モバイル68で行こう!     つれづれの9(不定期掲載) 編集部:あいはら
<インターミッション、というより番外編、噂の真相なみなインタネ特集版>  唐突に東京めたりっく通信のADSLを申し込んでみたり、唐突に牛印の Athlon700MHzマシンを申し込んだりと、最近は、よく突飛な行動をとってしまう。  むろんの事、キャッシュで大きな買いものができるほど懐は暖かくないので、 カードでしかもリボ払いという、これから定職がなくなる身だというのに、後先 を考えておらず、まったく仕方のないヤツだなあ。え、満開の準禁治産者中村兄 キの事ではなく、私自身の事だ。最近は、よくネットで買い物をするようになっ たりしているしなあ…。さすがに、引き落としで困るほどは使っちゃいないが。  ADSLとは、通常のアナログ電話回線を利用したインターネット常時接続サ ービスで、一般電話加入者向けの契約でも、下りの速度がISDNの10倍(理 論値)という高速な環境を提供する、というふれこみのものだ。で、ここのとこ ろ東京、大阪、名古屋などで検証実験をかねた商用サービスが始まろうとしてお り、また長野県伊那市では有線放送用の回線を利用した実験サービスとして提供 されている。  DSLとは、Digital Subscriber Line の略で、対称型の場合 Symmetric でSDSL、非対称型による場合には、Asymmetric で、ADSLという。 DSL技術を使った伝送方式は、一般にxDSLと呼ばれている。 ADSLは、電話重畳線(電話も、通信も同時に使える)でも使えるもので、電 話の音声は、4KHz帯までを使用するが、音声に被らない周波数帯で同時使用を可 能とし、しかも広域利用することで、伝送速度を上げる、というのが基本的なア プローチであり、実用になる高速な変調/符合化の技術開発その他の技術開発に よって98年ごろから実用実験が行われるまでになった、というものである。S DSLの方は、上りも下りも等速であり、さらに使用帯域が広いため、電話非重 畳線(電話と同時使用不可の通信のみの回線)でないと使用できない。xDSL は総じて、同じメタル線を使用しながら、ISDNよりも広域帯を使い、かつ変 調・符合化が複雑な方式である。  また、エリアが超限定の上(東京めたりっく通信の場合、NTTの局から自宅 回線までが、2.5〜3Km以内の回線である事が必要で、現段階では超エリア限 定のサービスになっている)、ISDNで儲けて光ファイバに注ぎ込もうとして いるNTT(にしてみれば、あまりうれしくないサービスだろう、実際NTTの ADSL実験線では、もっと待たされるらしいし)なんか、しぶしぶ協力してい るようなフシもある。局内の施設に回線の工事が必要な上、結構NTT工事の段 階で待たされるというオマケ付きのサービスだ。これは、ISDNの回線が同じ ビルの配線中にあったりすると、クロストークを起こして伝送速度が落ちるとか いろいろ障害があったり、配線の検討などの手数がかかるため、ということだ。  東京めたりっく通信も、NTTに嫌われても業務上いろいろまずいだろうから、 資料を読む限り、限定サービスであるとか、光ケーブルが本命としている、等の 文章が読み取れるが、光ファイバー敷設が今後も高額であるならば、メタル回線 の生き残る道もまだあるだろうという、状況によっては破壊力の大きな、または こければ全損しそうな、かなり綱渡り的なサービスではある。  詳しくは来月書いてみようと思うが(なんせ、マスターアップの当日に、家庭 内工事があるという無謀なスケジュールだったりする)、ともかく、うまくいけ ばナローバンドな128kより心持ちブロードバンドっぽい速度で、なおかつ、月額 5500円(めたりっくの使用料)+800円(NTTの回線使用料)円+ 2300円(通常の電話回線の基本料)のみでできてしまうというかなり破格の インターネット「常時」接続が可能になる。ただ、個人向けのサービスだと、基 本的にはプライベートIPをDHCPで割り当てられるだけなので、ぶっちゃけた話、 NTT局内にあるLANにアナログのメタル電話回線で接続して、そのLANから外の インターネット回線に繋ぐという感覚のサービスだ。