DirectDraw は、共に作用するいくつかのオブジェクトで構成されると考えられる。ここでは、オブジェクト タイプごとに、DirectDraw コンポーネントを用いる場合に使用するオブジェクトについて簡単に説明する。詳細については、「DirectDraw の要点」を参照すること。
[C++]
DirectDraw コンポーネントは、以下のオブジェクトを使用する。
- DirectDraw オブジェクト
- DirectDraw オブジェクトは、すべての DirectDraw アプリケーションの中核となるものである。作成する最初のオブジェクトであり、関連する他のすべてのオブジェクトを作成するために使用するからである。DirectDraw オブジェクトを作成するには、DirectDrawCreateEX 関数を呼び出す。DirectDraw オブジェクトは、IDirectDraw、IDirectDraw2、IDirectDraw4、および IDirectDraw7 インターフェイスからその機能を公開する。詳細については、「DirectDraw オブジェクト」を参照すること。
- DirectDrawSurface オブジェクト
- DirectDrawSurface オブジェクト (単に "サーフェス" とも呼ばれる) は、メモリ中のある領域を表す。その領域には、イメージとしてモニタ上に表示するか、または他のサーフェスに転送するデータが保持されている。サーフェスを作成するには、たいてい DirectDraw オブジェクトの IDirectDraw7::CreateSurface メソッドを呼び出す。作成したサーフェスは、そのオブジェクトと関連付けられる。DirectDrawSurface オブジェクトは、IDirectDrawSurface、IDirectDrawSurface2、IDirectDrawSurface3、IDirectDrawSurface4、および IDirectDrawSurface7 インターフェイスからその機能を公開する。詳細については、「サーフェス」を参照すること。
- DirectDrawPalette オブジェクト
- DirectDrawPalette オブジェクト (単に“パレット”とも呼ばれる) は、サーフェスと共に使う 16 ないし 256 カラー インデックス付きパレットを表す。このオブジェクトには、サーフェス内の値と関連付けられたカラーを記述する一連のインデックス RGB トリプレットが含まれている。8 ビット以上のピクセル フォーマット深度を使うサーフェスと共にパレットを使用することはできない。DirectDrawPalette オブジェクトを作成するには、IDirectDraw7::CreatePalette メソッドを呼び出す。DirectDrawPalette オブジェクトは、IDirectDrawPalette インターフェイスからその機能を公開する。詳細については、「パレット」を参照すること。
- DirectDrawClipper オブジェクト
- DirectDrawClipper オブジェクト (単に “クリッパー” とも呼ばれる) は、サーフェスのある部分やサーフェスの境界を越えてブリットが行われるのを阻止する。クリッパーを作成するには、IDirectDraw7::CreateClipper メソッドを呼び出す。DirectDrawClipper オブジェクトは、IDirectDrawClipper インターフェイスからその機能を公開する。詳細については、「クリッパー」を参照すること。
- DirectDrawVideoPort オブジェクト
- DirectDrawVideoPort オブジェクトは、いくつかのシステムに存在するビデオ ポートハードウェアを表す。このハードウェアにより、CPU にアクセスしたり、PCI バスを使用せずにフレーム バッファに直接アクセスすることができる。DirectDrawVideoPort オブジェクトを作成するには、IID_IDDVideoPortContainer 参照識別子を指定して DirectDraw オブジェクトの QueryInterface メソッドを呼び出す。DirectDrawVideoPort オブジェクトは、IDDVideoPortContainer および IDirectDrawVideoPort インターフェイスからその機能を公開する。詳細については、「ビデオ ポート」を参照すること。