組み立て作業は一見簡単そうです。しかし、作業がこれだけスムーズなのは、効率的に組み立てられるように内部を設計しておいたり、組み立て手順を工夫したりなど、さまざまなノウハウの積み重ねがあるからです。
たとえば、組み立てマニュアルには「○番のネジでメインボードを止める」というような指示はありますが、“どのように”に止めるのかは指示されていません。この、“どのように”という部分が製造面でのノウハウであり、工夫によって作業効率が向上したり、製品の品質が向上したりすることに直接つながっていきます。
前述の屋台は、そうしたノウハウの集大成と言ってもよいでしょう。組み付ける各部品を置く位置、電動ドライバーを吊り下げておく場所や順番などにも、それぞれ意味があります。また屋台は、作業者や製造する製品に応じて、逐次改良が加えられているそうです。
こうした製造のノウハウは、他社まかせにせず自分たちで一つ一つ組み立てるからこそ得られるものと言えます。結果的には、こうしたさまざまなノウハウが松下電器産業から生まれてくるPCを個性的なものにしているのでしょう。
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