DirectXファイルConv3ds.exeユーティリティ

Conv3ds.exeユーティリティは、Autodesk 3-D Studioや他のモデリングパッケージで作成された3DモデルをMicrosoft® DirectX®ファイルフォーマットに変換する。デフォルトで、テンプレートなしのバイナリ.xファイルを生成する。

この節では、以下の項目を説明する。

Conv3ds.exeの使用

Conv3ds.exeはオプションなしで起動することができ、フレームの階層を含む.xファイルを生成する。たとえば、以下のコマンドを考えてみる。

conv3ds File.3ds

このコマンドは、.3dsファイルから、.xファイルを生成する。フレームをロードするためにはIDirect3DRMFrame3::Loadを用いることができる。

Conv3ds.exeオプション引数

Conv3ds.exe -A

.3dsファイルにキーフレームデータが含まれる場合、アニメーションセットを格納する.xファイルを作成するには、-Aオプションを用いる。コマンドは以下のようになる。

conv3ds -A File.3ds

File.3dsパラメータは、変換しようとするファイルの名前である。IDirect3DRMAnimationSet2::Loadを用いて、アニメーションをロードすることができる。

Conv3ds.exe -m

.3dsファイルにあるすべてのオブジェクトからなる1つのメッシュを格納する.xファイルをつくるには、-mオプションを用いる。

conv3ds -m File.3ds

メッシュをロードするには、IDirect3DRMMeshBuilder3::Loadを用いる。

Conv3ds.exe -T

1つのトップレベルフレームにあるすべてのオブジェクトおよびフレーム階層をラップするには、-Tオプションを用いる。このオプションを使うと、IDirect3DRMFrame3::Loadを一度呼び出すだけで、.3dsファイル中のすべてのフレームやオブジェクトをロードすることができる。.xファイルの最初のトップレベルフレーム階層がロードされる。他のすべてのフレームやメッシュを格納するフレームは、"x3ds_filename" (.3ds拡張子なし) と呼ばれる。-Tオプションは-mオプションとともに用いられると、何ら効果はない。

Conv3ds.exe -s

-sオプションを用いると、.3dsファイル中のすべてのオブジェクトを変換する縮尺係数を指定することができる。たとえば、次のコマンドはすべてのオブジェクトを10倍大きくする。

conv3ds -s10 File.3ds

次のコマンドはすべてのオブジェクトを1/10にする。

conv3ds -s0.1 File.3ds

Conv3ds.exe -r

-rオプションは、.3dsファイルが変換されるときに、面を巻く順序を逆転させる。.3dsファイルを変換してDirect3Dで見たときにオブジェクトが裏返しになっているようであれば、-rオプションで変換を試みること。.3dsファイルとしてエクスポートされるすべての光波モデルは、このオプションを必要とする。詳細については、「光波オブジェクトから作成される3DSファイル」を参照すること。

Conv3ds.exe -v

-vオプションは、冗長出力モードをオンにする。その際に整数を指定する。現在サポートされている整数を、以下の表に示す。
オプション 意味
-v0 デフォルト。冗長モードをオフにする。
-v1 不正なオブジェクトについての警告を印刷し、コンバータが行っていることついての一般情報を印刷する。
-v2 基本キーフレーム情報、変換プロセスに含められているオブジェクト、および保存中のオブジェクトについての一般情報を印刷する。
-v3 非常に冗長。たいていは、デバッグ情報に有用。

Conv3ds.exe -e

-eオプションにより、テクスチャマップファイルの拡張子を変更することができる。たとえば、次のコマンドを考える。

conv3ds -e"ppm" File.3ds

File.3dsがテクスチャマップファイルBrick.gifを参照するオブジェクトを格納していると、.xファイルはテクスチャマップファイルBrick.ppmを参照する。コンバータはテクスチャマップファイルを変換しない。生成される.xファイルをロードするとき、テクスチャマップファイルはD3DPATHになければならない。D3DPATHは、デフォルト検索パスに設定されている環境変数である。

Conv3ds.exe -x

-xオプションを使うと、バイナリ.xファイルではなく、テキスト.xファイルを作成することができる。テキストファイルは大きくなるが、編集は簡単である。

Conv3ds.exe -X

-Xオプションを使うと、ファイルにDirect3D保持モードの.xファイルのテンプレートを含めることができる。デフォルトで、テンプレートは含まれない。

Conv3ds.exe -t

-tオプションは、作成される.xファイルがテクスチャ情報を格納しないよう指定する。

Conv3ds.exe -N

-Nオプションは、作成される.xファイルが法線ベクトル情報を格納しないよう指定する。Direct3D保持モードのロード呼び出しはすべて、.xファイルに法線ベクトルを持たないオブジェクトに対して法線ベクトルを生成する。

Conv3ds.exe -c

-cオプションは、作成される.xファイルがテクスチャ座標を格納しないよう指定する。デフォルトでは、-mオプションを用いている場合、.3dsオブジェクトがテクスチャ座標を持たなければ、出力されるメッシュは (0,0) uv テクスチャ座標を持つ。

Conv3ds.exe -f

-fオプションは、作成される.xファイルがフレーム変換行列を格納しないよう指定する。

Conv3ds.exe - zおよびConv3ds.exe -Z

-zおよび-Zオプションにより、.xファイルにあるオブジェクトによって参照されるすべてのマテリアルのアルファ面カラー値を調整できるようになる。たとえば、次のコマンドによって、Conv3ds.exeは0.2未満のすべてのアルファ値に0.1を加える。

conv3ds -z0.1 -Z0.2 File.3ds

次のコマンドによって、Conv3ds.exeはすべてのアルファのアルファ値から0.2を差し引く。

conv3ds-z"-0.2" -z1 File.3ds

Conv3ds.exe -o

-oオプションによって、作成されるxファイルのファイル名を指定できるようになる。

Conv3ds.exe -h

-hオプションは、3dsファイル(通常はキーフレーマで作成される)の階層情報を分析しないようコンバータに伝える。-mオプションが用いられていなければ、すべてのオブジェクトはトップレベルフレームで出力される。

光波オブジェクトから作成される3DSファイル

光波のTrans3dプラグインによってエクスポートされる.3dsファイルには、いくつかの問題がある。これらを処理するには、次のConv3ds.exe コマンドを用いるのがよい。

conv3ds -r -N -f -h -T|m trans3dfile.3ds

Trans3dや光波オブジェクトエディタによって作成されるすべての.3dsオブジェクトは、その巻き順を逆転する必要がある。そうしなければ、表示するときに「裏返し」になってしまう。これらのオブジェクトには、サーフェス法線ベクトル情報は格納していない。

ヒントと助言

Conv3ds.exeによって作成されたオブジェクトをDirect3D保持モードビューワにロードして見ることができないとき、縮尺係数を約100にしてスケーリングオプション-sを用いる。これは、.xファイル中のオブジェクトの尺度を増大させる。

オブジェクトをビューワにロードし、フラットシェーディングからグーローシェーディングに変えた後、オブジェクトがダークグレイに変色した場合、-N オプションで再度変換を試みる。

オブジェクトが変換されてからテクスチャがロードされない場合、-e オプションを用いてオブジェクトが.ppmファイルまたは.bmpファイルを参照していることを確認する。また、テクスチャの幅および高さが2の累乗であることも確かめる。さらに、テクスチャがD3DPATHの中の1つのディレクトリに格納されていることを確認する。

現在、Conv3ds.exeは、.3dsアニメーションで用いられるダミーフレームを処理することができず、無視してしまう。ただし、子オブジェクトは変換する。


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