この項では、Microsoft® Direct3D® 保持モードインターフェイスの履歴と変更について説明する。連番が付いているインターフェイスの命名規則について説明し、旧バージョンおよび置き換えられたインターフェイスのリストを示す。さらに、新しいインターフェイスで追加されたメソッド、および従来からのインターフェイスにおいて追加されたメソッドのリストも示す。
この項では次の項目について説明する。
Direct3D保持モードのような COM (コンポーネントオブジェクトモデル) システムでは、新しいメソッドと機能は、連番を付けた新しいインターフェイスによって提供される。たとえば、IDirect3DRMFrame3インターフェイスは、IDirect3DRMFrame2で開示されたものにメソッドを追加し、IDirect3DRMFrame2はIDirect3DRMFrameで開示されたものにメソッドを追加する。
DirectX 6.0から、新しいDirect3D保持モードインターフェイスは、旧バージョンのインターフェイスから継承されなくなった。たとえば、DirectX 5.0で導入されたIDirect3DRMFrame2は、IDirect3DRMFrame から直接継承されるが、DirectX 6.0で導入されたIDirect3DRMFrame3は、IDirect3DRMFrame2 や IDirect3DRMFrame から継承されない。すべてのDirect3D保持モードインターフェイスの関係を示す図は、「インターフェイス階層」を参照すること。
DirectX 6.0から、新しいDirect3D保持モードインターフェイスは、最新のインターフェイスオブジェクトへのポイントなど、入力パラメータとして最新バージョンを要求する。旧バージョンのインターフェイスは変更していないため、既存のアプリケーションを書き直す必要はない。たとえば、IDirect3DRMFrame3は、IDirect3DRMFrame2とIDirect3DRMFrameの全機能を提供している。IDirect3DRMFrame3::AddChildは、IDirect3DRMFrame3インターフェイスへのポインタをパラメータとして受け取る。一方、旧バージョンのインターフェイスのメソッドは、パラメータとしてIDirect3DRMFrameの基本インターフェイスへのポインタを受け取る。DirectX 6.0で導入されたインターフェイスのリストは、この項の「新しいインターフェイスおよび置き換えられたインターフェイス」を参照すること。
Direct3D保持モードライブラリとランタイムには、旧バージョンとの互換性を保つために、古いインターフェイスが変更されずに含まれている。しかし、このマニュアルでは説明が冗長にならないように、最新のインターフェイスとメソッドだけを説明する。この項では、変更について広く説明する。個々のインターフェイスとメソッドに関する説明では、バージョン間の変更点について、やや限定的に説明する。旧バージョンのインターフェイスを使用しても、新しいアプリケーションを作成することはできるが、新しいインターフェイスを使用して、強化された機能を活用することを推奨する。
DirectX 6.0以前では、新しいDirect3D保持モードメソッドは、入力パラメータとして常に基本インターフェイスオブジェクトを受け取っていた。新しいメソッドは、出力パラメータとして、新しいインターフェイスかオブジェクトを返す。あるメソッドのパラメータが変更された場合、変更されたメソッドの名前は連番が付けられて (たとえば、名前に"2"を付けて)、新しいインターフェイスに追加される。たとえば、IDirect3DRMFrame::AddMoveCallbackには2つのパラメータがある。機能を拡張するために、パラメータを追加した新しいバージョンのメソッドは、IDirect3DRMFrame2::AddMoveCallback2のように、連番を付けた新しいインターフェイスで開示された。しかし、DirectX 6.0からは、新しいインターフェイスは古いインターフェイスを継承しないため、変更したメソッドの名前に番号を付加する方法は不必要になった。そのため DirectX 6.0以降では、DirectX 5.0で"2"を付けた Direct3D保持モードメソッドの名前から、"2"が削除されている。IDirect3DRMFrame2::AddMoveCallback2はIDirect3DRMFrame3::AddMoveCallbackに、IDirect3DRMMeshBuilder2::GenerateNormals2はIDirect3DRMMeshBuilder3::GenerateNormalsに置き換えられている。
次のリストは、Microsoft DirectX® Software Development Kit (SDK) バージョン6で新たに導入されたインターフェイスを示している。新しいインターフェイスと置き換えられた古いインターフェイスも示している。
古いインターフェイス | 新しいインターフェイス |
なし | IDirect3DRMClippedVisual |
なし | IDirect3DRMAnimationArray |
なし | IDirect3DRMObject2 |
IDirect3DRM | IDirect3DRM3 |
IDirect3DRM2 | IDirect3DRM3 |
IDirect3DRMAnimation | IDirect3DRMAnimation2 |
IDirect3DRMAnimationSet | IDirect3DRMAnimationSet2 |
IDirect3DRMDevice | IDirect3DRMDevice3 |
IDirect3DRMDevice2 | IDirect3DRMDevice3 |
IDirect3DRMFrame | IDirect3DRMFrame3 |
IDirect3DRMFrame2 | IDirect3DRMFrame3 |
IDirect3DRMMaterial | IDirect3DRMMaterial2 |
IDirect3DRMMeshBuilder | IDirect3DRMMeshBuilder3 |
IDirect3DRMMeshBuilder2 | IDirect3DRMMeshBuilder3 |
IDirect3DRMShadow | IDirect3DRMShadow2 |
IDirect3DRMTexture | IDirect3DRMTexture3 |
IDirect3DRMTexture2 | IDirect3DRMTexture3 |
IDirect3DRMViewport | IDirect3DRMViewport2 |
以下のリストは、メソッドとインターフェイスが追加または変更されたメソッドとバージョンを列記して、Direct3D保持モードの履歴を示している。3つ以上のバージョンが存在する場合 (IDirect3DRM3、IDirect3DRM2、IDirect3DRMなど) は、最初を除くすべてのバージョンを掲載して、バージョン間の機能強化を示す。Direct3D保持モードが最初に開発されて以降、変更されていないインターフェイスは示してない。インターフェイスが導入されたときのDirectX SDKのバージョンは、インターフェイス名の横にカッコ書きで示す。
このインターフェイスは、IDirect3DRMObjectの置き換えではないので注意すること。
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