ちは!
突然、原稿の時間です、といわれかなりパニクっているへべです。
さてさて、いよいよ、「劇場版カードキャプターさくら」の公開です。講談社連合試写にも、多くの方にきていただき、ただただ感謝感謝です。とってもきれいで、楽しく、ちょっぴり泣いてしまう(なみだもろい私は、2回試写をみて、2回とも泣いちまいました)映画に仕上がっています。損はしません! ぜひ劇場の大きなスクリーンで、さくらちゃんをみてあげてください。
併映のアニメーションクリップ「CLOVER」も、やっとみることができました。(制作が遅れに遅れていたようで・・)こちらも必見! たった6分たらずですが、「映像詩」ともいえる密度も濃さが、ひしひしと伝わってくる作品に仕上がっています。高坂監督はインタビューにこたえて、「原作に漂う悲しさや寂しさを、〈闇〉という形で、映像として表現したい」、「その闇をベタ〈真っ黒〉で描くのではなく、絵で表現していきたい」とおっしゃっています(劇場パンフに掲載してます、買ってね!)。 このことば、ぜひ頭において、「CLOVER」をご覧ください。その〈闇〉の美しさが、胸をうつはず。この美しさは、テレビモニター上ではぜったいに表現しきれない世界のものです。ぜひぜひ、劇場のスクリーンで、体験してみてください。
初日舞台挨拶に、な、なんとCLAMP先生自らが登場されることになりました。一般の方のまえに立たれるのは、ほんと久々ですねえ。わたしも、東京、名古屋、大阪と先生方とごいっしょさせていただきます。その報告は、次回のこのコーナーでする予定です。
CLAMP先生描きおろしによるクロウカードセットは、8月25日発売予定です。クロウカードの実物大原画集ともいえるカード集です。3500円(税抜き)です。とってもきれいなカードですから、ぜひゲットしてくださいね。このカードを使って遊ぶ占いブックも、今冬企画しています。お楽しみに!
今月のおすすめ
『バトル・ロワイアル』高見広春
なにをいまさら、といわれても困るんですが、やっと読む順番(本がたまっているんです・・・あいかわらず)がまわってきたので、読んでる次第です。いやあ、こんなにおもしろいとは正直思っていませんでした。
東洋の全体主義国家、大東亜共和国では、毎年、全国の中学3年のなかから任意のクラスをえらび、「プログラム」と称する殺人ゲームを行わせる。それは、一クラスを小さな島に軟禁。それぞれの首には、爆薬のつまった首輪がはめられ、最後の一人になるまで、殺し合いをさせるというものなんです。24時間以内にだれも死ななかったら、全員首輪を遠隔操作され爆死。島自体も、100のエリアに分割されており、時間を追うごとに立ち入り禁止エリアが指定されていき、そこに踏み込めばこれまた爆死。要するに、このゲームをしたくない人間も、次第に行動範囲を狭められ、いやが上にも参加せざるを得なくなるわけです(それが「死」という形でも)。こう書くと、かなり殺伐とした話とおもわれるかもしれませんが(かなりえぐい表現も多発)、キャラがしっかりかけているので、私は良質の青春小説として読んだんですが、まずいっすか?? この本のオビに「某小説新人賞選考委員全員から、あまりの内容の過激さゆえ、揃いに揃って拒絶、落選させられた噂の問題作」とありますが、この選考委員って、いったいどんな小説を読んでそだってきたのでしょうかねえ?? 綾辻行人の『殺人鬼』なんか、間違っても読んでないでしょうねえ。(たしかこの賞って、日本ホラー大賞? あ、あのー、ホラー好きですか選考委員様・・・。)
自分がこんな状況になげこまれたら、いったいどうするんだろう。人間としての尊厳・・なんて考えたりするんだろうか。私も弱い人間なので、この小説でその手の人間がすぐに殺人をはじめてしまうとこって、とてもよくわかるし、かといって、ほんとに殺っちゃうかなあ、と思うと、ちょっと違う気もするし・・。まあ、「人は信じてはいけない」をモットーにしながら、すぐに信じちゃって馬鹿を見る、という人生を送り続けている私は、きっと最初に殺されちゃうんだろうなあ、としみじみ思うわけです。
一クラス42人。ほんとにいろんな人が登場します。この人は生き残るだろう、なんて予想は、あっという間に裏切られたりします。だれが勝ち残るのか? 怖いし、スリリングだし、人間について考えさせられるし・・・。
まだのひとは、ぜひこのゲームにご参加ください。損はさせませんよ。
今回のおすすめCD
福田進一 ショパニアーナ
フランシスコ・タレガ編曲によるショパンのピアノ曲、ギターアレンジ集。ショパン没後150年? だかなんだかにあたる今年、ショパン企画アルバムのひとつです。あいかわらず、福田のギターさえまくりの一枚。同時期に輸入盤がはいってきたEOTVOS(なんて発音するんでしょう?)のショパンギターアレンジ曲集(EOTVOS自身による編曲・・彼はちょっとまえにだしたバッハの「ゴルドベルク」ギターアレンジ版はすごかったですぞ)と聞き比べるのも一興かと・・・。
クリスタル・ケイ 「エターナル メモリーズ」
歌詞と声質がわたしの好み。カップリング曲のつまらなさが、かなりの不安を呼ぶ歌手ですが、この曲は「なごむ」。
Gontiti 「Red Box」
前作のストリングスものもよかったですが、本来のゴンチチ節がたっぷりきけて、ちょっとエスニックで気持ちいいアルバムです。
エディタ・グルベローヴァ&米良美一 インコンサート
以前にも書きましたが、わたしがオペラ界で一番すきな歌手、グルベローヴ様の新譜がでた・・とおもったら、なんと「もののけ」米良との共演盤。ううん、絶賛している評論おおいけど、私はちょっと米良さんだめです(単品ではOKなんですが、なんせグルベローヴァ様なもんで・・・)グルベ姫が好きな方は、ぜひ。
番外DVD
「少年たちは花火を横から見たかった」
正直また買ったっきり、見てません。でも推薦。だって、岩井俊二作品のなかで最高と信じて疑わない「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の6年後のレポートなんですもの。早く、ゆっくり鑑賞できる時間をくださいませな。
ではまた。
テキスト/山之内秀樹
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