インストール編 目次 ・はじめに ・必要な機材 ・インターネットプロバイダーとの契約 ・インストール ・注意事項 ・ディスクの起動 ・ドライバの解除 ・トラブルシューティング ・ATコマンドの設定
■ ■ はじめに ■ 電脳倶楽部では最後のインターネット特集です。電脳倶楽部休刊ということも あり、他の X680x0 ユーザーと交流する機会が少なくなってしまうと途方に暮れ ている読者の方も多いのではないでしょうか。そこで今回の特集では X680x0 を インターネットに接続し、そのような状況を改善するのが今回の特集の目的です。 さて、今回はインターネットに接続するために必須となる TCP/IP ドライバ 「TCPPACK」「xip」、ダイヤルアップIP接続に必要なPPPドライバ「PPP」、 テキストベースのWebブラウザ「Lynx」他関連ツールを収録し、これらでWW Wによるインターネット上のホームページを閲覧する事を目標とします。Lynx は基本的にテキストベースではありますが、必要ならば GIFH や jpeged を呼び 出すことにより画像を表示する事が可能ですし、テキストベースであるぶん高速 である事も見逃せません。 更に今回は画像表示の可能なWebブラウザ「WebXpression」と自動巡回ツー ル「RoboGet」を掲載します。WebXpression はまだまだ発展途中であるものの、 マウス一つで楽々操作可能ですし、RoboGet を使えばホームページをまとめてダ ウンロードして電話回線を切った後、ゆっくりと閲覧することが可能です。 これらのソフトウェアを手動でインストールするためにはUNIXの知識、ネッ トワーク関連の知識が多少必要とされ、慣れていない方には接続どころかインス トールさえ困難でしょう。そこで今回は自動起動ディスクを作成し、フロッピー ディスクを挿して [OPT.1] キーを押しながら起動すればインターネットに接続 できるようにしました。 それでは早速これらをインストールしてみましょう、と行きたい所ですが、接 続のために必要な機材とインターネットプロバイダーとの契約について説明しま す。
■ ■ 必要な機材 ■ ・X680x0 本体(メモリ4M以上) ・モデム+ RS-232C ケーブル(14400bps 以上を推奨) X680x0 は全機種使用可能です。但しメモリは4M以上必要です。 モデムは RS-232C で接続できるタイプのものであれば構いません。モデムの パッケージに「D-SUB25ピン」と書いてあればまず間違いなく RS-232C 接続です。 そうでないモデムとしては「ISA バス接続」タイプがあります。これは剥き出し の基板を挿して使うタイプのもので、X680x0 では使用できません。現在市場に 出回っているモデムは「RS-232C 接続」と「ISA バス接続」の2種類がほとんど だと思われますので、そのうち「RS-232C 接続」タイプを選べば良いでしょう。 あとはモデムの説明書通りに電源と RS-232C ケーブルを接続します。
■ ■ インターネットプロバイダーとの契約 ■ 個人でインターネットに接続するためにはプロバイダーと契約する必要があり ます。「インターネットに接続」と言うのも抽象的な表現ですが、具体的には 1)X680x0 にモデムをつなげてプロバイダーに電話を掛ける 2)プロバイダーは接続アカウント、接続パスワードを確認したあと電 話回線経由でインターネットに接続する という事を行っています。そのため X680x0 とインターネットを接続するため にはプロバイダーと契約する必要があるのです。プロバイダーというのはとりあ えず「パソコン通信で言うホスト」みたいなものと考えておけば良いでしょう。 インターネットプロバイダーは色々ありますが、基本的にはどのプロバイダー でも構わないはずです。ですが編集部では全てのプロバイダーで接続を確認した わけではありませんので確実な接続を保証するものではありません。編集部で接 続を確認したプロバイダーは、 ・Nifty-Serve ・So-net です。今回はこれらのプロバイダーに接続する事とします。 プロバイダーへの加入方法は各プロバイダーによって異なりますが、書類を送っ て数日から数週間後にIDが使用可能になるという所がほとんどです。さて、契 約を行ったら規約や課金をチェックした後、以下の10項目をチェックして下さ い。 ・接続アカウント(ユーザー名/PPP ログイン名/ユーザーID) ・接続パスワード(PPP パスワード) ・電話番号 ・ドメインネーム(ドメイン名) ・ドメインネームサーバー(ネームサーバー/DNS サーバー) ・メールアカウント ┬メールを送受信する時のみ必要 ・メールパスワード │ ・メールアドレス │ ・メールサーバー ┘ ・ニュースサーバー ─ニュースを閲覧/投稿する時のみ必要 注:()内は別称です(プロバイダによって用語が違う事があ ります) 順番に説明しますと、 ・接続アカウント(例:CZX68060) いわゆるユーザーID。英数8文字程度の文字からなっています。 ・接続パスワード(例:HIMITU68) 接続する時に必要なパスワード。他人に知られないよう注意して下さ い。 ・電話番号(例:0339856110) プロバイダの電話番号。なお、電話を掛けてインターネットに接続す る事を「ダイアルアップIP接続」と言います。 ・ドメインネーム(例:mankai.co.jp) プロバイダのインターネット上での名称。国内のプロバイダは "xxxxx.ne.jp" というような名称が付いている事が多いようです。その 他、団体や大学等ではドメイン名"xxxxx.or.jp"や、 "xxxxx-u.ac.jp" 等がついています。 ・ドメインネームサーバー(例:202.32.119.00) ドメインネームを検索する時に接続するサーバー。"202.32.119.00" の様なピリオドで区切られた数値です。「プライマリー(第一の)ドメ インネームサーバー」「セカンダリー(第2の)ドメインネームサーバー」 のように複数のドメインネームサーバーを使用することがあります。 ・メールアカウント(例:denko-m) メールを出す時のユーザー名。アルファベット数文字からなっています。 ・メールパスワード(例:secret) メールを出す時に必要なパスワード。他人に知られないよう注意して下 さい。 ・メールアドレス(例:denko-m@mankai.co.jp) 自分のメールアドレス。他人からメールを受ける時に必要。 「メールアカウント@ドメインネーム」という形式が一般的です。 ・メールサーバー(例:mailgw.mankai.co.jp) メールを送受信する時に接続するサーバー名。 ・ニュースサーバー(例:news.mankai.co.jp) インターネットニュースを読む時に接続するサーバー名。 以上10項目をプロバイダから送られてきたマニュアルの中から捜し出して下さ い。きっとどこかに書いてあるはずです。この中にはパスワード等、他人に知られ ては困る物もあるのでこれらの扱いには十分注意して下さい。 これらを確認したら、いよいよディスクへのインストールです。
■ ■ インストール ■ 収録したソフトウェアはかなり巨大なため、運用するにはメモリが4Mバイト 以上必要です。足りない人は増設しましょう。 フロッピーベースで動作するシステムなのでハードディスクは必要ありません が、あるとより便利です。但しその場合は設定の変更が必要です。ではまず、 1)フロッピーで起動してフロッピーだけで運用する(完全なフロッピ ーベースでの運用) 2)フロッピーで起動してファイルのダウンロードはハードディスクに 行う(フロッピー+ハードディスクでの運用) について解説します。なお、2)の場合、フロッピーに対するアクセスは起動時 以外は少ないので問題なく運用できるでしょう。 ・自動起動ディスクの作成 先ほどのメニュー(この上の階層の「インターネット関連ディスクの作成」) を実行すると自動起動ディスクが作成されます。もう手元にありますね? この 結果、 インターネットA :インターネット自動起動ディスク インターネットB :テンポラリディスク の2枚のディスクが作成されたはずです。そのうち、インターネットA ディスクの以下 のファイルを書き換えて下さい。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= ▼\AUTOEXEC.BAT 18,19 行目:aaaaaaaaaaaaa の代わりにドメインネームサーバー名を書き込む 例)inetdconf +dns aaaaaaaaaaaaa ↓ inetdconf +dns 202.238.95.24 複数のドメインネームサーバーがある場合は 19 行の REM 分を外して そちらにも書き込む 例)REM inetdconf +dns aaaaaaaaaaaaa ↓ inetdconf +dns 202.238.95.26 20 行目:bbbbbbbb の代わりにドメインネームを書き込む 例)inetdconf +domain bbbbbbbb ↓ inetdconf +domain so-net.ne.jp ▼\SYS\conf.ppp 10 行目:sssss の代わりに DTE 速度を書き込む。