つまり、OCNエコノミー のように、グローバルIPが8つ貰えて、自前のサーバがおっ立てられるサービス より、はるかに柔軟性に欠けるサービスではある。しかし、サーバなんて、外に 置いた方がメンテもあまり気にする必要がなく、メールのみ、堅い大手サービス にしておけば、後は色々無料なサーバスペースなんて、いくらでも転がっている ご時勢なので、あまり困ることはないかもしれない。ただ、自分でゲーム用サー バを立ててみたい、とかネットワークゲームをしてみたいという向きには使えな いだろう。まあ、利用の仕方によって一概にはいえないのだが、常時接続したい けどOCNエコノミーでは高いなあ、IP接続サービスでは遅いなあ、と思って いる一般ピープルなWeb利用者には、結構渡りに船といったサービスに思える。  また、多少のグローバルIP割り当てサービスもあるようだが、なんだか、保有 IPが少ないらしく、個人向けのものはIP1つの割り当てしかオプションがなく、 さらにあっという間に売り切れてしまっているようだ(にも関わらず、グローバ ルIP申込みのメニューが削られていないのは、消費者を多少なめているフシがな いでもない)。高速回線を欲しがるようなヘビーなユーザーが集まりそうなサー ビスなのだから、ハナからそういう十分な用意もせずに加入者を募集をするのは、 いささか問題ありと取れなくもないのだが。  さて、ここまでは実際に使っての感想ではないので、来月この感想がどうかわっ ているかを期待していただきたい。  本当なら、モバイル68で行こうにふさわしく、ノートとPHSなんかでモバイ ルインターネット接続もしたいとも思うのだが、現状のサービスでは課金がうっ とうしくて使いたい気が起こらないというのが実感なのだ。なんせ、編集部も 128kbpsながら常時接続環境になってしばらく経つが、この定額制の「課金を気 にしなくてもイイ」という接続方法は今さらながら非常に快適である、と感じる。 色々な調べものがあったら、「まずもってWebサイトを検索」とか、結構大きい ソフトのダウンロードファイルなんかも、空いている時間にさえ気をつければ、 楽々ダウンロードできるし、いつ使っても、課金を一切気にしなくていい、とい う具合に、なにげない便利さと、豪快なトラフィックの使い方ができるようにな る、という良さ(悪さ)がある。メールのチェックも、ユーガットメールな感じ で、いちいちメールを取りに接続という、能動的な接続をしなくてよい。もちろ ん、こんな状況だと、みんなが常時接続するような時代になったら、いったいど れだけの回線増強をしなければならなくなるのか見当もつかないし、日頃から、 通信のパケットを減らす努力をしておくのが市民のマナーというものかも知れな いのだが、Winodwsだろうが、Linuxだろうが、マックだろうが、いずれのプラッ トフォームにおいても、バージョンアップしたツールやソフトウェア配布の際に は、やたらにでかいファイルの転送が発生してしまうのが避けられない状況になっ てしまっている。  巨大企業の側からしてそういう姿勢なので、もはや、個人のトラフィックの増 に警鐘をならすとかいうのは、あれこれの事由を列挙して云々したところで、使っ た者勝ちというか、使っても負けるかも、というか、使わないと最初から負け確 定といった、どうにもならないという状況の中では、馬の耳に念仏でしかないの かもしれない。  ということで、自宅でも常時接続環境を享受すべく、割となにも考えずに ADSLを申し込んでしまったわけだが、いつまでも現住所に在住するわけにも いかないので、モトは取れない可能性が高く、実は大いなる無駄なのではという 気もしないではない。せいぜい寝ずに活用する以外にあるまいか、というところ だが…。ところで、皆さんのところではCATVネットワークが使える所がある だろうか? ちなみに、私の実家は、バイパスを境に、サービスがないとかいう 状況らしく、なかなかギャフンという状態…。それにしても、さてさてPS2の ネットワークはどうなるのだろうか。 (EOF)