Adobe Photoshop

Adobe Illustrator

Netscape Navigator

Photoshopとプラグインツール。現代の出版・商業デザイン界について語るとき、この2つの存在を無視することはできない。Macがクリエイターの支持を得ている理由の1つとして、このPhotoshopやプラグインツールをあげても過言ではないだろう。
 従来、職人技としてそれなりに熟達したテクニックがなければできなかったさまざまなアートワークが、プラグインという技術・コンセプトによって多くのクリエイターに共有されるようになった。作品の品質の向上、全体的な作業時間の短縮と効率のアップ、そして従来困難だったエフェクト処理やテーストの追加を何度でも再現できるようになったことは、業界内部だけの出来事でなく、われわれの身の回りにあふれるさまざまな商品のデザインにも影響を与えている。

Photoshopプラグインの仕様はインターネットの米アドビシステム社のホームページに「PLUG-IN TOOLKIT」として公開されている 。仕様が詳細に決められているので、PLUG-IN TOOLKITを入手しさえすれば、誰でもプラグインを作成できる。そのためプラグインは、サードパーティーによって販売されるものだけでなく、個人の作ったものがフリーウェアやシェアウェアとして、インターネット等を通じて公開されているケースも多い。
 プラグインツールはものによっては、PhotoshopだけでなくIllustratorや、 Premire、Direcotr 5.0などとも互換性を持ち、それぞれのアプリケーションで同じ効果を発揮する仕様になっているものもある。作品の使用目的に合わせてアプリケーションを選び、その上で同じ機能やエフェクト効果を選択することができる。

プラグインツールは、機能別に以下にあげる5つのタイプに大きく分けることができる。

  1. 「入力モジュール」:ハードウェアからの入力や、他機種のファイルフォーマットの読み込みを可能にする
  2. 「出力モジュール」:プリンタへの出力、他機種のファイルフォーマットへの書き出しを可能にする
  3. 「フィルタモジュール」:画像加工に威力を発揮する
  4. 「ファイルフォーマットモジュール」:「ファイル」メニューからのファイルの読み込み/保存を可能にする
  5. 「解析モジュール」:「Adobe Illustrator」ファイルをインポートする機能を持つ

    他に、直接メニューには現われないが、Photoshopのパフォーマンスを向上させるための「拡張機能」プラグインなどがある。


プラグインツールのインストールは基本的には、Photoshopで環境設定されている「プラグイン」フォルダに、プラグインのファイルを入れておくだけでいい。
 ただし、Photoshopを起動している場合は一度アプリケーションを終了してから「プラグイン」フォルダにコピーしたあと、再びPhotoshopを起動すること。あとは起動時に「プラグイン」フォルダがチェックされ、プラグインの機能がメニューに取り込まれる。数多くのプラグインを利用したいときには、あらかじめPhotoshopの使用メモリを多めに設定しておくといいだろう。


Photoshopのプラグインツールに比べるとIllusutrator用のプラグインツールは数の面では若干少ないようだ。Illustratorの場合、プラグインを導入したのがバージョン5からであるという理由もあるが、Illusutratorに初めから付いてくる各種のプラグインツールが充実していて、普通のデザイナーはこれらの機能で事足りてしまうということが挙げられる。また、Photoshopは今日、Macのグラフィックツールの定番であるのに対し、Illusutratorはデザイナーの仕事の道具としては一流だが、一般ユーザーのお絵かきツールとしては少々敷居が高いという点が、Photoshopのような奇想天外(?)なプラグインが発達しない原因かも知れない。

Illustratorのプラグインで圧倒的に多いのが、描画したオブジェクトにさまざまな効果を与えるグラフィックフィルタだ。中でも、市販品として一番人気なのが、簡単に3Dオブジェクトを生成できる機能を付加するプラグインパッケージだ。KPTシリーズの「VECTOREffects」や「FILTERiT」は、プロから一般ユーザーまでに幅広く浸透した3Dプラグインだ。
 今回紹介するオンラインウェアのプラグインは、5つとサンプルこそ少ないが、いずれもグラフィックフィルタに属するものだ。

Illustratorのフォルダの中に「プラグイン」フォルダがある。インストールの方法はPhotoshopの場合と同じで、プラグインモジュールをこのフォルダの中にドラッグ&ドロップするだけだ。
 なお、Illustrator用のプラグインは、同じアドビシステムズ社の製品であるFreeHandとプラグインを共有できるケースが多いことを付け加えておこう。
 少数精鋭のオンラインウェアプラグイン。どうぞお試しあれ。