DTE速度はモデムとパソコ ン間の速度で、機種にもよりますがモデムの速度の2倍程度の値を指 定する事ができます。速度には 4800/9600/19200/38400bps 等が指定で きます。 例)set speed sssss ↓(DTE 速度を 19200bps に設定する場合) set speed 19200 11 行目:お使いの回線がパルス回線なら ATDT を ATDP に書き換える。トー ン回線ならそのまま 例)set dial "ABORT (中略)ATM0 OK ATDT\\T TIMEOUT 50 CONNECT" ↓ ^ここを書き換える set dial "ABORT (中略)ATM0 OK ATDP\\T TIMEOUT 50 CONNECT" 13 行目:tttttttt の代わりに電話番号を書き込む 例)set phone tttttttt ↓ set phone 57934000 14 行目:xxxxxxxx の代わりに接続アカウント(ユーザーID)を書き込む set authname xxxxxxxx ↓ set authname denko@gc4 15 行目:yyyyyyyy の代わりにパスワードを書き込む set authkey yyyyyyyy ↓ set authkey himitsu ▼\BIN\send.bat 2 行目:bbbbbbbb の代わりにドメインネーム、mmmmmmmm の代わりにメールサ ーバーを、llllllll の代わりに自分のメールアドレスを書き込む 例)msmtp -t%1 -dbbbbbbbb -hmmmmmmmm -fllllllll mailtmp.tmp ↓ msmtp -t%1 -dmankai.co.jp -hmailgw.mankai.co.jp -fdenko@mankai.co.jp mailtmp.tmp ▼\BIN\recv.bat 1 行目:mmmmmmmm の代わりにメールサーバーを、kkkkkkkk の代わりにメール アカウントを、hhhhhhhh の代わりにメールパスワードを書き込む 例)mpop -hmmmmmmmm -ukkkkkkkk -phhhhhhhh -s%LYNX_SAVE_SPACE% ↓ mpop -hmailgw.mankai.co.jp -udenko -psecret -s%LYNX_SAVE_SPACE% ▼\BIN\readnews.bat 1 行目:nnnnnnnn の代わりにニュースサーバーを書き込む 例)mnntp -hnnnnnnnnnnnnnn -s%LYNX_SAVE_SPACE% ↓ mnntp -hnews.mankai.co.jp -s%LYNX_SAVE_SPACE% ダウンロード先をハードディスクにしたい場合、 ▼\AUTOEXEC.BAT 10 行目:B:\TEMP の代わりにハードディスク上のテンポラリディレクトリを指 定(Lynx用) 例) -------- set LYNX_TEMP_SPACE=B:\TEMP ↓(テンポラリが C:\WORK\TEMP の場合) set LYNX_TEMP_SPACE=C:\WORK\TEMP -------- 11 行目:B: の代わりにハードディスク上のダウンロードしたファイルをセー ブするディレクトリを指定(Lynx用) set LYNX_SAVE_SPACE=B: ↓(セーブするディレクトリが C:\DOWNLOAD の場合) set LYNX_SAVE_SPACE=C:\DOWNLOAD 注)LYNX_TEMP_SPACE と LYNX_SAVE_SPACE は違うディレクトリを指定して下 さい。 12 行目:B:/WEBCACHE/ の代わりにハードディスク上のダウンロードしたファイ ルをセーブするディレクトリを指定(WebXpression用) set WEBCACHE=B:\WEBCACHE\ ↓(セーブするディレクトリが C:\WEBCACHE\の場合) set LYNX_SAVE_SPACE=C:\WEBCACHE\ ▼"インターネットB" ディスクの \newsgroups を環境変数 LYNX_SAVE_SPACE で指定し たセーブするディレクトリにコピー。上記の場合、C:\DOWNLOADにコピー なお、ダウンロード先をハードディスクにした方は "インターネットB" ディスクが不 要になります。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 以上でインストールは完了です!
