppx.batの
# SET PPP=C:\BIN
# の指定をインストールしたい場所に変更し、以下の説明はそれぞれインストールした
# い場所に読み替えて下さい。

・PPPのインストール

 ppp.sysはC:\SYSに、ppp.x、pppx.bat、conf.pppはC:\BINにコピーして下さい。

・config.sysの修正

 config.sysに

DEVICE=C:\SYS\ppp.sys

 という一行を追加して下さい。

# adddrvでも構いません。

・conf.pppの修正

 C:\BIN\conf.pppをエディタで読み込みます。この中に、

        set authname youraccount

 という行があります。この"youraccount"の部分をあなたのID(アカウント)
 に書き換えて下さい。同様に

        set authkey yourpassword

 の"yourpassword"をあなたのパスワードに書き換えて下さい。


<起動>

 起動用バッチファイル"pppx.bat"を用意してありますので、

pppx[ret]

 で起動します。

# もし万が一モデム-X68K間のスピードが38400bps以下の場合は、起動後
# set speed 19200[ret]
# などとして設定して下さい。特殊なドライバや高速設定をする場合は
# set speed $a[ret]
# というように'$'+16進数1桁でも指定できます。この時の16進数はIOCSコール
# SET232Cのパラメータの下位4ビットとなります。詳しくはそれぞれのドライバ
# のドキュメントを参照して下さい。

 起動したら、

term[ret]

 とするとターミナルモードに入ります。まず、

at[ret]

 と入力してみて下さい。"OK"と返って来れば大丈夫です。
 もし返ってこない時はモデムをチェックして下さい。

 では、プロバイダに電話をかけます。

atd(プロバイダの電話番号)[ret]

 として下さい。

 ここからの対応はプロバイダによって違います。
 以下の説明のどこででも、"PPP process kept."という文字が表示されて
 コマンドラインに返ってくれば接続成功です。次の<DNSの設定>に進んで下さい。

・"CONNECT なんとかかんとか"すらも表示されない。

 モデム接続に失敗しています。モデムをチェックしてみて下さい。

・"CONNECT なんとかかんとか"は表示されたが、そこで何も起こらない。

 取り敢えず、[ret]を1回押してみて下さい。

・"login: "と表示された。

 あなたのIDを入力して下さい。そのあと"Password: "と表示されるでしょうから
 そこでパスワードを入力して下さい。

・[ret]を押したり、IDを入力したりしたがそこから何も起こらない。

 ~pと入力してみて下さい。

・~pと入力しても何も起こらない。

 接続に失敗しています。


<DNSの設定>

 ここまで来れば後はDNSの設定だけです。あらかじめ調べておいたDNSアドレスと
 ドメイン名を用いて、

inetdconf +dns (DNSアドレス) +domain (ドメイン名)[ret]

 とします。Niftyserve(InfoWeb)の場合は

inetdconf +dns 202.248.2.226 +domain infoweb.or.jp[ret]

 となります。

 エラーなく終了したなら、準備は完了です。好きなプログラムを起動して下さい。
 ここから先の使用法は各プログラムのマニュアルを参照して下さい。


<終了>

 PPPを常駐解除します。

ppp.x[ret]

 これにより、ppp.xは相手と終了のための処理を行なった後(若干時間がかかります)
 自動的に常駐解除します。process.xなどで確認して下さい。

 いつまでたっても常駐解除されない場合、あるいは強制終了したい場合はもう一度

ppp.x[ret]

 とすると強制的に常駐解除します。但し、この場合は相手との接続が完全に終了して
 いない可能性がありますので注意して下さい。

 ppp.xは自分で回線制御を行ないませんので、この後手動で回線を切るなりの処置をし
 て下さい。

 ESP/Xシステムは

inetd -r[ret]

 で常駐解除できます。


<メモリが少ない場合の常駐解除>

 メモリが少ない場合、常駐解除させるためのppp.xが起動できない場合があります。そ
 の時は付属のkill.xを使って下さい。
 process.x /bとしてPPPのスレッド番号を調べ、

kill.x スレッド番号[ret]

 でppp.xを起動したのと同じ効果が得られます。
 (もう一度実行すれば強制常駐解除します)