■ ■ 注意事項 ■ インストール作業によって "インターネットA" ディスクにはパスワードが書き込まれ ました。パスワードが盗用されると他人があなたになりすまして勝手にメールを 送ったり、自分が使った覚えの無い課金が請求される可能性があります。そのた め、このパスワードを書き込んだ "インターネットA" ディスクは厳重に保管して下さい。 また、\AUTOEXEC.BAT 内の環境変数 PPPLOG で指定したファイルには通信結果 が逐一記録されます(今回の起動ディスクでは \PPPLOG.TXT )。ここには送信 したパスワードも記録されるため、通信が終わったらこのファイルは忘れずに削 除ないし厳重に保管するようにして下さい。
■ ■ ディスクの起動 ■ 作成した "インターネットA" ディスクをドライブ0に、"インターネットB" ディスクをドラ イブ1に挿入し、[OPT.1] キーを押しながら X680x0 を起動すると自動的に各種 ドライバが組み込まれ、電話を掛け、インターネットに接続されます。 一連の様子を以下に掲載します。 ---- 実行結果 ---- >Command version 3.00 > >A>echo off >TMSIO version 0.31 Copyright (C) 1990-93 by Miki Hoshino >TMSIOが常駐しました >ハードフロー制御、ダイレクトコールが可能です >SCC 5MHzモードで初期化しました > >X680x0 IP driver xip.x β4 Modified by K.Shirakata. >User Process PPP. Written by Toshiharu OHNO. > X68K porting by Kentaro SHIRAKATA. >Log level is 02 >Interactive mode >dial OK! >login OK! >ppp> Packet mode. >ppp> >PPP> SetIpDevice >PPP process kept. >回線がつながりました(IPパケットの送受信が行えるようになりました) >L.BATでLynxが、W.BATでWebXpressionが起動します >R.BATでドライバが解除されます ------------------ "PPP process kept." と表示されれば接続は成功です。以上でインターネット に接続されました。この状態で L.BAT を実行すると Lynx が、W.BAT で WebXpression が起動し、send.BAT でメールの送信が、 recv.BAT でメールの受 信、readnews.BAT でニュースの閲覧が可能です。
■ ■ ドライバの解除 ■ 今回の起動ディスクでは ppp.x と xip.x を常駐し、電話回線がつながった状 態のままコマンドラインに戻ってきます( A> というプロンプトが表示されます)。 Lynx や WebXpression 等で必要な処理が終わった後には電話回線を切り、上記 のドライバを解除します。 R.BAT では上記の2つのドライバを解除します。内容は ppp xip -r を実行しているだけです。ppp.x を再実行すると数秒から数10秒後に電話回線が 切れます(少々時間がかかる事もあります)。 もしプログラムの暴走等で電話回線が切れなくなってしまった場合は好ましい 方法とは言えませんが、X680x0 をリセットすると電話回線も切れます。
■ ■ トラブルシューティング ■ 以上のように設定したにも関わらず接続できなかった場合の対処方法について 解説します。 ▼"dial failed." と表示される場合 >Interactive mode >dial failed. ppp.x 実行後、上記のように表示された、またはこのメッセージすら表示され ない場合は 1)単に話し中である 2)電話を掛ける事に失敗している 3)パスワード確認その他に失敗している 事などが考えられます。 1)単に話し中である >dial failed. と表示されている状態で [return] を押すと ppp のコマンドラインに戻って きます。以下のように ppp> というプロンプトが表示されている状態がそれです。 >ppp> ここで dial[return] と打ち込むと再度電話を掛けます。プロバイダーの電話 回線数は無限ではないため、たまたま多くの人が同時に電話を掛けていた等、単 に話し中であった場合はこれだけで接続できます。 ppp のコマンドラインで使用できるコマンドに関しては ppp のマニュアル ppp.doc に詳細な解説がありますが、代表的な物を挙げておきます。 ---- ppp コマンド --- help : ヘルプを表示する dial : ダイヤルを掛ける term : ターミナルモードに入る(後述) quit : ppp.x を終了する --------------------- 2)電話を掛ける事に失敗している それ以外の原因としては電話を掛けることに失敗している事が考えられます。 問題の解決のためには手動で電話を掛けてみると良いでしょう。そのためには conf.ppp の 16行目をコメントにします。conf.ppp では行頭に '#' を入れると コメントとして認識されます。 ---- conf.ppp ---- dial ↓dial の行をコメント化する # dial ------------------ dial コマンドは電話を掛けるコマンドです。最初の設定では conf.ppp で dial コマンドを指定する事により自動的にダイヤルを掛けるようになっていま したが、これを手動で行うようにします。 conf.ppp を書き換えた後再起動すると、ppp.x を起動した後にコマンド入力 待ちになります。 >User Process PPP. Written by Toshiharu OHNO. > X68K porting by Kentaro SHIRAKATA. >Interactive mode >ppp> ppp> というプロンプトが表示されたら先ほどの ppp コマンドを入力します。 ここでは term コマンドを使用します。 >ppp> term >Enter to terminal mode. >Type `~?' for help. > ターミナルモードでは AT コマンドを使用してモデムと直接通信する事ができ ます。このモードでは表示にある通り ~? と入力するとヘルプが表示されます。 また、AT コマンドに関してはモデムのマニュアルに記載があるはずなので各自 御覧下さい。 ではここで AT と入力してみます。正常であればモデムから OK という返事が 返ってきます。 >AT[return] >OK ここで OK と返ってこない、または AT という文字列すら表示されない場合は モデムとの通信が正常に行われていません。原因としては DTE 速度が速すぎる ためモデムが追従してこない事が考えられます。DTE 速度を落として(conf.ppp の set speed の設定)みましょう。基本的な事ですがモデムの電源やケーブル の接続等が誤っていた場合も同様の症状となります。 更に AT コマンドで電話を掛けてみます。まず最初に ATZ でモデムを初期化 した後、ATD コマンドで電話を掛けます。試しに 117 に電話を掛けてみましょ う。 >ATZ >OK >ATDT117 >OK トーン回線の場合は ATDT117、パルス回線の場合は ATDP117 で 117 に電話を 掛けます。正常に実行できた場合はモデムのスピーカーから時報が聞こえてきま す。この状態で [return] キーを押すと電話回線を切ります。 3)パスワード確認その他に失敗している モデムとの通信も正常に行えている場合は更に別の原因が考えられます。そこ で手動でプロバイダーにログインしてみましょう。 >ppp> term >Enter to terminal mode. >Type `~?' for help. >atdt57934000 >CONNECT 50000/ARQ >Login: mitsuky@gc4 >Password: > Entering PPP Mode. > IP address is 210.139.151.174 > MTU is 1524. >ppp> Packet mode. >PPP> term と入力してターミナルモードに入り、ATDT(またはATDP)で電話を掛け ます。 Login: という表示は接続アカウント(ユーザー名)を、Password: はパ スワードを要求するメッセージですので、それぞれ指示通りに入力します。なお、 パスワード入力時は画面に入力した文字列が表示されません(秘密保持機能)。 以上の入力を元にプロバイダーはあなたが正当なユーザーであることを確認し、 接続を行います。プロンプトが大文字の PPP> になれば接続成功です。 以下はここまで正常に行えない場合の対策です。 ・画面にぐちゃぐちゃな文字列が表示される tmsio.x が組み込まれていない。 ・パスワード入力後に再度入力を要求される まず考えられるのが接続アカウント(ユーザー名)の間違い、パスワードの間 違いです。これを確認して下さい。 また、パスワード認証方式を変えてみるとうまく行くことがあります。ppp.x ではパスワードを確認する方式として、 ・CHAP 認証 ・PAP 認証 の2通りをサポートしています。認証方式の詳細については省略しますが、現在 の設定では PAP 認証を使用しているのを CHAP 認証に変えてみます。 conf.ppp の 7,8 行目の ---- deny chap accept pap ---- を以下のように変更します。 ---- accept chap deny pap ---- これにより chap 認証を使用するようになります。 ・ppp> が PPP> にならない ターミナルモードで ~p と入力します。または、ppp> プロンプトで >ppp> set openmode active と入力する方法もあります。ppp.x は相手が PPP 動作を始めたことを確認し てから PPP に移行するのですが、相手側もこちらが PPP 動作を行うまで待って しまっているため接続が行えない事があります。そこで明示的に PPP 動作を行 うために上記のコマンドを入力します。
■ ■ ATコマンドの設定 ■ モデムによっては ATZ(初期化)の後に更に AT コマンドを追加する必要があ るかもしれません。また、モデムの音を消したいというような要望もあるでしょ う。そのような場合は conf.ppp の 11行目を編集します。 ---- conf.ppp 11行目 ---- set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sDIALTONE ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 5 \"\" AT OK-AT-OK ATDT\\T TIMEOUT 50 CONNECT" ------------------------- 書き換え方については PPP.DOC の「Appendix A チャット・スクリプト」の項を 御覧下さい。 例)モデムのダイヤル音を消す …AT OK-AT-OK ATDT\\T … …AT OK-AT-OK ATM0 OK ATDT\\T … ^^^^^^^これを追加する ATコマンドについては各モデムのマニュアルを参照して下さい。 (EOF)